以前は「旧いメルセデスの電機屋」。。。現在は、、、「隙間風産業の超零細企業」の業務日報。。。

旧いメルセデスの電機屋のニッチな仕事のお話。。。http://jun3104.shop19.makeshop.jp/

無接点OVPリレーに新機能。。。

2017-06-23 20:00:56 | 日記
って、、、そんな大袈裟なモンじゃないですけど今迄の事例から起きた問題の解消を狙ってみました。

過去、OVPリレーっちゅうモノはオルタネータのレギュレータ故障によって過電圧が発生した時点でインジェクションモジュールの保護の為に即時通電ストップを行う目的で装着されているにも拘らず、OVP内部のリレー不良で通電ストップになり、エンストする事例が増加していました。。。

そんな故障になれば当然OVPリレー交換なのですが、本当にOVPリレーが不良なのかと言う核心的判断を攻めるとOVPリレーが故障原因ではなく、OVPリレーの本来の仕事であるオルタネータの過電圧を実際に検出していたと言う事例が幾つもあったので判断が難しいところがありました。

又、乗用車のバッテリーは12Vが基本であり、オルタネータで充電されていてもアイドリング中のバッテリー端子間電圧はDC13.8V〜14.2Vが妥当である。。。

この充電状態はオシロスコープ等で充電波形を表示させれば大方判断がつきますが、レギュレータに不良を抱えている充電状態の波形では不安定な落ち着かない充電電圧を表示し、時折コンマ何秒のスパンで20V以上の過電圧を出力している事もある。。。

過電圧が常に出力されている訳では無いが14.2Vを超す電圧が充電電圧であって、時に20Vを超す電圧が出力されている時点で負荷コンピュータ類を壊す可能性のある危険があると言う事である。

しかし、この20V以上の結構な過電圧が発生している証拠を押さえる事は過電圧検出でエンストしたという証拠をモニターするしかない。。。

で、、、やってみました。。。

ウチのベストセラー製品、、、無接点OVPリレーに機能を追加してみました。

過電圧を検出するとLEDが点灯してモニターする機能をOVPリレーに持たせてみました。



見た感じは単なるOVPリレー。。。



外観上の違いはLEDが追加されているだけ。。。

で、、、試験。。。

まずは、12V車の適正電圧。。。





特に何の変化も見られませんですね。。。

では、、、過電圧を入力!電源装置では22.8Vを入力。。。



OVPリレーに装備されたブルーのLEDが点灯してますね。。。

で、、、電源装置の入力電圧を適正範囲内の電圧に戻しますと、、、



電源装置の入力電圧が13.9VになってもLEDは消灯していません。

つまり、「過電圧を検出したぞ!」とOVPリレーが記憶して保持している訳です。

エンストした時点でイグニッションキーを切らずにOVPリレーを確認すればLEDの点灯の有無で過電圧が原因のエンストなのか否かが判断つくという訳です。

因みにウチのOVPリレーは無接点化の時点で20V前後の電圧を検出した時点で緊急停止を行う仕様になっております。
この仕様のお陰で某有名な社外オルタネータを装着したW124で頻繁にエンストするとクレームを頂戴した事がありましたが、それは明らかに社外オルタネータから過電圧が発生していると言う回答を差し上げたところ、ユーザーさんは「オルタネータは有名メーカーの国産品です。御社のOVPリレーが不良に決まってます。」などと宣われましたのでその根拠を証明してからクレームを申し立てて戴ける様に回答したところ以降、ナシノツブテ。。。(笑)

想像するに多分、その有名メーカー製オルタネータで大きなトラブルに見舞われたと思いますね。。。

純正のOVPリレーは30V超えにならないと緊急停止がかからないので出力電圧不正の社外オルタネータの過電圧を捕らえられない場合が多く、周辺機器の破損に見舞われる場合があります。

まあ、そんなパターンに陥ったでしょうね。。。(笑)

大体、12V車で15V以上の充電電圧何て有り得ない。。。

国産品を謳っていても、構成部品は大陸製の粗悪品。。。

ICレギュレータも粗悪大陸製。マトモな電圧制御が出来る訳が無い。

DENSOの特許を侵害しかねないコピー品。。。

このメーカーのオルタネータが装着されている個体に好調な車など見た事が無い。

一時は有名ドコロのショップや工場がばら撒いたみたいだけど絶不調品ばかり遭遇しましたね。。。(笑)

先日もそんな話の個体に遭遇しました。。。

と、言う訳でこの過電圧検出機能付無接点OVPリレーで白黒ハッキリつけちゃいましょうって訳です。

オルタネータの過電圧はアイドリング時に限らず、走行中に発生する事も多いので工場さんでも判断がつきにくい場合が多いです。

よって、診断用のツールとしても使える様に過電圧検出機能付OVPリレーを供給しようかと検討中です。。。





そりゃ無理無理。。。

2017-06-23 09:07:32 | 日記
6月も既に月末モードに入って業務のやりくりにバタバタしている寅です。。。(笑)

さてさて、最近中古車の毒車を購入したはヨイが社外の立派なセキュリティが装着されていて、、、

そのセキュリティが壊れた。暴走した。送信機の電池が切れて交換したが復帰させる方法が不明。

などなど、、、そんな相談をして来るユーザーが居ますがウチはセキュリティ屋さんじゃナイので分かりません。。。

そのセキュリティメーカーを取り扱っている業者さんにお問合せ下さいませ。

元来、セキュリティ装置ってのは簡単に見破られちゃ困るのだからメチャ難しい装着がされているのが常であり、、、取り外しにも結構な時間と労力を要す場合が多いのです。。。

ハッキリ言って一番敬遠したい仕事である。。。

修理入庫車でも時折難しいセキュリティが装着されている個体に遭遇する。。。

中には下手すりゃバッテリー端子も外せない仕様になっちゃってたりする場合もある。

ソレじゃ電装系の点検修理も手出し出来ない場合があるのと点検修理中にセキュリティの警告音がけたたましく鳴り響かれたのでは煩くて集中出来ないし、近所迷惑にもなる。。。

入庫時にオーナー自身でセキュリティを全て解除して貰い、バッテリー端子を外せる状態にして貰う他に手立ては無い。。。

そんな面倒臭いシステムが中古車購入時から装着されていて、尚且つその後付システムの説明書も無いと言うパターンが実に多い。
馬鹿な中古車転がし商売の輩が走行距離を誤魔化す為に点検記録簿と共に廃棄しているケースが多い。
ヤフオク等の個人間売買取引にはブローカーも多いので登録書類以外の記録簿や説明書は始末されている場合が多い。

独車に関しては残存する個体も少ない上にオーナーが複数回変わっている個体が多い故に記録簿や説明書の類は期待出来ないモノが多いが、過去のメンテの判断もつかない個体を気に入って購入することは以降のメンテナンスコストは同じ車の新車価格に手が届く位のモノだと認識するべきである。

特に社外の改造部品が彼方此方に装着されていて、購入後にそういった仕様にしたい人からしたら見た目にお買い得な様な気がして手を出すユーザーも少なくないが、その後のトラブル修理やメンテナンスには大きなリスクになるコトを考えているユーザーは残念ながら僅少であったりする。。。

エンジン周りを例にとれば仮に吸気系統に社外汎用チューニングパーツを使用して弄ってあったとしよう。
吸気抵抗を低減する為に汎用の毒キノコに改造してあった場合はノーマルのエアクリーナーに比べてフィルターのメンテナンスサイクルは短期間になり、フィルターは交換が必須となる。
更に、自動車メーカーがノーマルのエアクリーナーが装着されているコトを条件にエアの吸入量や吸入圧を緻密に計算した上でエンジンコントロールの設計を行なっているのだから毒キノコの装着状態でのエンジンコントロールプログラムは考慮されていないと考えるべきである。

況してや電子化されたスロットルコントロールのプログラムには純正部品での規定値が設定されており、社外部品に対応した規定値などプログラミングされている訳がナイ。。。

よって、多くはバランスを崩して不調になっているケースとなる。。。

又はその汎用チューニングパーツが老朽化して引き起こされたトラブルが他の部分にまで波及し、大騒ぎの修理に発展した事例もある。。。

車趣味として弄り倒すのも趣味のウチだが、、、各機構部への影響を全く考慮していない社外部品も多いので注意が必要である。
中には、弄り倒した挙句に不調を抱え、修理予算が捻出出来ない為に車を処分したという個体も中古車で流通しているので社外の部品が全てメリットだと考える事は危険この上無い話になる。

話を戻すと、社外の立派なセキュリティでさえもメンテナンスにリスクを及ぼしたり、車台側に何かの悪影響を与えていてトラブルを抱えているコトもある。。。

セキュリティに関してウチであった実例は、W124でセキュリティ以外の装備品は普通のカーナビのみで他はノーマルにも拘らず、夜間ヘッドライトを点灯している際にいきなり室内のイルミが消えて真っ暗になるといった話が一番デカかったかな。。。

イルミが消える原因はメーターのサーキットヒューズの断線だが、サーキットヒューズより先の負荷にショートする様な箇所は見られなかった。。。

散々嵌った挙句に室内のイルミネーション回路のサーキットライン上に社外セキュリティのセンサーラインが接続されているコトが判明。
このセンサーラインがどんな信号を発しているのかは説明書さえも無い事から全く理解不能。
せめて信号の種類だけでも解れば対策の方法はあったかも知れないが、何も資料が無いのがセキュリティ装置では多い話。。。

だからオーナーさんと御相談の上で社外セキュリティ自体を取り外す事となった。。。

が、、、一筋縄ではいかない。。。

ダッシュボード裏や床下、天井裏に這っている配線やセンサーを撤去しなければならない。

終いにはダッシュボード下ろしのシート前後取っ払いの天井剥がしで対処するしか方策は無く、完全撤去に丸5日の時間を要した。。。

社外セキュリティ撤去にここまでコストを掛けるのは如何なものかと思われる人も多いであろう。

しかし、車台の何処に何がしてあるかサッパリ不明な個体では一部電源を切断した位ではセキュリティ装置自体が死なない様な施工がしてあるケースが多い。
変なコトをすればホーンが鳴りっぱなしになってドアロックが掛かり解除も効かずエンジンも掛からなくなる何てコトもある。
それをまさか想像や勘で配線をブチブチ切断する訳にもいかず、、、結局は社外セキュリティの配線一本一本の行き先を追って行った先に何があるのかを確認しながらの撤去作業となる。
車台側のエンジンコントロールラインにセキュリティ装置のラインが潜り込ませてある様な場合やキーシリンダーの手が入らない様な箇所の配線にセキュリティラインが潜り込ませてある様な場合も多々あるが、その改造部分の復帰にも大汗な作業となる。

こんな大作業になる何てウチでも正直やられた感が大きかった事例であるが、一番はベンツに限らず中古車を購入する際に社外のセキュリティの有無を確認し、立派なモノであればあるほど説明書やセキュリティカードや暗証番号等の情報がキチンと添付されているのかを確認するべきである。

社外セキュリティの送信機の電池切れで電池交換後はシステムがセキュリティパスを要求して来るコトが多いがセキュリティパスが不明ならば永遠にセキュリティは復活稼働しないだけである。
「じゃあ放置!」と無視していたら今度は車側がある日突然変な動作、、、不可思議な現象、、、世にも奇妙な現象に辟易とするコトになった事例もある。。。

現象の事例は、、、恐ろしくて言えない。。。



セキュリティメーカーの代理店に相談してもセキュリティパスは新規発行で特定のパス変更手続が必要であったりして金銭的リスクも高い様である。。。

社外セキュリティ一式を取り外すにも前述の様に一筋縄ではいかない事が多いので相応の高コストは覚悟すべきである。

中古車購入時に装着されていた社外装備品はメリットばかりじゃナイって話でした。。。