エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

すべては、自分を大事にすることから。

2014-07-27 10:05:56 | エーリッヒ・フロムの真まこと(の行い)

 

 人を大事にすることの根源は、関係に忠実であろうという≪真の関係≫なんですね。

 p55下から2行目から。

 

 

 

 

 

 このことから、自分が大事にするもう一人の相手と同じくらい、自分自身を大事にしなくちゃいけません。自分自身が生かされていること、自分が幸せなこと、自分が成長していること、自分にゆとりがあること、これらを肯定することが、自分が≪真の関係≫をやれるゆとりになります。この≪真の関係≫とは、弱い立場の人を世話すること、弱い立場の人を個として認めること、弱い立場の人を尊重すること、弱い立場の人の声にならない声に応えること、弱い立場の人を謙虚な気持ちで理解することです。1人の個人が、豊かに≪真の関係≫を結ぶことができるのならば、自分自身も大事にできます。1人の個人が、他者としか≪真の関係≫を結べなければ、その人は全く≪真の関係≫を結ぶことはできないんですね。

 

 

 

 

 自分を大事にできないと、人を大事にすることはできません。自分を大事にできない人ほど、甘ったれ。フロムが今日のところでハッキリ言っている通り、他者しか大事にできない、と言えば、その人はだーれも大事にできるはずがありません。自分を大事にできていないからです。

 自分を大事にすることが、有徳であるのは、自分を大事にすることこそ、すべての基い、すべての始まりだからです。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 触れるのは、信頼の証拠 | トップ | なんで、今の日本には、こん... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿