エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

根源的不信感・恥+「仕事バカ」=北朝鮮と同様な人権侵害

2014-04-04 04:56:02 | エリクソンの発達臨床心理

 

 

 
良心と裁判 日本の裁判所の厳罰主義は、日本人の「恥」の深さ・強さの反映

 前回の翻訳箇所では、「悪い良心」によって、人がいかに自分自身が分裂してしまうか、が説得的に、具体的に示されていたと思います。この「自分が分裂する」ことが、様々な心の病と戦争の根っ...
 

 袴田事件のようなことがあると、日本の厳罰主義はずっと前からのことだと分かります。しかも、この事件において典型的に表れているように、「仕事バカ」がそこにプラスされると、犯人にデッチアゲられた人のことなどお構いなしに、仕事の〈成就〉のみが追及されてしまいます。「恐ろしい」ではちょっと済まされませんね。ネルソン・マンダラの27年収監でも過酷なのに、47年もの収監は、無期懲役、いやすでに死刑に匹敵する長さと言えるでしょう。

 日本人は自分を出さないのが奥ゆかしさですが、それも、根源的信頼感、自己信頼と結びついたものでしたら健全でしょう。しかし、このような厳罰主義+「仕事バカ」「仕事中毒」があることを考えると、むしろ、根源的不信感と恥の深さと結びついているのが、自分を出さない、あるいは、逆に自分を出したいことの、心理的背景として、強烈に存在することが分かります。

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