エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

ユングが教えてくれる、本当の自分が育つとき

2015-12-02 02:16:41 | エリクソンの発達臨床心理

 
大川小学校の「事件」には、今の日本の学校教育の病理が現れています
  NHKで大川小学校の「事件」の検証番組が再放送されていましたね。http://www.nhk.or.jp/special/detail/2014/1128...
 

 本当の自分は、心の中の小さな囁きに従うことによって育つことが出来ます。このブログでも繰り返し、お伝えしている内容です。その囁きは、voice 声、だとか、vocation 呼びかけ、だとか言います。

 ユングもその著作集の17巻のP175の、下から5行目途中から。

 

 

 

 

 

本物の人格はいつだって、呼びかけですし、その呼びかけを、神様を信頼するように、信頼することです。たとえ、人が「その呼びかけなんぞは、単なる気分ですよ」と言っても、信頼することです。ところが、この呼びかけがまるで神様の法則のように働くんですね。ですから、その呼びかけから逃れることなどできません。わが道を行く、たくさんの人が破滅するという事実は、その人がその呼びかけを聴いていたからでは全くありませんからね。人は自分自身の法則に従うことになってんですからね。それは、あたかも、1人の悪魔が、人に、「新しくて、素晴らしい道を生きなさい」と囁いているかのようですよ。この呼びかけを聞いた人ならだれでも、内なる人の声を聴いたんですね。その人は「呼びかけられ」たんです。ですから、伝説によれば、その人には自分の悪魔がいて、悪魔に相談に乗ってもらったり、その悪魔の命令に従ったり、しなくてはなりません。

 

 

 

 

 人が無視し、あるいは、無視する様に唆す、自分の内なる呼びかけに従って生きること、そして、その呼びかけを自分が生きていくうえでの自分自身の法則=オートノミー自律とすることが、人には大事なわけですね。エリクソンは、ユングのここでの議論を、自分のライフサイクル論の中に生かしています。

 

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