人を大事にすることの根源は、関係に忠実であろうという≪真の関係≫なんですね。
p55下から2行目から。
このことから、自分が大事にするもう一人の相手と同じくらい、自分自身を大事にしなくちゃいけません。自分自身が生かされていること、自分が幸せなこと、自分が成長していること、自分にゆとりがあること、これらを肯定することが、自分が≪真の関係≫をやれるゆとりになります。この≪真の関係≫とは、弱い立場の人を世話すること、弱い立場の人を個として認めること、弱い立場の人を尊重すること、弱い立場の人の声にならない声に応えること、弱い立場の人を謙虚な気持ちで理解することです。1人の個人が、豊かに≪真の関係≫を結ぶことができるのならば、自分自身も大事にできます。1人の個人が、他者としか≪真の関係≫を結べなければ、その人は全く≪真の関係≫を結ぶことはできないんですね。
自分を大事にできないと、人を大事にすることはできません。自分を大事にできない人ほど、甘ったれ。フロムが今日のところでハッキリ言っている通り、他者しか大事にできない、と言えば、その人はだーれも大事にできるはずがありません。自分を大事にできていないからです。
自分を大事にすることが、有徳であるのは、自分を大事にすることこそ、すべての基い、すべての始まりだからです。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます