エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

神様の発達段階

2014-08-07 10:46:35 | エーリッヒ・フロムの真まこと(の行い)

 

 アニミズムだと原始人と馬鹿にする向きもあるかも。しかし、アニミズムにだって、ヴィジョンや社会秩序もしっかりあります。それに比べたら、日本住む現代人は、ヴィジョンは無くしていますし、社会秩序を支える制度も今や滅茶苦茶です。どっちが原始人か分かりませんね。 

 p59下から2行目途中から。

 

 

 

 

 

発達の後半の舞台では、人間的な技術が、芸術職人とか芸術家とかの段階まで来る時、つまり、自然の恵み、たとえば、人が見つけた果実とか、人が殺した動物だとか、に排他的にはもう頼らない時、人は、自分の手になる製品を1人の神に変えますね。これは、土くれや銀や金からできた偶像を拝む偶像崇拝の舞台です。人は自分が作ったものに自分自身の力や技術を表現します。このようにして、混乱した形で自分の勇気と持ち物を拝みます。さらに後半の舞台では、人は神に人間の形を与えます。このようなことが起こるのは、人が自分自身にさらに気づく時だけでしょう。その時には、人は自分がこの世で最も高貴で最も深い尊厳がある存在だと気付きます。人間の形をした神を拝む神礼拝の舞台では、2つの次元の発達があることに気付きます。1つ次元では、その神々の女性性、あるいは、男性性に触れます。もう1つ次元では、人間が成熟した範囲に触れるか、その人の神の性質とその人が大事に思う神々の性質を決定する成熟の範囲に触れます。

 

 

 

 神様にも、人間同様に、発達段階があるんですね。フロムはこの後、どんな展開をしてくれるのか、楽しみですね。

 

 

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