エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

#最初の絆 #絆ができなかった者の悲しみ

2019-11-11 08:43:45 | エリクソンの発達臨床心理
 
#大人の強さを夢見る夢 #心響かせてもらえない立場 #ハートの値打ち
 #高品質の天にも昇る心の習慣 #過去は変えられる #単独者の心得 #自分自身の人生を生きる心の習慣 #言葉の魔術師エリクソン #魂の抜け殻のご親戚筋   発達トラ......
 

 

「発達トラウマ障害 Enpedia」  をご参照ください。  
 
 
 ヴァン・デ・コーク教授の  The body keeps the score : brain, mind, body in the healing of trauma 『大切にされなかったら、意識できなくても、身体はその傷を覚えてますよ : 脳と心と身体がトラウマを治療する時どうなるか?』 は,翻訳が終わりましたが,印象的な言葉を適宜拾ってみようと思います。 
 
 p.112のブランクから。
 今朝は,第4パラグラフ,5行目から。
 
 
 
 
 
安全基地
 
 人間がこの世に生まれたとき,私どもがオギャーと泣くのは,自分がいまここにいることを知らせるためです。誰かがすぐに,オギャーと泣いた私たちに関わってくれてお風呂に入れてくれて,お包みに入れてくれて、お腹を満たしてくれて,中でも1番なのは,お腹や胸のところに持ち上げて肌と肌で触れ合って抱っこしてもらえることです。私ども人間は,根源的に,関係の中で生きる被造物なんですね。つまり,私どもの暮らしは,人類皆兄弟の中に自分の居場所を見付けるものでしょ。私は,かのフランスの精神科医,ピエール・ジャネ大先生の言葉遣いが大好きでしてね。「全ての人生は芸術作品,手に入る全てをピッタリと合わせて一体にした芸術作品です」
 私どもは成長するにつれて,自分をだんだんと大切にするようになります,身体も心も。ですが,自分を大切にする最初の学びは,お母さんから大切にされた経験からです。自分を生きる術を身に着けるのは,赤ちゃんの頃にお母さんたちとしたやり取りをどれだけ心響かせてもらっていたか,にかかっています。親が慰めと元気の基になるなぁ,と当てになる親がいる子どもたちは,一生,生きやすくなります。運命が手渡すかもしれない最悪なことにも対処する緩衝材みたいになるからです。
 ジョン・ボールビーが気付いたのは,子どもたちは顔と声に引き付けられますし,身体の変化,動きのテンポ,芽生えたばかりの動きに,非常にアンテナが高い,ということでしたね。この生まれながらに感度がいいアンテナこそは,進化の賜物であり,人間の赤ちゃんのように弱い被造物が生き延びるのに欠かせない賜物である,ということでしたね。子どもたちも,大人を1人(あるいは,2人か3人)選ぶようにできているんです。その大人と一緒にいれば,その子が生まれもったコミュニケーショクを創造する働きもまた,育つものですね。自分のコミュニケーショク能力を育ててくれる大人を選ぶことが,赤ちゃんが最初にくっ付く絆になります。
 
 
 
 子ども自身が選ぶ,ということがとても大切なことが分かります。
 赤ちゃんの時にお母さんとの絆ができなかった人は,ずっと人と絆を持てない場合が,びっくりするほど多いものです。
 絆ができなかった者は,悲しきかなぁ,ウソとゴマカシを生きることになります。
 
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