エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

人生は、ころんだら、最初に戻るもの

2015-07-19 10:55:18 | エリクソンの発達臨床心理

 

 エリクソンのライフサイクル理論は、単なる理論であることを超えて、日常生活を最深欲求に結びつける叡智の塊なんだろうと考えます。

 The life cycle completed 『人生の巡り合わせ、完成版』、p60の第1パラグラフの 下から9行目途中から。

 

 

 

 

 

 confirmed fidelity「困難があっても、信念に堅く忠実であり続けること」がないと、オドオドしたり、公然と反対したりする態度が、自信のない連中や運動のシンパやら、公然と反抗する徒党や運動のシンパとともに、燎原の火の如く広がることになります。このようにして、trust 「困難があっても信頼し続けること」とfidelity 「困難があっても、信念に忠実であり続けること」とは、文字の上でも、ライフサイクルの発達の上でも、互いに関係しています。私ども心理臨床の仕事をしている者が出会う一番病んだ若者たちは、青年期になっても、最初の発達段階に、半分意識的に、半分無意識的に退行します。それは、その一番病んだ若者が、もし希望を完全に失くしていないのであれば、赤ちゃんの頃に身に着けるはずの、根源的な希望を取り戻して、そこから再び前に向かって、飛躍するためなんですね。

 

 

 

 

 

 青年期まできてても、最も重たい心理的課題を抱えている人は、最初に戻って、希望を取り戻そうとすると言いますね。根源的信頼感が、いかに根源的かが、分かりますでしょ。

 青年期でもそうなんですから、私が日ごろ付き合いのある小学生はなおさらですね。小学生の場合は、さらに申し上げれば、軽い心理的課題の子どもでも、最初に戻ったほうが、むしろ、良い場合がほとんどですね。ですから、それが可能な場合は、私は、いつでも、最初からのやり直しを狙います。どれだけ、根源的信頼感が、根源的か、分かるだろうと思います。

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