世界の中心に意識がある。そして、楕円となる。
2013-08-10 01:21:08 | エリクソンの発達臨床心理
このひまわりも、東向き
人が正しい方向に向いて生きるとは、信頼して生きることだと分かってきました。そうだったんですね。ですから、赤ちゃんの時の、根源的信頼感を確かにすることがいかに大事なことか、赤ちゃんの時の信頼感がいかに「根源的なのか」が分かります。
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1990年代、バブル景気が崩壊して、その後長い不況に入る頃ですね。バブルのころ、行商をしていた私の父が、こんな話をしてくれました。短大を出て、大手の会社に入った、まだ二十歳そこそこの女性が、入社数か月で貰って来たボーナスが、30年以上お勤めのお父さんの倍以上だった…。父親は私にも、そのような大企業にはいることを暗に示したのかもしれませんが、なんか私は違和感がありましたね。年功序列が良い、と言うのじゃありません。高々3か月くらいの働きと、30年の働きが、その金銭的な評価において、こんなにも逆転してもいいのか? ということだったと思います。
その後のながーい不況の中で、日本は非常におかしな社会になりました。1990年以前が良い社会だったというにじゃぁ全然ありませんよ。むしろ、民主主義の観点から言えば、北欧などと比べてもはるかに遅れていた。そこにバブル崩壊、「失われた20年」が続いた。
不十分でしかなかった、民主主義の制度がさらに後退した。金融の自由化、労働の流動化、診療報酬の引き下げです。貸し渋り、不安定雇用の増加、医療の切り捨てです。
全世帯で圧倒的に悪影響だったのは、不安定雇用の増加でしょう。それは、低賃金、長時間労働、労働災害(死亡災害、死傷災害、重大災害)の増加、自殺者年間三万人超の高止まり…をもたらしました。子どもの前から、ほとんど両親を奪い去った、と言っても大過ないのではないでしょうか?
「学習面又は行動面で著しい困難を示す」子どもの増加が文科省によって最初に報告されたのが、2002年ですね。バブル崩壊直後に誕生した子どもが中学生になる頃ですね。ですから、不景気と、その結果としての社会構造の崩壊が、もろに子どもに悪影響だった、と考えて、ほぼ間違いありませんね。
そのとばっちりで、いま、子どもが最初に乗り越えるべき発達の危機が、乗り越えられません。ビックリするほどの数の子どもが、その最初の発達危機を乗り越えられないところに、今の日本の根源的な危機があります。
それを端的に示すのが,発達トラウマ障害(DTD)のパンデミックです。
今のニッポンは,発達障害が激増しているように見えるのは,誤解です。
低賃金・長時間労働で働かざるを得ない母親が,0歳,1歳の赤ちゃんと,心地よいやり取り関係を豊かに持てないために,子どもの半分以上が,発達トラウマ障害(DTD)になっている訳です。
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