エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

#微妙な身体の動き が #手がかり

2019-06-10 08:46:23 | ヴァン・デ・コーク教授の「トラウマからの
 
#日高六郎さんの思い出 #歴史的事実を忘れない
    日高六郎さんが亡くなりました。朝日新聞にも,訃報記事がでましたね(上の記事)。 今から30年ほど前,早稲田の政経の3年か4年前期の時に,授業で日高六郎さ......
 

 

「発達トラウマ障害 Enpedia」  をご参照ください。

 

 ヴァン・デ・コーク教授の  The body keeps the score : brain, mind, body in the healing of trauma 『大切にされなかったら、意識できなくても、身体はその傷を覚えてますよ : 脳と心と身体がトラウマを治療する時どうなるか?』 は,翻訳が終わりましたが,印象的な言葉を適宜拾ってみようと思います。 

 June 06 ,2019,横浜の心理臨床学会で,Perezさんのお話を聴いた関係です。  p.219の,最後から5行目から。今朝は,p.220の,第2パラグラフから。

 

  体感療法の治療では,今まで起きたことを物語ることは後回しにして,まず体感を探って,過去のトラウマが身体に刻み付けた傷の場所と形を見つけることを優先します。トラウマそのものに深く入り込む前に,患者さんたちは,トラウマの時に圧倒された様々な体感と様々な気持ちに安心して繋がれる道を育てる,自分の内側にある,手応えのある体感を創造する手助けをしてもらえます。ピーター・レヴィンは,このやり方を「振り子」といいます。患者さんたちは,様々な体感と様々なトラウマ記憶に,心から優しく,出たり入ったりするんです。このようにして,患者さんたちは,「我慢できる窓」を次第に広げることをて助けしてもらえます。

 患者さんたちは,トラウマのために生じる様々な体感を意識することに,一回耐えられれば,強烈な心の震えがあることが分かるんです。打っ叩きたい気持ち,押しのけたい気持ち,走り出したい気持ち。それは,トラウマを体験している間に,生き延びるために,押し殺した気持ちです。こういった心の震えが示すのは,すぐには気付かない微かな身体の動きです。例えば,身を捩ったり,クルクル回ったり,後ずさりしたり。

 

 

 この微妙な身体の動きが,トラウマを癒す手掛かりになるようです。

 セラピストには,鋭い感性が必要です。

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