エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

インターメッツォ: エリクソンの叡智 :  自我の強さって、自分が確かにされ、誠実に生きたいと願うこと

2016-10-08 08:08:31 | 間奏曲

 

アメリカでは、「(発達)トラウマ障害」と言う言葉が、本棚のタイトルになるほど。日本の本屋では、PTSDは本棚のタイトルになっても、まだまだ「発達トラウマ障害(DTD)」がタイトルになることもない。日本語では「発達トラウマ障害」と言う言葉がタイトルにある本さえ一冊もないのが、騙され続けているニッポン人の、お気楽で、オメデタイ現象です。

 
心と心が響き合わないと、心は育ちませんよ。
   働き盛りの大人の時間、ある意味では生が一番充溢してます。しかし、死を忘れやすい時間でもあります。生が充溢しているのに、それは見た目だけであって、死を展望しない生の充溢......
 

  今朝も、Chilhood and Socirty から。p.186.

 

 

 

 

 

 「強い自我」と何となく呼んでいることは、…ひとりびとりの人格の中核にあり、確固としていると同時に、柔軟なところが、どなたでも必ずある、いろんな矛盾と折り合いを付けひとりびとりにあるバラバラな点をまとめ上げ、さらには、特に、長年にわたり、避けて通れないできた、赤ちゃんの頃からの不安を抜け出して、自分が確かにされる感じを手に入れて、誠実であろうとする意志をもつようになったものなんですね。

 

 

 

 

 

 自分が確かにされる感じがどれだけ大事なのか、解りますでしょ。エリクソンのライフサイクルの心理学は、自分が確かにされる感じを人生の道すじ、広がりの中で、明確に示してくれます。

 人は、心がバラバラな人ほど、言ってることとやってることもバラバラで、自分も人も信頼できず、嫌っていますから、ウソとゴマカシを生きるようになるんですよ。残念ですし、もったいないでしょ。せっかく頂いた命なのにね。

 ですから、エリクソンは、心がまとまる(integrate)人になれるように、その手立てを、暮らしの中で具体的に示してくれていて、自分が確かにされ自分も人も信頼しながら、誠実に生きられる(integrity)ように、教えてくださっている訳です。

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