北帰行 掛け声をかけながら、北に向かいます。
今日から「ブルース・ペリー教授の『犬』」というカテゴリーを追加いたしました。
ブルース・ペリー教授の The boy who was raised as a dog より、p.210、真ん中あたりから。
しかし、公平を期するために、もう1つ指摘すべきだと思うのは、精神疾患の理論で、人に汚名を着せたり、親を非難したりするような理論は避けたいと思う親が多い、ということです。そう遠くない昔、統合失調症は、「分裂病原因母」が原因と信じられてしましたし、自閉症は「冷蔵庫母」(母親が「冷たく」て、子どもの面倒をみないの)がいけないと言われました。遺伝学や生物学は、精神病の症状の動物行動学において、大きな役割を果たすことを知っています。しかし、虐待や(発達)トラウマも、精神疾病と似たような症状を生み出しますからね。これまで見てきましたように、コナーやジャスティンのような子どもたちは、その問題は虐待とネグレクトに由るものでしたけれども、「自閉症」だとか、「統合失調症」だとか、「脳障害」だとか、ラベルを張られることが多いのですね。しかし、現実には、この子たちの問題は、有害な環境の結果だったんですね。
この有害な環境で最大のものが、母子関係なんですね。母親だけが悪いわけではないケースも少なくないのですが、「逃げる母親」ほど、有害な環境としても、心の病気としても、重度である傾向にあります。
子どもの現実やニーズと、ADHDや精神疾患のラベルが「ずれてまっせ」ということが、アメリカでも日本でも、極々日常茶飯事です。
しかし、こんなこともありますね。
マーレのような母親は、自分に都合の良い枠組みを、現実に当てはめようとしました。また、その都合に合わせて、医者に求めました。しかし、母親が求めるその枠組みはジェームズのニーズや実態からはかけ離れたものでした。
研究者の中には、自分の研究の枠組みを、現実に当てはめようとする人がいます。また、その都合に合わせて、仲間を求めています。しかし、研究者の枠組みは、ユーザーである子どものニーズや実態からは、かけ離れたものです。
私は声を大にして(大にしようと意識せずとも、すでに「大」声だという説が有力ですが)、その母親たちと、その研究者らに「ずれてまっせ」と言いたい。
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