エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

民主主義の「基本の『き』」

2014-09-09 06:07:30 | エリクソンの発達臨床心理


見当識とは何か?

2013-09-09 04:10:13 | エリクソンの発達臨床心理

 自我の時空を司る見当識はとても大事なことが改めて分かりました。今日は、その見当識がどのようなものなのかを、エリクソンが詳しく教えてくれます。


  民主主義の基本の「き」はなんなのでしょうか? それは、民主主義制度ではもなければ、民主主義議会でもない。じゃぁ何なのでしょうか?

 日本の民主化にとって、キーパーソンの一人に、丸山眞男教授のお名前を挙げることに、異論をさしはさむ人は、少ないんじゃないでしょうか?

 丸山眞男教授が強調されているのは、「永久革命」としての民主主義。それは、終わりのない「民主化」の過程・プロセスです。では「民主化」のプロセスで何が大事か? ですよね。それは、どこまでも話し合いを大事にすること。しかし、話し合いは同調・コンフォームでは全くないので、「間違っていると思うことには、ハッキリNOということ」も含まれる。すなわち、お互いに批判しあう。そして、その批判に対して、お互いが謙虚に耳を傾け合う。この相互批判と相互傾聴が大事。

 話し合いと同程度に大事なのは、「少数意見の尊重」。しかし、日本のような集団に中に個人の組み込まれ度の高い社会では、多数派に同調することが、処世術としても、無意識裡の行動としても、大勢でしょう。すなわち、少数意見は、日本の社会では、極端に軽視、無視、抑圧されることが非常に多い。ですから、「少数意見の尊重」のためには、日々、丸山眞男教授が言う「他者感覚」を磨いていく必要があります。

 この「他者感覚」を磨くには、立場の弱い人や立場の弱い集団の声、「声なき声」に日々謙虚に耳を傾ける、ということが、また何よりも大事になるでしょう。

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