自分自身を信頼すること。それかすべての始まりです。
p114第3パラグラフ。
人を信頼することのもう一つの意味は、他者のポテンシャルを信頼することです。この信頼の一番根っこにある形は、お母さんが赤ちゃんに示す信頼です。すなわち、赤ちゃんが生き、成長し、歩き、話すようになるだろうと、お母さんが信頼することです。しかしながら、この点で子どもの発達は、その子どもを期待することには、信頼など必要じゃぁない、と思える規則に従って起こります。子どもの発達は、発達することができないポテンシャルとは違います。つまりは、子どもが発達するポテンシャルは、その子どもが、人を大事にしたり、幸せになったり、判断力を使ったりするポテンシャルや、芸術的な天賦のような、一層特定のポテンシャルとは違います。子どもが発達するポテンシャルは、種です。その種は、成長し、実をつけるのは、子どもが発達するのに相応しい条件が整う場合でして、もしその条件がなければ、その種は芽を出すことができません。
フロムは、信頼は、自分自身を信頼することであると同時に、他者を信頼することでもある、と言います。エリクソンと全く同じですね。でも、フロムはエリクソンの真似をしているんじゃぁありませんでしょ。信頼とは何か? と自問自答する中で、自ずから、そうなったものだと考えて、間違いないでしょう。
時として、「自分は信じてるけれども、他人は当てにしない」という人もいますでしょ。でもね、そういう可能性は0なんですね。その人が言う「自分」は、本当の自分じゃないからです。その人が言う自分は、「厚化粧の自分」、「華々しい自分」、「武装した自分」なんであって、「本当の自分」に向かい合うことを歪めてしまうものでしかありません。
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