ここも意外に大事なとこですね。たいていは、「なまけているから」「だらしないから」「バカだから」…と否定的、消極的に考えがちですね。本田哲郎神父様は何と言っているんでしょうか? 『釜ヶ崎と福音』から。
いったいなぜ、これほどまでに貧しく小さくされた人たちが、こんなにもおおぜいいるのか、わたしたちは考えるようになるでしょう。これが大事です。
「怠け者だから」、「無知だから」とか、「要領が悪かったから」、「運がわるかったかのだ」というのが、偏見と誤解にすぎないということは、救済活動に取り組んでいる内にわかってきます。
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現代世界の貧困は、たまたま出現したというものではなく、作り出されたものです。富と権力の恩恵に浴し続けたい人たちによる政治と経済政策によって、意図的に作り出されたものであることに気づくのです。
たとえば、日雇い労働者がふつうの常用の仕事に就きたいと思っても、制度上いくつもハードルがあって、実現が困難な仕組みになっています。住民票ひとつとっても、ドヤ(日雇い労働者の多くが利用している住まい)での住民票取得を制度として禁止しているため、日雇い労働者の多くが「住所不定者」にさせられていて、就職活動をする上での越えがたいハードルとなっているのです。日雇い労働者の足止め政策です。日本の土木・建設産業は、雇うのも首を切るのも自由にできる日雇い労働者をあてにして成り立っており、労働基準法違反であることをわかっていながら、国も土木・建設企業を持ちこたえさせる必要上、これを認めているのです。
一般には、日雇い労働者がそこから常勤の仕事に就くのに、大きなハードル、それをできないようにさせる邪魔な仕組みが「公的に」制度化されている、ということは、教えられてきませんでしょ。それは、土建・建設会社が儲かるためのものです。
私はサイコセラピストとして、同じようなことをいつも考えているんですね。それはこういうことです。
私が毎日毎日出逢うのは、昨日も今日も、そして、おそらく、明日も、発達トラウマ障害(DTD)の子どもたち。私も「なんでこんなにたくさん発達トラウマ障害(DTD)の子どもや大人が多いんだろうか?」と考える訳ですね。
発達トラウマ障害(DTD)の子どもを前にすると、教員の中には、「頭が悪いから」、「怠け者だから」、「親に教養がないから」、「わがままだから」、あるいは、「頭が悪く、指示が通らない(どうしようもない奴)」…。でも、これは、偏見と誤解にすぎないのは、同様です。
でも、その子どもが、前頭前野が委縮し、ストレスに反応する偏桃体が肥大し、偏桃体の暴走を抑える海馬は委縮しているし、ホルモンバランスや免疫システムまで悪影響を受けている、ということまで、教員らは知らずにいるんですね。
実際、セラピストとして、発達トラウマ障害(DTD)の子どもの求めにできるだけ応じて、面白いと感じるものを一緒に楽しんでいると、自分の問題を問わず語りに語り出します。そして、自分の答えを自分で応えていくようになるのです。
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