エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

発達トラウマ障害(DTD)のセラピーの要諦 : ビスティス

2016-07-16 07:47:20 | トラウマを負う≪本当の自分≫を取り戻す

 

 

 
子どもの「私」は、「割れ物注意!」
   「本物」とは?  「本物」と言って思い出すのは、信仰の恩師、西村秀夫です。西村先生の口癖の一つは、間違いなく「本物」でした。 その中でも、忘れなら......
 


 

 2年前(2014年)、心理臨床学会の招聘講演で、発達トラウマ障害(DTD)について講演した、Ruth Lanius ルース・ラニウスさんらが昨年出した本、Paul Frewen , Ruth Lanius (2015) , Healing the Traumatized Self   consciousness, neuroscience, treatmet 『トラウマを負わされた自分に対する囚われから自由になること  意識、神経科学、治療』の翻訳。 最終章の第7章、p.275の下から7行目途中から。

 

 

 

 

 

トラウマを乗り越えた人々は、ある種、より善いもの、思いやりのある社会の一部にもなります。 トラウマを乗り越えた人の意識は、束縛を解かれていますから、それまで出来ずにいた禁止事項を、男でも女でも、自由に打ち破ることができます。新しく未知なる経験が、トラウマを乗り越えた人に、男女の区別なく、開かれて、トラウマを乗り越えた人は、牢獄から出ることができます。それは、かつてトラウマに囚われていた人には、手が届かくとも思えなかったやも知れない世界なんですよね。

 

 

 

 

 トラウマに囚われている、ということは、今を生きることも、未来に開かれることもできません。なぜなら、トラウマに囚われていたら、何時でも不意に、トラウマを負わされた過去に引き戻されてしまうからです。

 そのトラウマを乗り越えるためには、何よりも大事なのは、〇〇セラピー、などではありませんよ。発達トラウマ障害(DTD)の治療で何にも増して大事なのは、ヴィジョンであり、そのヴィジョンに対して忠実であり、誠実であることです。要するに、ピスティス πίστιςです

 

 

 

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