エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

自分自身と対話しないのは、仕方ない?

2014-11-21 11:47:45 | アイデンティティの根源

 

 「正しいこと」を押し付ける人は悪い良心の人ですね。「心の病」の元凶です。

 p223の下から14行目途中から。

 

 

 

 

 

神経症の人や外では通用しない論理がまかり通る集団の病を治療する私どもが自問自答しなくちゃぁならないことがあります。それは、「自分が悪い」と感じすぎたり、「自分は恥だ」と感じすぎたりすることの元凶になったり、それが強調されたりするのは、親や社会が圧力を掛けたり、大事にされなくなるかもと恐れたり、打たれたり、みんなの前で恥をかかされたりするためなんですね。あるいは、自分自身と対話しない悪い癖があるためなんですね。自分自身と対話しないことが、人間の進歩的遺産の一部、ある程度は仕方がない一部になっちゃってるんですね。

 

 

 

 

 「自分が悪い」とか、「自分は値打ちがない」と感じるのは、自分自身と対話がないからなんですね。悪い良心の両親や教員に育てられた結果です。「正しいこと」を押し付けられるので、その子はやり取りよりも、奴隷のように、支配され、コントロールされ、従うことを強制されることになってしまうからなんですね。ですから、その子は、≪ありのままの自分≫を表に出すよりも、表に出さずに我慢することを強要されることになっちゃいますでしょ。 ≪ありのままの自分≫は、我慢されられたり、抑えつけられると、「≪ありのままの自分≫はガラクタ、ゴミだ」と感じるようになってしまいます。するとますます≪ありのままの自分≫を出せない、我慢する、という悪循環に嵌ります。

 それが進歩だとするなら、進歩しない方がましですね。

 

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