現実を「共に見る」ことに対する人間の欲求がどれだけ根源的なものなのか、いくら強調してもしすぎではないと思います。エリクソンも臨床を通して、いやというほどそのことを思い知らされてきたことでしょう。そのことの一つの傍証を挙げるとすれば、良心と意識です。以前に記したことの繰り返しですが、初めての方もおられるかもしれません。良心と意識を示す、英語を含めたヨーロッパのさまざまな言葉(ギリシャ語を初め、そこから派生した、ラテン語、ドイツ語、フランス語、イタリア語、ロシア語、スペイン語…)の語源が「共に見る」、あるいは、「共に見て知る」なのです。
きょうは、は政治評論の話に戻って、「共に見る」を考えます。
私は、政治的舞台を離れて、私どもの生育歴上の初めへと横道に逸れる前に、度肝を抜くほどの一人のニュース解説者について申し上げて、私の序論の結論を述べましょう。故ウォルター・リップマンこそ、私が手にしたいと願っている主題を50年前に(そう、ほぼ)ハッキリ言葉にしてくれました。リップマンの古典的名著『世論』の中の、「外なる世界と私たちの頭の中のイメージ」と題する一章で、「いろいろな意見がどのように世論と呼ばれるものに結晶化し、どのように、国家の意志が、組織の意見が、社会の目的が、あるいは、読者のみなさんがそれをどう呼ぼうと構わないのですけれども、形成されるのか?」を説明しました。リップマンは、いまここで、私どもの関心をひきつけずにはおかいなやり方で、精神分析を厳しく批判しました。リップマンは「精神分析家はほぼいつでも、環境は曇りのない知性には認識できるし、少なくとも耐えられる、と決めつけている」と主張しました。
精神分析家は、環境と呼ばれる一つのXに適応することを調べますが、社会分析家は疑似環境と呼ばれるそのXを調べます。
これ以来、たくさんの記事や本が書かれてきましたし、その記事や本が注目してきたのは、政治的イメージの力と「心にできたひっかき傷」に関してであり、知覚と思い違いに加えて政治的雰囲気に関してでもあり、それから、政治と偽物の政治に関してでした。私の「心の歴史の」友人達が精神分析的洞察を発達させ、明確にしてきたのは、どんな想像力が「世論」というあいまいな現象を形成するのに役立つのか、ということであり、しかし、どのように政治の守備範囲が個人の生育歴上の最初と情緒的生活に及んでくるか、ということでもあります。あれだけ注目に値するのは、リップマンが50年も前にすでに(単純化の)問題についてハッキリ述べていたことです。
リップマンに託して、エリクソンは、「共に見る」という点で共通する世論形成と自己形成が、共通の罠、「単純化の問題」をはらんでいることを明らかにしてくれます。
きょうは、は政治評論の話に戻って、「共に見る」を考えます。
私は、政治的舞台を離れて、私どもの生育歴上の初めへと横道に逸れる前に、度肝を抜くほどの一人のニュース解説者について申し上げて、私の序論の結論を述べましょう。故ウォルター・リップマンこそ、私が手にしたいと願っている主題を50年前に(そう、ほぼ)ハッキリ言葉にしてくれました。リップマンの古典的名著『世論』の中の、「外なる世界と私たちの頭の中のイメージ」と題する一章で、「いろいろな意見がどのように世論と呼ばれるものに結晶化し、どのように、国家の意志が、組織の意見が、社会の目的が、あるいは、読者のみなさんがそれをどう呼ぼうと構わないのですけれども、形成されるのか?」を説明しました。リップマンは、いまここで、私どもの関心をひきつけずにはおかいなやり方で、精神分析を厳しく批判しました。リップマンは「精神分析家はほぼいつでも、環境は曇りのない知性には認識できるし、少なくとも耐えられる、と決めつけている」と主張しました。
精神分析家は、環境と呼ばれる一つのXに適応することを調べますが、社会分析家は疑似環境と呼ばれるそのXを調べます。
これ以来、たくさんの記事や本が書かれてきましたし、その記事や本が注目してきたのは、政治的イメージの力と「心にできたひっかき傷」に関してであり、知覚と思い違いに加えて政治的雰囲気に関してでもあり、それから、政治と偽物の政治に関してでした。私の「心の歴史の」友人達が精神分析的洞察を発達させ、明確にしてきたのは、どんな想像力が「世論」というあいまいな現象を形成するのに役立つのか、ということであり、しかし、どのように政治の守備範囲が個人の生育歴上の最初と情緒的生活に及んでくるか、ということでもあります。あれだけ注目に値するのは、リップマンが50年も前にすでに(単純化の)問題についてハッキリ述べていたことです。
リップマンに託して、エリクソンは、「共に見る」という点で共通する世論形成と自己形成が、共通の罠、「単純化の問題」をはらんでいることを明らかにしてくれます。
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