御存知のことと思いますがW124の電動補助ファンのON-OFFは電動ファンリレーにて行っていますね。
低速の時はバッテリー+12Vの端子から来ている30番の常時供給電源をクライメートコントロールの信号でリレーをONにして87番から出力して一旦ファンレジスタにプラス極電流を入れて電動補助ファンのプラス側に入力します。
高速の時はバッテリー+12Vの端子から来ている30番の常時供給電源をクライメートコントロールの信号でリレーをONにして87番から出力して直に電動補助ファンのプラス側に入力します。
要するに、どちらの回路も古式ゆかしいプラス側にリレーというスイッチを設けてON-OFFしているシステムなのです。
プラススイッチング方式というシステムは現代ではあまり採用されず、、、どちらかと言うと最近はマイナススイッチング方式が多く採用されています。
特に誘導負荷と言われる・・・自動車の場合ですと回転機・・・つまりモーターのON-OFFにはマイナス側でコントロールする方式が主流となって来ております。
回路上は安全確保の為にイグニッションと連動してプラス側をON-OFFし、水温等の条件によってマイナスアース側に設けたコントロールリレーをON-OFFするという設計になります。
何故、W124世代のプラス側を単一スイッチでコントロールする方式が現在では採用されないのかと言いますと・・・。
補助電動ファンは回路上ではマイナス側は常にアースに落ちています。
つまり・・・当たり前ですが、プラス側の電流さえ与えれば電動補助ファンはドカンと回ります。
起動時のバッテリー+12V端子~補助ファンモーターの+端子間には大きな起動電流や過大なキックバック電流が流入します。
リレーがON→即座にモーターがONになった際のリレーを通過するエネルギーが大きい為にリレーは若干の電力ロスによる熱を発生します。
今度はリレーがOFF→モーターがOFFというシーンではリレーの接点が離れる際に結構な火花が飛びます。
謂わば流の早い急流の川をせき止めたり、放流したりというお話になります。
この過酷な条件下でプラス側のスイッチングを行うことは回路のプラス側に大きな負担を強いることになります。
そこで・・・。
イグニッションのON-OFFで+12Vを補助ファンモーターに送り込むのみにして、マイナス側に制御用のコントロールリレーを設けるという方法をウチでは提案しています。
そうすることで急流の流れは一旦、負荷(ファンモーター)に入り突発的電流は誘導負荷で緩衝されます。
緩衝された電流は負荷を抜けてマイナス側に出て参ります。
急流から緩流になった電流をON-OFFする方がコントロールリレーにも優しいですし、電動補助ファンの劣化でリレーが溶解する様な事態も避けられる様になります。
ヒューズ付の純正ファンリレーで改造が行えますのと日本製の車載用電線を使用することで電線径も細くすることが可能な上に耐久性も増すというメリットがあります。
このマイナススイッチング方式にすることでファンレジスタも低速側回路のボディアース手前に入る様になりますのでファンレジスタへの負担も下げることが可能となります。
更に、このマイナススイッチングシステムにしてしまえば新たに中速コントロール回路を追加して中速は弊社のFMCSによるPWM制御で回転数をコントロールすることが容易になります。
PWM制御とは、回路のON-OFFスイッチングを高速で繰り返すことによって負荷(ファンモーター)に供給するエネルギーを抑制してファンモーターの回転数を制御するというシステムです。
DC(直流)モーターは磁力の反発と吸引を繰り返しながら回転してますが・・・。
回転機(モーター)は一旦回りだせば当然慣性が発生します。
ON-OFFを高速で繰り返しても「瞬間OFF」時にモーターは即時停止しませんので回り続けますが、「瞬間OFF」時に磁力が一瞬抜けますので回転力は電気的には発生しません。
そこにまた「瞬間ON」となり、電気的な回転力が加わりモーターは勢いをつけます。
このON-OFFの繰り返しのインターバルを変更してやることでモーターの回転数を抑制制御出来るという訳です。
PWM制御はLEDの照度制御にも盛んに用いられており、直流回路での負荷のコントロールでは一般的な制御方法になっております。
但し、自動車ではオルタネータの回転数の上下やバッテリーの状態によって電圧変動が割に大きいのでPWM制御用の電源としてはそのまま使用出来ません。
よって、設計回路に一定した制御電圧を供給出来る安定化電源が必要となりますのでコストも嵩み、車載用としてはハードルが結構高いものでした。
又、プラス側電源をPWM制御するには数々の対策を講じる必要があり、電子部品の価格上昇も手伝い更なるコスト上昇が見込まれることとなりました。
そういった数々の問題に対峙した結果、弊社ではW124世代メルセデスに合致出来るPWM制御の方式を試行錯誤し制御幅のノウハウを多く蓄積するに至りました。
電動補助ファンには弊社も相当悩まされ苦しんで参りましたが、数々の実験の結果で安全性を確保し機器への負担を軽減する方式としてマイナススイッチング方式をW124世代のオーナーさん達に御提案することと致しました。
先日、すずたか氏の最高速号にも弊社の提案するシステムを搭載し電動補助ファンのトラブルという部分での不安を払拭する内容での施工を行わせて戴きました。
今後、弊社のFMCSシステムにつきましても電動補助ファンスイッチングシステムのマイナススイッチング方式への置換を条件に御提案を差し上げる所存であります。
本日は電動補助ファンコントロールについての弊社の考え方と今後の御提案につきまして紹介させて戴きました。
本ブログがW124世代のオーナー様の御参考になれば幸いと考えあえて御説明させて戴きました。
御精読賜りまして誠に有難う御座居ました。m(_ _)m
低速の時はバッテリー+12Vの端子から来ている30番の常時供給電源をクライメートコントロールの信号でリレーをONにして87番から出力して一旦ファンレジスタにプラス極電流を入れて電動補助ファンのプラス側に入力します。
高速の時はバッテリー+12Vの端子から来ている30番の常時供給電源をクライメートコントロールの信号でリレーをONにして87番から出力して直に電動補助ファンのプラス側に入力します。
要するに、どちらの回路も古式ゆかしいプラス側にリレーというスイッチを設けてON-OFFしているシステムなのです。
プラススイッチング方式というシステムは現代ではあまり採用されず、、、どちらかと言うと最近はマイナススイッチング方式が多く採用されています。
特に誘導負荷と言われる・・・自動車の場合ですと回転機・・・つまりモーターのON-OFFにはマイナス側でコントロールする方式が主流となって来ております。
回路上は安全確保の為にイグニッションと連動してプラス側をON-OFFし、水温等の条件によってマイナスアース側に設けたコントロールリレーをON-OFFするという設計になります。
何故、W124世代のプラス側を単一スイッチでコントロールする方式が現在では採用されないのかと言いますと・・・。
補助電動ファンは回路上ではマイナス側は常にアースに落ちています。
つまり・・・当たり前ですが、プラス側の電流さえ与えれば電動補助ファンはドカンと回ります。
起動時のバッテリー+12V端子~補助ファンモーターの+端子間には大きな起動電流や過大なキックバック電流が流入します。
リレーがON→即座にモーターがONになった際のリレーを通過するエネルギーが大きい為にリレーは若干の電力ロスによる熱を発生します。
今度はリレーがOFF→モーターがOFFというシーンではリレーの接点が離れる際に結構な火花が飛びます。
謂わば流の早い急流の川をせき止めたり、放流したりというお話になります。
この過酷な条件下でプラス側のスイッチングを行うことは回路のプラス側に大きな負担を強いることになります。
そこで・・・。
イグニッションのON-OFFで+12Vを補助ファンモーターに送り込むのみにして、マイナス側に制御用のコントロールリレーを設けるという方法をウチでは提案しています。
そうすることで急流の流れは一旦、負荷(ファンモーター)に入り突発的電流は誘導負荷で緩衝されます。
緩衝された電流は負荷を抜けてマイナス側に出て参ります。
急流から緩流になった電流をON-OFFする方がコントロールリレーにも優しいですし、電動補助ファンの劣化でリレーが溶解する様な事態も避けられる様になります。
ヒューズ付の純正ファンリレーで改造が行えますのと日本製の車載用電線を使用することで電線径も細くすることが可能な上に耐久性も増すというメリットがあります。
このマイナススイッチング方式にすることでファンレジスタも低速側回路のボディアース手前に入る様になりますのでファンレジスタへの負担も下げることが可能となります。
更に、このマイナススイッチングシステムにしてしまえば新たに中速コントロール回路を追加して中速は弊社のFMCSによるPWM制御で回転数をコントロールすることが容易になります。
PWM制御とは、回路のON-OFFスイッチングを高速で繰り返すことによって負荷(ファンモーター)に供給するエネルギーを抑制してファンモーターの回転数を制御するというシステムです。
DC(直流)モーターは磁力の反発と吸引を繰り返しながら回転してますが・・・。
回転機(モーター)は一旦回りだせば当然慣性が発生します。
ON-OFFを高速で繰り返しても「瞬間OFF」時にモーターは即時停止しませんので回り続けますが、「瞬間OFF」時に磁力が一瞬抜けますので回転力は電気的には発生しません。
そこにまた「瞬間ON」となり、電気的な回転力が加わりモーターは勢いをつけます。
このON-OFFの繰り返しのインターバルを変更してやることでモーターの回転数を抑制制御出来るという訳です。
PWM制御はLEDの照度制御にも盛んに用いられており、直流回路での負荷のコントロールでは一般的な制御方法になっております。
但し、自動車ではオルタネータの回転数の上下やバッテリーの状態によって電圧変動が割に大きいのでPWM制御用の電源としてはそのまま使用出来ません。
よって、設計回路に一定した制御電圧を供給出来る安定化電源が必要となりますのでコストも嵩み、車載用としてはハードルが結構高いものでした。
又、プラス側電源をPWM制御するには数々の対策を講じる必要があり、電子部品の価格上昇も手伝い更なるコスト上昇が見込まれることとなりました。
そういった数々の問題に対峙した結果、弊社ではW124世代メルセデスに合致出来るPWM制御の方式を試行錯誤し制御幅のノウハウを多く蓄積するに至りました。
電動補助ファンには弊社も相当悩まされ苦しんで参りましたが、数々の実験の結果で安全性を確保し機器への負担を軽減する方式としてマイナススイッチング方式をW124世代のオーナーさん達に御提案することと致しました。
先日、すずたか氏の最高速号にも弊社の提案するシステムを搭載し電動補助ファンのトラブルという部分での不安を払拭する内容での施工を行わせて戴きました。
今後、弊社のFMCSシステムにつきましても電動補助ファンスイッチングシステムのマイナススイッチング方式への置換を条件に御提案を差し上げる所存であります。
本日は電動補助ファンコントロールについての弊社の考え方と今後の御提案につきまして紹介させて戴きました。
本ブログがW124世代のオーナー様の御参考になれば幸いと考えあえて御説明させて戴きました。
御精読賜りまして誠に有難う御座居ました。m(_ _)m