今日は、The body keeps the score : brain, mind, body in the healing of trauma 『虐待されたら、意識できなくても、身体は覚えてますよ : 脳と心と身体がトラウマを治療する時どうなるか?』の、いつもの続きは一回お休みします。
さっきのブログ発達トラウマ ― 無知な「専門家」のミスリードのついでに、序章からp.3の第2パラグラフを翻訳しときます。
トラウマの背後に潜む根源的な過程について、私どもが知る知識が猛烈に増大したおかげで、トラウマによるダメージを和らげるあたらな可能性ばかりではなくて、トラウマのダメージを取り消しさえする新たな可能性に道が開かれました。トラウマ・サバイバーたちが≪いまここ≫を生きていると実感し、自分の暮らしが進むように手助けする、脳が自ら備えている適応力の高さを利用する治療法と経験を開発することが出来ています。3つの道があります。
1)トップダウン 話をして、他者との絆を結び(直し)、自分に起きていることを、自分でも知り、理解する道。トラウマの記憶に折り合いをつけるもの。
2)薬を用いることによる道。不適切な警戒反応を締め出す薬を使います。薬以外の技術を使って、脳の情報処理のやり方を変える道
3)ボトムアップ トラウマがもたらす、無力感、激しい怒り、気分の落ち込みに、心深く、はらわたに沁みる位に対抗する経験を身体がする道。
この3つの内、どれが一番トラウマ・サバイバーに効くかは、経験的な問いですね。私が治療している人のほとんどは、この3つの組み合わせです。
このように、1)心理療法、2)薬物療法、3)鍼灸・マッサージ・ヨガなどのボディーワークと、その組み合わせが、発達トラウマに有効です。
先ほどのブログで、被災地の心理的支援のミスリードをしている「専門家」は、ヴァン・デ・コーク教授が30年に渡って、臨床と研究をしてきた、この3つの道の1つもやってないのです。
あとは「推して知るべし」です。
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