あなたの「成功のあかし」は何ですか?
ベンツやBMW、タグホイヤーの時計、ハンティングワールドのバッグ、田園調布の家、六本木ヒルズの億ション、一部上場企業の役員、ティファニーの宝石…?
TEDのプレゼン。今までプレゼンは何本あるんでしょうか? NHKは「スーパープレゼンテーション」でこのTEDを流してますね。私もほぼ毎回見ています。私が今まで見た中で、最も感動したのは、ボストン・フィルの指揮者、ベンジャミン・ザンダーさん Benjamin Zander のプレゼンです。
http://www.ted.com/talks/benjamin_zander_on_music_and_passion?language=ja
このプレゼンの最後に、ある女性の話が紹介されます。子どもの頃、弟が靴をなくしたのを見つけて、「何やってんの。自分の物を失くしちゃぁダメでしょ」と叱った、と言います。それは、アウシュビッツ強制収容所へ向かう「貨車」の中の事でしたが、それが、その姉がその弟に言った最後の言葉になってしまった、と言います。姉は生き延び、弟は殺されたからです。それでその女性は次のように心に誓ったと言います。「私はアウシュビッツ強制収容所から出て、再び人生を歩み出した時に、1つの誓いを立てたんですね。その誓いとは、『最後の言葉になっても、耐えられないようなことは、二度と言うまい』」と。そして、べンジャミンさんは続けます。「その誓いを私どもは、出来ますか? できないでしょう。自分のことを悪く言ったり、人のことを悪く言ったりしますよね。でもね、この誓いは、自分の人生を掛けるだけの価値があります」と。
そのベンジャミンさんは、自分の「成功のあかし」をどう思っているんでしょうか? やっぱり、ボストン・フィルの指揮者になったことが、成功のあかしなんでしょうか? 答えは「NO」ですよ。ベンジャミンさんは、指揮者を20年務めた時「ハタと気づいたことがあります」と言うんですね。それは「自分は1つの音も出してない」ということだったそうです。それはベンジャミンさんの人生を180度転回する気付きだったそうですよ。じゃあ、指揮者である自分がしていることは何なのか? 自分の仕事は「人に自分の可能性を目覚めさせる事だ」ということです。
なんて素晴らしいのでしょう。
それじゃぁ、ベンジャミンさんにとって、「成功のあかし」とは何か?
それは、オーケストラの人の “眼が輝いている” ことだそうですね。シャイニング・アイ shining eyes.
私どもも、日々の仕事が、周りの人、特に弱い立場の人の眼が輝くような仕事をしてまいりたいですね。
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