エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

#現世考: #日本の凋落 #ニッポン人の病気 #高い目的意識の喪失 #官僚的自動運転

2017-10-18 06:48:00 | 間奏曲

 

 

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発達トラウマ障害(DTD)の虐待やネグレクトの記憶は作られる
   自覚から生まれる、あの光  自分を確かにさせるのは、危機を乗り越えた時に初めてできることでしたね。「虎穴に入らずんば、虎子を得ず」。 Young ......
 

 東芝は,粉飾決算をしたのは,メイカーとしての命である,ものづくりの実力減退を隠すためだといわれます(http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/16/070600052/072000005/)。実際,東芝は,最後のものづくり部門ともいえるメモリー事業を売ってしまえば,メイカーとはもう言えない会社になってしまいます。それでも,東芝は倒産の危機から脱したとは言えません。

 日産が,新車の無資格検査を行っていたことも報じられています(上の写真)。新車の検査は,車の安全性を担保するに,製品の品質の最終確認のためのもので,それを資格のないものにやらせていたことは,安全性よりも利潤を求めた企業体質を如実に示すものでしょう。もちろん,ものづくりの実力の減退も示すことも明らかでしょう。

 神戸製鋼が,虎の子の鉄鋼さえも検査データを改ざんしていたことも,報じられています(上の写真)。この検査は,製品の品質の最終確認のためのもので,それを資格のある者自らが,改ざんしていたのは,安全性よりも利潤を求めた企業体質を如実に示すものでしょう。もちろん,ものづくりの実力の減退も示すことも明らかでしょう。

 

 なぜでしょう。モノづくりで日本をリードしてきた企業さえ,ものづくりの実力を減退させ,それをウソとゴマカシで隠そうとしてきたのは,なぜでしょうか?

 それについては,技術的な課題,世界的な競争の激化,中国の台頭など様々な要因が絡んでいるのでしょう。しかし,サイコセラピストとして感じるのは,企業体質,企業統治の課題です。

 本田宗一郎や松下幸之助のような,ものづくりの大家であり,メイカーの創業者には,ものを作って,人々,特に貧しい人の生活を豊かにしたい,という高い目的意識がはっきりありますでしょう。その目的意識には,強いパッションがありました

 最初にあった,パッションのある高い目的意識を失っても,大きな組織になった会社は,組織の自動運転によって,動きます。しかし,ものづくりは,失敗の繰り返しの中から新しいものを創造する,苦行にも似た働きが必要ですし,それは,高い目的意識があるから苦行も厭わないのです。ところが,組織が官僚的な自動運転になると,その苦行は避けるようになりますでしょ。苦行よりも,楽に金儲け,ということになりやすい。

 ニッポン人の目的意識の欠如こそが,ものづくり大国であった(もはや,過去形)日本の凋落を物語っているのです。


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