現世考 ： #母性社会 #北朝鮮による拉致問題 #日本による拉致問題

 

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　北朝鮮が，２０名くらいの日本人を拉致して，地村保志・地村（浜本）富貴恵夫妻，蓮池薫・蓮池（奥土）祐木子夫妻，曽我ひとみさんの５人以外は，いまだ帰国できません。生きているのか，すでに亡くなっているのか，安否さえ分からず，また長い間家族が自由に会うこともできないことは，ご家族は人間として耐え難いことです。１日も早い帰国が望まれます。

　しかし，北朝鮮の拉致だけが非難されるべきものではないと私は考えます。それは，この拉致は，日本人による韓国人・朝鮮人の拉致とは分けられない話だと考えられるからです。北朝鮮の拉致と日本の拉致を一緒に議論することって，不思議なくらい少ないですよね。

　日本は，韓国・朝鮮を植民地にしていたとき，炭鉱労働者や慰安婦・性奴隷を２０人とは比べることのできない人数を，拉致してきました。私自身，比較的関心があるほうかもしれませんが，詳しいことは知りませんし，学校でも教えられた覚えがありません。

　でも，日本の「家族会」の人たちが感じているだろう苦しみを，韓国・北朝鮮でかつて日本に拉致されて徴用工や性奴隷にさせられた人の家族も味わわされているはずでしょ。

　日本は，強烈な母性社会ですから，強烈な同調圧力の社会ですから，全員が「なんでこんなに我慢しなくちゃならないんだ」と。日本人は被害者意識を強い。そういったのが河合隼雄先生でしたね。それが，歴史認識，現状認識にも投影されているとわたくしは考えます。ヒロシマ・ナガサキ・東京大空襲など，被害の歴史はよく学んでも，南京虐殺・徴用工・性奴隷などの加害の歴史はあまり知りません。ですから，加害の歴史に対して，十分な謝罪が実現していない。お役所仕事的な，アリバイ作りの，オザナリの「解決済み」でしかない。

　日本の加害の歴史をきちんと受け止めなおすことが，遠回りのようで，北朝鮮による拉致問題の根本解決のために役立つと，わたくしは考えますね。

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