エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

不信と不安のスイッチ

2014-12-06 13:30:29 | エーリッヒ・フロムの真まこと(の行い)

 

 比較できない価値を忘れると、人間も心無い機械仕掛けのモノになる。その典型は、お役人です。

 p85の第2パラグラフ。

 

 

 

 

 

 結局フロイトが自分の考えに大きく影響を受けたのは、19世紀に広まっ物質主義です。すべての物質的現象の根っこには、物理的現象があると信じてんですね。ですから、人を大事にすることも、人を憎らしく感じることも、野心も妬みも、いろんな性的刺激のたくさんな結果だと、フロイトは説明したんですね。フロイトは、根源的な現実は、人間の実存全体にある、しかも、第1に、すべての人間にある人間らしい状況にあり、第2に、社会の特定の構造が決定された、実際の暮らしにある、ということを忘れてたんですね。 

 

 

 モノ中心に考えてると、実存が分からなくなっちゃう。ここらへんも、さすがフロム。的を射たご指摘です。

 実存も実際の暮らしも忘れちゃう。モノの力はバカにできません。モノには、人間もモノにする力があるからです。その時、人間がモノになるとき、人間であることを止めんですね。

 モノは機械仕掛け。スイッチが付いてます。そのモノになった人間にも、スイッチがあります。そのスイッチは不信と不安です。

 

 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 日本の公教育の病理 その6 ... | トップ | 最近の小学生はね、ハーロー... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿