エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

#新幹線のぞみの中の絶望  #不幸な生い立ち と #無差別殺傷事件 #幾重にも重なった絶望

2018-06-11 06:43:12 | 間奏曲

 
#アンパンマン こそ,#発達トラウマ障害の子ども の #最善のサイコセラピスト #言葉のイメージ
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 小田原近くで,新幹線のぞみで,無差別殺人事件がまた起こりました。

 その22歳の「犯人」が,男の被害者をめった刺しにしていた時の「」を見た目撃者が,「一点を見つめているようでおかしかった」と話すのをテレビニースで見て,これは「解離を起こしていたなぁ」と直感しましたね。「解離」といっても,発達トラウマ障害のことをよくご存じでない圧倒的多数の方には,皆目見当もつかないことでしょう。簡単に言えば「意識が飛んだ状態」です。意識が「いまここ」にない。「いまここ」とは,何か別のことに意識が向いてしまっていて,何をしているのかもよく分からない状態です。

 この「犯人」の家族によれば,「この2年間で突然行方が分からなくなり、3回ほど警察のお世話になったことがありました」(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180610/k10011470941000.html?utm_int=detail_contents_news-related_001)ということです。「今ここ」とは違うところに意識が行く場合,本人も知らない間に,どこか遠くに出かけることがあるんです。私もそういうケースに出会ったことがあります。解離性遁走と呼びますが,家族や関係者にとっては,「突然と遠出」,「突然の行方不明」ということになります。

 この「犯人」も自閉症と言われていたようですが(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180610/k10011470941000.html?utm_int=detail_contents_news-related_001),ほぼ間違いなく,発達トラウマ障害でしょう。

 23歳の青年の新潟女児殺人事件があったのが,先月5月7日でしょ。1か月後の6月9日の夜中に新幹線のぞみの中で,殺人事件でしょ。子どものころのトラウマ体験が,いかに強烈な病をもたらし,時に,無差別に,時に,弱い立場の,子どもや女性,老人を,殺傷することになるのか,分かりますでしょ。犯罪を犯す発達トラウマ障害の人は,それでも少数ですから,いかに,発達トラウマ障害がパンデミック(大流行)(学級なら,学級閉鎖,学校なら学校閉鎖にしなくてはなりません)であるかが,推して知るべしでしょ。

 発達トラウマ障害の子どもが,青年が,大人が「逃げ場もない」し,「助けてくれる人もない」状況に,非常に苦しんでいること,それはこの「犯人」に襲われた人たちだけのものではなくて長い間この発達トラウマ障害の青年自身が苦しめられてきたことに他なりません。この新幹線のぞみの中に,幾重にも重なった絶望を見ましたね。心が母体:motherで,やる事:matterが生じるんですから。

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