今年のノーベル物理学賞。青色発光ダイオード(LED)。最初に青色発光ダイオードの仕組みを創り出した赤崎勇教授と、その弟子、天野博教授。今回の発見も、実験の「失敗」という偶然が絡んでいた、と言います。
青色発光ダイオード、それを創り出すためには、窒化ガリウムの結晶が必要だそうですね。他の研究者が諦める中で、赤崎勇教授は、創り出すのが困難な窒化ガリウムの結晶を創り出す試みを継続しました。30才も若い天野博教授は、名古屋大の学生の頃、赤坂勇教授の研究室に入ります。そして、徹夜もいとわず結晶づくりを、実験装置を自ら作りながら、繰り返したそうです。窒化ガリウムの結晶は、サファイアの土台の上に、窒化ガリウムを流すのだそうです。そんな実験を1500回以上繰り返した後、いつもは炉の温度を1000度以上に保つのに、その時は、機械の調子が悪く、炉を1000度以上に保てなかったそうです。それはいわば「失敗」。しかし、その時に、良く見ると、結晶ができていた、と言います。それは努力に努力を重ねた後の、ご褒美のようなセレンディピティそのものですね。赤崎教授も天野教授も、予測もできないところに、新発見は準備されていた、という訳です。
でも、これはノーベル賞級の発見にだけ、あるものなんでしょうか?
実はそうではないんですね。
私も、子どもの臨床を中心に、いろいろとたくさんのセラピーをしますでしょ。その中で最も優れているセラピーは、必ず、私の予測を超えた≪超越≫が必ず働きます。「思いがけず、良い結果が得られる」と言うパターン、セレンディピティが働きます。ですから、その優れた結果は、自分で勝ち得たものだ、と言うよりは、プレゼントされたもの、恵みとして与えられたもの、なんですね。
セレンディピティ。それは、本気で眼の前の課題に集中するときに与えられるものです。エディソン流に申し上げれば、99%の汗(パースピレーション)と1%の閃き(インスピレーション)であって、努力に努力を重ねた結果が、1%の閃き、セレンディピティをもたらす、と言えるでしょう。
私どもも、セレンディピティ、≪超越≫に恵まれますように、日々を本気で生きていたいものですね。
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