エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

依存症大国ニッポン

2015-10-31 03:14:51 | ヴァン・デ・コーク教授の「トラウマからの

 

 

 
支配と服従が横行する国
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 依存症大国ニッポンの今晩です。

 依存症と一口に言っても、いろいろあります。

 アルコール依存症、薬物依存症、ネット依存に買い物依存…。今年2月にやった「ハートネットTV」によれば、薬物系の「アルコール・覚せい剤・危険ドラッグ・処方薬・ニコチン」の他にも、行動系の「ギャンブル・過食・買い物・ネット・事情行為・性・放火や窃盗」といった依存症があり、行動系の依存症が一層増加傾向にあると言ってしまたよね。

 しかし、共通するのは、「辛い気持ちが、依存の薬物や行動をしている時(アルコールを飲んでいる時、薬物をやっている時、ネットをしている時、買い物をしている時、…)だけ、ほんの束の間、スキッとする」ということです。束の間でも「スキッ」とするのが、ご褒美になって、それが辞められなくなっちゃう…。

 日本には、少なく見積もっても、アルコール依存症は109万人、ギャンブル依存症は536万人、ネット依存症が421万人、これだけでも、合計1,066万人、日本人の10人に1人は依存症です。しかし、実際は、アルコール依存症240万~300万、薬物依存症は、シッカリした統計がありません。脱法ハーブが拡散している時代には、500万くらいいてもおかしくないでしよう。ギャンブル依存症が550万、スマホの普及で、駅でも、道でも、前も見ないで歩いている人が日本の何処に行っても見かけますでしょ、ネット依存症は、1,000万を超えるかもしれません。タバコの依存もあるのですから…。ある精神科医は、依存症は3,000万を超えるという人もいるほどです(http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20130821/362040/?ST=p_bizboard)。実に日本人の4人に1人は依存症という訳ですね。

 何故、依存症大国ニッポンなんでしょうか?

 いろんな背景、いろんな議論があるのでしょう。しかし、私の考えを述べたいと思います。

 依存症患者の心理にヒントが隠れていると私は考えます。さきほど、たとえばアルコールをやると、束の間「スキッ」とする、と言いましたでしょ。気持ちがよくなるんですね、ほんの一瞬だけ。すると、それがご褒美になって、辛い思いをしたとき、怖い思いをしたとき、悲しい思いをした時に、その気持ちそのものに向き合わないで、その「スキッ」とさせてくれるもの、アルコールなどに頼るようになっちゃう。自分の気持ちから逃げちゃうわけですね。しかも、それが心の生活習慣病になる訳です。つまり、自分の心にウソとゴマカシをやることが、心の生活習慣病になっちゃいます。あらゆる依存症が、自分にウソとゴマカシをやる「否認の病」って言いますでしょ。自分の心に向き合わないで、ウソとゴマカシをやるのが常習になってる。

 でもよく考えたら、こういう行動バターンの人って、依存症に限りませんでしょ。日本人はおしなべて、コンフォーニズム、集団同調主義、「赤信号、みんなで渡れば怖くない」「みなさん御一緒に」ですよね。食品偽装の時も、マンション偽装の今も、ユーザーのお客様や、自分の(良)心に向き合うよりも、会社の利益・自分の利益を優先してますでしょ。そこにウソとゴマカシがあります。まだ「依存症」を発症していない多くの会社員、公務員も、その心の在り方は、すでに「依存症」と言う場合が、多いのじゃぁないかしらね。自分の(良)心よりも、会社の利益・自分んの利益を優先する生き方です。その生き方が多いでしょ。

 

 自分の(良)心よりも、会社の利益・自分の利益を優先する生き方そのものが、依存症なんですね。

 ですから、依存症大国ニッポンなんですよね。

 そこで私は、福沢諭吉に倣いまして、次のように申し上げたいと思います。

 独立の気力なき者は、依存症になりて悪事(食品偽装〔食の人権侵害〕・マンション偽装[住の人権侵害]・偽装政治[労働権・平和的生存権・知る権利などの人権侵害])をなすことあり(『学問のすすめ』から)。

 

 

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