エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

ユングの示す、3つの教育から、新しい教育を考える

2015-08-09 04:02:32 | エリクソンの発達臨床心理

 

 

 
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 今晩は、明日山登りに早朝から出かけますから、ショート・カット版でお届けします。ユングの第5夜。教育を考えます。

 ユング著作集第17巻(The collected Works of C.G.Jung, Vol.17, pp.149-164)に戻って、The significance of the unconscious in individual education. 「個人を教育する上での、無意識の重要性」を主な素材として考えます。

 ユングはこの文書で、3つの教育のやり方について触れています。1つは具体例を用いた教育、2つは、集団教育、3つは個別教育です。最初の具体例を用いた教育は、ユングが言うには、一番古くて、一番効果があるかもしれない教育だと言います。集団教育と言うのは、必ずしも学校教育とイコールではないようですが、規則、方針、方法に従う教育だと言いますね。最後が個別教育です。これは集団教育とは逆で、生徒ひとりびとりの持ち味を引き出すという目的をハッキリさせて、その目的にかなう規則、方針、方法を決める教育だと言います。

 特にどれが良いとユングは言っているのでは必ずしもありません。私が注目するの、生徒が不安神経症になっている場合は、「普及している教育方針(集団教育)は役立たないばかりか、有害だ」としている点です。そんなことよりも、「子どもの家庭状況を徹底的に調べなさい」とユングは言いますね。

 私は、これを読んで、今も変わらないと考えたわけですね。ルールを子どもに押し付けるような、今の日本の学校教育は、アメリカては「禁忌」とされている「正しいことを押し付ける関わり」になっちゃってますでしょう。教員の方は、それが正しいと信じているし、他に方法を知らない場合も少なくありません。そしたら、子どもは不幸ですよね。その教員もある意味気の毒ですね。

 愛着障害だらけの今の日本の学校では、真の意味での個別教育計画(IEP)が必要ですし、それを教員以外の保育士、ソーシャルワーカー、医者、サイコロジストなどの、多職種が、≪対等な話し合い≫で決めていく時代が、もう、とっくに来ています。

 

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