エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

神様の弱さというバカ 改訂版

2015-07-10 08:08:45 | アイデンティティの根源

 

 ルターも気づいたんですね。自分が苦しんで、悩んで、死んじゃいたいなぁと思ってたことに、計り知れない価値がある、ということを、聖書の御言葉に見つけた時の感動ですね。それがあればこそ、聖書の御言葉がまるでスポンジに水がしみ込むように、ルターの心に染み入っていったわけです。そのルターの言葉にも、聴く者の心に沁みこむ力があったのは、その恵みです。

 Young Man Luther 『青年ルター』p211の最初から。

 

 

 

 

 

 詩編講義で25回、ロマ書講義では1回だったのに、ルターは、パウロの「コリントの信徒への第1の手紙」から、対応する2つの聖句を引用しました。まず最初の聖句は

「22. ユダヤ人はしるしを求め、ギリシア人は知恵を探しますが、

23. わたくしたちは、十字架につけられたキリストを宣べ伝えています。すなわち、ユダヤ人にはつまづかせるもの、ギリシア人には愚かなもの

25. なぜなら、神の愚かさは人間たちより賢いから、神の弱さは、人間たちよりも強いから。」(訳注:「コリント人への第1の手紙」第1章22~25節)

 二律背反に満ちた、神の愚かしさと弱さはルターにとっても、神学的に揺るぎないものになります。

 

 

 

 

 

 The life cycle completed 『人生の巡り合わせ、完成版』、人間の美点は普遍的、ともシンクロしてますね。神の愚かさと弱さには、計り知れない価値がある、という訳ですね。神様のバカに徹するとね、この世的な価値を≪超越≫する視点を戴けると同時に、この世的な価値を≪超越≫する生きる指針に忠実に生きる生き方に道が開かれますよ。

 「視点の変化」だけでは、生きる指針までは変わりませんよ。松ちゃん!

 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 人間の美点は普遍的 | トップ | 自覚なき独裁 無責任な私たち »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿