「発達トラウマ障害」Enpediaと
発達トラウマ障害を英語で・英訳 ‐ 英和辞典・和英辞典Weblio辞典
をご参照ください。
今晩は、ヴァン・デ・コーク教授が、2009年に出した、発達トラウマ障害(DTD : defelopmental trauma disorder)をDSM-Ⅴにハッキリと入れてね、という提案書(http://www.traumacenter.org/announcements/DTD_papers_Oct_09.pdf) の2日目。
冒頭部分の段落から、序章の最初の2パラグラフを飛ばして、第3パラグラフから。
極度のストレス障害(DES : Disorder of Extreme Stress)について、DSM-Ⅳに加えるための実地試験をやろうとする流れ(ベルコヴィッツ、カプラン、デローズ、マンデルとサルジンジャー、2000、ロース、ニューマン、ベルコヴィッツ、ヴァン・デ・コークとマンデル、1997、ヴァン・デ・コーク、ベルコヴィッツ、ロース、マンデル、1996)は、子どもの頃に、不適切な養育環境下で、対人間暴力でトラウマを負わされて、大人になった人の精神病理を、描き出すものでした。この過去を振り返る研究がハッキリと示しているのは、子どもの頃に恒常的に対人関係によるトラウマに晒され続けて、大人になった人に対して、対人関係によるトラウマが及ぼす衝撃は、大人になってから、レイプ、災害、あるいは、事故に遭遇した患者達の衝撃と比べて、異なっている、ということです。極度のストレス障害の症状の塊は、最終的に、DSM-Ⅳに「PTSD関連の特色」として取り入れられました。大人になってから発病したPTSDと、子どもに対して対人間暴力が臨床的に及ぼす影響は、全くもって異なるものだということが分かってきたことと、これらの子どもに対する実効性のある治療法を開発する必要性があるということを主たる根拠として、2001年に、国立子どもトラウマ・ストレス・ネットワークが設立されるに至ったわけです。それから8年も経たないうちに、(PTSDや極度のストレス障害は障害と認めるけれども、発達トラウマ障害を障害とは認めない)現行の診断分類のやり方は、トラウマ関連の様々な困難のために、精神科医療のケアを受けた10000人以上のトラウマを負わされた子ども達には、相応しいものではないことが、データに基づいて明らかになってきました。
このように、一発の地震や津波のよるPTSDとは、全く異なる、子どもの頃に受けた、虐待やネグレクトによる発達トラウマ障害は、治療法を開発する必要が出てきました。
その後、さらに7年経過した昨年2015年に、 ヴァン・デ・コーク教授のThe body keeps the score : brain, mind, body in the healing of trauma 『虐待されたら、意識できなくても、身体は覚えてますよ : 脳と心と身体がトラウマを治療する時どうなるか?』を出して、発達トラウマ障害の三大治療法は、サイコセラピー、薬物療法、ボディーワークの3つの組み合わせだと結論付けています。
したがって、発達トラウマ障害≒愛着障害が溢れるほどいる今の学校では、心理教育は、発達トラウマ障害≒愛着障害のセラピーとしては、全くの役立たず、お門違いのミスリード(ウソとゴマカシ)だと言わなくてはなりません。役立つのは、サイコセラピー、薬物療法、ボデーワークとその組み合わせです。
私は、薬物療法とボディーワークの効果は確かめておりませんが、サイコセラピーの効果は、確認済みです。時にサイコセラピーは、劇的な効果を示すことがありますが、それは天来の恵みだと私は考えます。
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