エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

発達トラウマ障害≒愛着障害の診断基準:ヴァン・デ・コーク教授のご提案

2016-03-31 05:14:16 | ヴァン・デ・コーク教授の「トラウマからの

 

 

 
弱さの強さ
  これは、パウロの書簡「コリントの信徒への手紙 二」の第十二章10節「それゆえ、私は弱さ、侮辱、窮乏、迫害、そして行きづまりの状態にあっても、キリストのために満...
 

  go to sun  光に向かって生きたいですね(smile !)。
 

 

 愛着障害、発達トラウマ障害の事は、心理臨床の現場でも、まだまだ理解されていません。それに、愛着障害は、アメリカ精神医学界(APA)が出している診断マニュアルDSMにあるけれども、発達トラウマ障害は、DSMの第5版にも載っていない。アセスメントが混乱しますでしょ。私の心理臨床の経験から申し上げたら、ADHDと誤診されるて、リタリンやコンサータを間違って処方されてしまう場合が多い。信州の湖あたり?も怪しい(smile !)。でも、個別に心理臨床をしていたら、ADHAでも、昔ながらのPTSDではないことが、ハッキリ分かってきます。一発の地震や津波によるトラウマと、子どもの頃の虐待やネグレクトによる、繰り返しの発達トラウマとは、全く別物であることが分かりますよ。発達トラウマは、1)対人関係での(多くは母親との関係)2)子どもの頃の(その多くは、赤ちゃんの時期【なかには胎児の時から】の~)3)繰り返し体験させられる(多くは、毎日何十回も) トラウマですから

ね、go to sun

 それで、ヴァン・デ・コーク教授が、2009年に出した、発達トラウマ障害(DTD : defelopmental trauma disorder)をDSM-Ⅴにハッキリと入れてね、という提案書(http://www.traumacenter.org/announcements/DTD_papers_Oct_09.pdf) から、翻訳したいと思いました。この提案は、認められなかったのですが、とても大事な提案だと思います。それは、いろんなサイコセラピストに、ご自分がやってる心理臨床を、ヴァン・デ・コーク教授の提案してくれていることと取らし合わせて貰いたい、と考えたからです。そうしたら、自分がやっている心理臨床の立ち位置も分かるでしょうし、あのミスリードの「専門家」がいかにお門違いのミスリード(ウソとゴマカシ)をしているのかも、ハッキリ分かるからです。

 

 また、関心のある方で、英語に挑戦しても良いと思う方は、こちらにもチャレンジしてくださいね。

 1)http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3541245/

 2)http://www.traumacenter.org/products/pdf_files/preprint_dev_trauma_disorder.pdf

 3)http://www.apa.org/monitor/mar07/diagnosis.aspx

 4)http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4032083/

 5)http://www.attachmentdisordermaryland.com/traumadisorders.htm

 

 それで、ヴァン・デ・コーク教授が、2009年の提案書に入る前に、その導入をしている、

1)http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3541245/

から、翻訳しておきたいと思います。今回は、まず原文を載せて、その後に翻訳を載せることとします。

 

Proposed diagnostic criteria and symptom clusters

To include DTD in the DSM-V algorithm for separated diagnosis, van der Kolk et al.[20] proposed the following criteria (organized into three symptom clusters) in addition to the defined symptoms of PTSD (see List of Symptoms below):

· Symptoms of emotional and physiological dysregulation/dissociation

· Problems with conduct and attention regulation

· Difficulties with self-esteem regulation and in managing social connections.

 

ヴァン・デ・コーク教授が提案した診断基準といくつかの症候群

発達トラウマ障害(DTD)を、DSM-Ⅴで別の診断にする手順に含めるために、ヴァン・デ・コーク教授ら(20)は、次のような診断基準(3つの症候群にまとめることが出来ます)を、PTSDの定義上の症状に付け足しました(下記参照)。

1) 感情をコントロールしたり、生理学上のホメオスタシスを保ったりすることが出来ない。

2) 行動上、課題があったり、集中力を保つことに課題があったりする。

3) 自尊感情を保ったり、人との関係を調整したりすることが出来ない。

 

 

 

 

 ここで、20とは、さっき示しましたヴァン・デ・コーク教授の提案書の事です。

 こうして見てくると、怒り出すと、なかなか収まらないで、お友達や教員に食って掛かるような子ども何かを恐れて、教室にいられなくなるような子どもが、1)に当てはまりますね。生理学のホメオスタシスは、すぐに分からなくても良いです。少なくとも、感情のコントロールが出来ない子は、少なからずいますでしょ。

 それから、授業中に、私語や立ち歩きを止めない子ども下や横を向いている子どもがたくさんいますでしょ。これが、2)の当たります。

 そして、自尊感情の低い子ども、人との関係が上手く出来ない子どもですけれども、それは、やたらとベタベタする子どもこちらが相手をしないと、切なそうな顔や不満げな顔をする子ども表情が暗かったり、堅かったりする子どもです。そんな子どもも、1つのクラスに、もう何人もいますでしょ。10人以上いますよね。

 

 こういう子どもは、発達トラウマ障害、愛着障害の子どもと診てみたらどうでしょう。 go to sun

 

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