パレーシアな関わりが罠になることもあるのですね。
今日は『イオン』です。これはパレーシアな戯曲です。
この戯曲の神話的枠組みは、アテネを基礎づける伝説を含んでいます。アテネの神話によれば、エレクテウスはアテネ生まれの最初の王様で、大地の子であると同時に、死して大地に戻ったのです。エレクテウスは、アテネ人が自慢にしていること、つまり、このように、アテネ人の土着性を体現しています。アテネ人は文字通りアテネの土から生まれます。紀元前418年、この戯曲が書かれた頃、このように神話を参照することが政治的な意味がありました。エウリピデスが聴衆に思い出してもらいたいことは、アテネ人は、アテネの土から生まれているということでした。しかし、クスートス(エレクテウスの娘のクレウサの夫で、ビュティアーの出なので、アテネ人にとっては外国人だった)を通して、エウリピデスがまた聴衆に示したいと願っていることは、アテネ人は、結婚を通じて、ペロポネソス半島出身者、特にアカイア人と関わり合うことでした。アカイアの名は、クスートスとクレウサの息子の一人、アカイオスに由来します。なぜなら、エウリピデスがアテネ人の家系には汎ヘレニズムの性質があると説明するによって、イオンを、アポロとクレウサ(古代アテネの王様エレセウスの娘です)の息子にします。クレウサは後ほど、クスートス(エビア人との戦争[紀元58-62]で、アテネ人の同盟者でした)と結婚しました。二人の息子はこの二人から生まれています。ドーロスとアカイオスです。イオンはイオニア人の祖と言われましたが、ドーロスはドリア人の祖と言われますし、アカイオスはアカイア人の祖と言われます。このように、古代ギリシアの部族の祖達は、アテネの王族出身として描かれます。
日本では、パレーシアの人のほうが罠に陥りやすく、損ですね。
今朝の新聞でも、国家的プロジェクトである、アルツハイマー病研究で、データの改ざんというウソがあると告発した人が、大損をしたことが報じられています。
益々、パレーシアとパレーシアステスが求められる社会ですね。今の日本は。
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