操り人形であることを止められないなんて、もはや「生きるシカバネ」です。でも、自分が「生きるシカバネ」であることにさえ、気づかないなんて! 悲劇を通り越して、喜劇です。今日は、p.16下段から。
絆を繋ぎ止める三つ目の方法は、「ものづくり」にあります。それは、絵描きのものづくりですし、職人のものづくりです。ものづくりならどんなものでも、ものづくりをする人は自分と素材を結びつけますが、その素材はそのものづくりをしている人の外の世界を代表するものです。大工さんがテーブル一つを作っても、金細工師さんが宝石を一つ作っても、お百姓さんがトウモロコシを作っても、絵描きさんが絵を一枚描いても、作り手と素材が一つになりますし、ものづくりをする時に、作り手は世界と繋がります。ところが、これは、ものをつくるときにだけ、すなわち、「アイ」私が、自分の仕事の成果を計画して、作り出して、見届ける作業にだけ、当てはまることなのです。現在、平で働く人の働き方は、どこまで続くかわからないようなベルトコンベアーの仕事ですから、仕事が自分と世界を繋ぐ余地はほとんど残っておりません。現在の労働者は、機械や組織・システムの付属品に成り下がってしまいました。現代の労働者は「アイ」、自分であること、を止めにしています。ですから、「得するから群れに加わる」以上の絆がないのです。
なんて悲しいことでしょう。仕事を通じて、自分と世界の繋がりを実感できないなんて! 現代の労働者は機械や組織・システムの付属品、奴隷と化しているといいます。
私どもは、どうやったら「奴隷解放」が可能なんでしょうか?
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