オッカムに代表される唯名論は、名前には意味はあるけれども、実態はない、と考えたわけですね。実在論との、かの有名な普遍論争は、教科書的に申し上げれば、中世の代表的な論争です。
Young Man Luther 『青年ルター』p190の第3パラグラフ、5行目途中から。
私どもは、イデアだとか普遍とかに、モノの属性があるなどとは言えませんし、私どもが空想しがちなように、イデアやら普遍やらの量が増すなどとは言えません。「不必要に多くのことを仮定してはならない(non est ponenda pluralitas sine necessitate)」ということは、有名な一文でして、「節約の法則」を確立しました。この「節約の法則」は、自然科学研究を明確にしましたし、今や心理学に対しても、人間を、一番少数の力とメカニズムに還元するように求めることになります。
ごちゃごちゃしてちゃダメ。少ない法則、説明原理で、なるべくすべてを説明できるような原理を良しとすること。簡単に申し上げると、オッカムの「節約の法則」はそういうことです。これはスッキリして良いですね。「オッカムの剃刀(カミソリ)」といわれるらしいですよ。
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