エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

今の日本の、お年寄りたちの顛末 4訂版

2015-01-05 15:00:29 | エリクソンの発達臨床心理

 

 

 今の日本の、お年寄りたち。お金持ちは、介護付き高齢者マンション、介護付有料老人ホームに入れます。これは公的な福祉施設ではありません。お金持ちたちが介護を買う施設。しかし、それができるのは、ごくごく一部。

 そんな人よりも、所得が低い大多数の人は、福祉施設に頼らざるを得ませんね。そこが危機的状況にあることは、以前から問題になっていました。今日、1.5, 2015の朝日新聞一面に「特養半数 職員定数割れ」と記事で、改めて、日本の高齢者福祉が危機的状況にあることが明確になりました。

 東京など大都市圏では、非常勤でも求人が増えてるらしい。特養など高齢者福祉の職員は、いわゆる3k。「きつい・きたない・きけん」「きつい」は低賃金で、経済的にキツイ、高齢者の移動介助などが肉体的にキツイ。「きたない」は、汚物処理などが汚いとされる場合が多い。「きけん」は、特養に入るような高齢者は、生命力が落ちた状態、ちょっとした不注意が死を招きかねない。その「きけん」を回避する責任が職員に課せられます。

 現代人は、フロムが言う通り、「カネ勘定」が基本形。低賃金で家族を養うこともままならない手取りでは、職員は他の職場に移りやすい。私も昔、高齢者福祉施設に関わったことがありますが、本当にかわいそうなほどの低賃金で、その給与表を見るのが、辛かったですね。「こんな低賃金で、介護をさせている日本の福祉制度は間違っている」と常々感じてました。

 日本のお年寄りたちは、それじゃぁなくても、福祉施設の利用がやりにくいのに、いま、ますます、その利用がやりにくくなってんですね。

 いま、介護施設職員の待遇改善が進まないのに、それを顧みることもしないで、やれ、戦争準備だ(日本はゴマカシの言葉が使われることが多いので、「戦争」のことは「集団的自衛権の行使」と呼ぶことが多い)、やれ、憲法のぶち壊しだ(日本はゴマカシの言葉が使われることが多いので、「憲法を打つ壊しにする」ことは「憲法改正」と呼ぶことが多い)、なんぞとは、言ってる場合じゃぁないんですね。

 

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