エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

機械仕掛けの人間

2014-11-13 11:22:15 | エーリッヒ・フロムの真まこと(の行い)

 

 現在のシステムの力は、個人の力を圧倒しますでしょ。意識的に、同調主義に傾かない心の姿勢が必要です。

 p122の12行目途中から。

 

 

 

 

 

人を大事にすることこそが、人間の実存的課題に対する唯一の合理的応答であると、真面目な関心を示す人がいたる結論は、今現在の社会構造を、大規模に、根本的に変革しなくちゃぁ、いけない、ということです。それは、人を大事にすることが、1つの社会的で、それほど個人的じゃぁなくて、周辺的な現象になった場合には、社会を変えなきゃ、という訳です。こういう社会変革の方向性は、この本の射程内では、仄めかす程度です。私どもの社会は、管理主義の官僚と職業政治家が回しています。人々は、みんなが言っていることに動機づけられていますし、人々の目当ては、大量生産、大量消費で、自己目的です。すべての活動は、経済的目標に従属し、手段が目的となってしまっています。人は機械仕掛けなんですね。食べることに困らず、身なりものそれなりだけれども、自分ならではの持ち味を生かすような究極的な最深欲求を見失っているんですね。

 

 

 

 

 今の人は、衣食住が足りても、生きている意味が分からず、自殺したり、身体を売ったり、人を傷つけたりするのは、機械仕掛けになっているから。日々の生活がオートパイロット、自動操縦になっているからですね。アンパンマンの問い、「何のために生まれ、何をして生きるのか」を問う自省をしていないからなんですね。

 最深欲求に応え続けるためにも、1人の時間に味わる「単独之幸福」が何よりも大切です。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ≪私≫の中には、≪約束≫がある | トップ | 黄金律の知恵 不思議な一致 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿