エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

立場の弱い人の味方になれるかどうかは、自分のことで精いっぱいを卒業したかどうかで決まります

2015-07-06 07:14:56 | エリクソンの発達臨床心理

 

 いまは、次世代を育てる力が、幅広く増えている、と言うのはうれしいニュースでしたね。

 The life cycle cpmpleted 『人生の巡り合わせ、完成版』、第3章p55から。

 

 

 

 

 

               

       心理社会的発達の主な舞台

 

         用いる言葉について 表についても

 

 生涯にわたる心理社会的な舞台の流れをもう一度お話することは、ジョアン・エリクソン(訳注:エリクソンの奥様)と私が、たとえば、hope 希望だとか、fidelity 忠誠心だとか、care 低みに立たされている者の味方になる、だとかと言った胡散臭い言葉を含む言葉を、発達の舞台にくっつけたことに、責任を取りたい、ということです。こういった言葉は、対人関係の中での心理的な強さの1つなんですね。その対人関係の中での心理的な強さは、人生の3つの危機場面で、人と響き合う傾向に傾くのか、それとも、人とガチャガチャぶつかり合う傾向に傾くのか、の戦いの中から生まれるものなんですね。hope 希望は、赤ちゃんの頃に、根源的に信頼できるのか、それとも、根源的に信頼しきれないのか、のぶつかり合いの中から生まれるものですし、忠誠心は、青年期に、identity 自分を確かにさせることができるのか、それとも、自分を確かにできずに右往左往することになるのか の戦いの中から生まれますし、care 低みに立たされている者の味方になれることは、大人になってから、次の世代を育てることができるのか、それとも、自分のことで精いっぱいになっちゃうのか の戦いの中から生まれます。

 

 

 

 

 

 エリクソンは、実に人間のことをよく知っていますよね。自分をよく観察し、子どもをよく観察していた何よりの証拠ですね。特に、立場の弱い人の味方になれるかどうかは、自分のことで精いっぱいを卒業しているのかどうか、で決まる、というのは、いまここの日本の人たちにも、良く当てはまることですよね。

 

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