比較できない価値を忘れると、人間も心無い機械仕掛けのモノになる。その典型は、お役人です。
p85の第2パラグラフ。
結局フロイトが自分の考えに大きく影響を受けたのは、19世紀に広まっ物質主義です。すべての物質的現象の根っこには、物理的現象があると信じてんですね。ですから、人を大事にすることも、人を憎らしく感じることも、野心も妬みも、いろんな性的刺激のたくさんな結果だと、フロイトは説明したんですね。フロイトは、根源的な現実は、人間の実存全体にある、しかも、第1に、すべての人間にある人間らしい状況にあり、第2に、社会の特定の構造が決定された、実際の暮らしにある、ということを忘れてたんですね。
モノ中心に考えてると、実存が分からなくなっちゃう。ここらへんも、さすがフロム。的を射たご指摘です。
実存も実際の暮らしも忘れちゃう。モノの力はバカにできません。モノには、人間もモノにする力があるからです。その時、人間がモノになるとき、人間であることを止めんですね。
モノは機械仕掛け。スイッチが付いてます。そのモノになった人間にも、スイッチがあります。そのスイッチは不信と不安です。
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