≪根拠のない自信≫。根拠のないことって、ふつう嫌われたり、避けられたりするものじゃぁないですか? 根拠がないことは、不合理で、信用できないこととイコールだったりします。
逆に、根拠のあることは、その出所がハッキリしているという点で合理的です。そこが根拠のあることの強みですね。でもね、逆にそこが弱点にもなりうる。なぜなら、その根拠が突き崩されたら、その根拠のあることは、脆くも崩れ去ってしまいますでしょ?
≪根拠のない自信≫とは、つまり、突き崩されることのない自信、ということです。これは a sense of basic trust ≪根源的信頼感≫のことなんですね。これは、台無しにされることのない自信なんですね。
≪根拠のない自信≫は、≪根源的信頼感≫のことですから、2つの要素があります。1つは、失敗や挫折を経験したときでさえ、自分自身は値打ちもの、自分は必ずうまくいく、という自信を持ち続けることができる、ということです。もう1つは、人から裏切られたり、騙されたりした時でさえ、人は当てになる、世の中はうまくできている、という信頼を抱き続けることができる、ということ。この≪自己信頼感≫+≪他者信頼感≫=≪根拠のない自信≫ということ。
この≪根拠にない自信≫を育てるにはどうすればいいのか? これは赤ちゃんの頃の発達危機の関わるものです。赤ちゃんが泣いたり、笑ったりすることを通して表現する願いや望みに、何千回、一万回以上、お母さんに応え続けてもらって、初めて育むことができるものなんですね。ですから、≪根拠にない自信≫は、赤ちゃんの頃に経験した、一万回近いお母さんの献身が≪根拠≫だ、という訳ですね。≪根拠にない自信≫は、赤ちゃんの頃の経験に根差していますから、後になってからそれを取り消しにしたり、なかったことにはできません。ですから、≪根拠のない自信≫程、確かな自信はないんですね。これに比べたら、業績や財産や地位に基づく根拠など、大したものではありません。その根拠になった、業績や財産や地位をいったん失えってしまえば、その自信は簡単に崩れ去ってしまうんですからね。この世的な根拠がないからこそ、≪根源的信頼感≫なんですね。
≪根拠のない自信≫を育む関わりを私どもは、子どもに対して提供し続けたいと私は考えますよ。
その点、今日の写真で用いた、いとうひろしさんの『だいじょうぶ だいじょうぶ』は、この≪根拠のない自信≫の回復のために、とても大事なツールになる絵本ですね。
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