以前は「旧いメルセデスの電機屋」。。。現在は、、、「隙間風産業の超零細企業」の業務日報。。。

旧いメルセデスの電機屋のニッチな仕事のお話。。。http://jun3104.shop19.makeshop.jp/

今日の実験。。。

2019-01-08 16:42:07 | 日記
オイラのW126 500SEL。。。

燃料ポンプリレーとOVPリレーはウチのお家芸の無接点化済み。

エンジンが動くのに電気を必要としているトコで特に改善措置を入れていない部分は点火系統。。。

昨日のブログの点火系統の電圧検査作業。。。

先ずはイグニッションONでイグニッションコイルに来ている電源電圧測定。。。



で、、、オイラがこの度考案したイグニッションコイル電源無接点モジュールから供給されるイグニッションコイル一次側+電圧は、、、



ノーマルの劣化したイグニッション電源と130mv程度の差が出ていますがコレがどんな結果になるのか実際に試してみたところ、、、

この車、最近燃料系統に幾ら手を入れてもマフラーから水が出なくなっていた。。。

つまり、理論空燃比での完全燃焼をしていないってコトになる。。。

イグニッションコイルやデスビキャップ&ローター、プラグコードを交換しても大きな改善は見られず、、、とうとうEZL(イグナイター)かとも考えたが、「待てよ。点火系統の電源は?」と、一考の余地を感じてイグニッション電源を無接点モジュールでコントロールする回路を考案し、この度実車試験を行なってみたと言う訳でやんす。

で、、、結果は。。。



アクセルレスポンスも軽くなり、画像の様にマフラーから水が出て完全燃焼に改善されたという結果になりました。。。

考えてみれば入力の130mvの差の電圧も点火コイルの昇圧では規定数の倍数値の比率で昇圧される訳ですから結構大きな差になり、点火プラグの点火の勢いにも大きく影響するってコトですな。。。

このシステム、、、市販化に向けて煮詰めた上でユーザーさんにお奨めしようかな。。。(笑)

無接点燃料ポンプリレーと無接点OVPリレーの次に併せてどうぞ。。。ってね。💖🤗

調子の良いエンジンに必要な改良。。。

2019-01-08 00:13:47 | 日記
昨年から毒車の経年劣化による性能ダウンについて考察している寅です。。。

KEジェトロ、モトロニック、LHコントロール、、、エンジン制御の配線図と睨めっこして改善の余地がありそうな箇所をピックアップして思案にくれる日々であります。。。

4サイクルエンジンの基本、、、吸入→圧縮→爆発→排気の四行程から考察すると、、、

エンジン本体、ヘッド等には問題を抱えてないものとすると、、、

① 吸入行程 → 混合気の吸入。混合気は燃料と空気の比率が理論空燃比であればベスト。

よって、設計値により近い空燃比にする為に燃料の供給を設計値である圧力と供給量にする。

燃料タンクから落下して来た燃料を圧送する為の燃料ポンプを最大効率で回してやる。その為に燃料ポンプにはバッテリー電圧からロスの少ない電力を供給してやる。
更に、燃料フィルターの吐出量を最大限保つ為に燃料フィルターを詰まりの無い状態で保つ事。

エンジンルームに運ばれた燃料の圧力を調整するプレッシャーレギュレータも新しいものであればダイアフラムの動きも適正値に近くなる。

この後はKE,モトロニック,LHで異なるが燃料噴射装置の適正動作が必須となる。

KEならばEHAやらフューエルデスビ、エアフロユニット、圧力式インジェクター、アイドルエアバルブ、O2センサー等の適正動作が条件になりますし、モトロニックやLHであればスロットルアクチュエータ、電気式インジェクター、エアマスセンサー等の適正動作が条件となります。

この適正動作には各ユニットや部品に不良が無い事を前提条件に電気によってコントロールされているアクチュエータ類、センサー類にはロスの少ない電力供給がマストになります。

弊社ではこの部分の電気で動作している燃料ポンプリレーの無接点化によって燃料ポンプへの供給電力のロスを低減させると共に燃料ポンプリレーのトラブル発生のリスクを大幅に低減致しました。

又、KE、モトロニックの燃料噴射システムに係る電気的アクチュエータ類、センサー類の電力供給元である過電圧保護リレー(OVPリレー)の無接点化により燃料噴射システムへの電力供給ロスを大幅に低減しリレートラブル発生のリスクも大幅に低減致しました。
更にLHにあってはGMモジュールがインジェクションへの電力供給を行っているが故にGMモジュールの無接点化を行い故障回避、インジェクション電源供給の効率化&安定化を実現致しました。

② 圧縮行程 → コレはヘッドガスケットやシリンダー、ピストンリングがしっかりしていれば問題が無い筈で電気的なお話では御座居ません。。。

③ 点火行程 → 点火プラグの点火ですね。割にココの部分が放置され易いトコでエンジン不調の原因でも割に多い部分です。。。

イグナイター、点火コイル、センターコード、デスビキャップ&ローター、プラグコード、点火プラグって部分で絶縁破壊によるリークが発生して点火不良を引き起こしている個体も多いですな。。。

KE,LHコントロールではデスビキャップ&ローターの不良も結構ありますが点火コイルのリークも結構多いですね。

モトロニックではダイレクトイグニッションコイルであるが故にHFM内蔵のイグナイター基盤から来ているイグニッションコイルへの一次入力に入るメインハーネスの劣化に起因する地絡事故が多く、この場合はメインハーネスだけでなくダイレクトイグニッションコイルやHFM自体を破損させる事も多いですね。
この問題は新品から時間の経っていないメインハーネスの場合であればダイレクトイグニッションコイルへの一時側入力ラインのリード線を耐熱性の高い部材に引替える対策方法もあります。

この点火系統にも勿論、12V電源が入力されておりますが割にこの電源については無視されている事が多いんですよね。。。
この点火系統の電源はプラス側入力でON-OFFされOVPリレーの系統とは異なるイグニッションキースイッチにてスイッチングされている回路な故、電力ロスも結構なものであります。
この部分に係る電線も経年劣化が激しく結構な抵抗値を持っています。

④ 排気行程 → ココもエンジンヘッドが正常なタイミングでカムシャフトを回し、排気バルブが正常なタイミングで開いてシリンダー内から燃焼ガスを排気してくれればOK。圧縮行程同様、毒車の電気的な考察には関係しません。

以上の事からオイラの専門分野「電気」で更に改善の余地を消去法で探って行きますと①の項目は弊社の技術によってほぼ確立化された項目ですので③の項目に着目した効率化を行う実験、試作を昨年秋から行い次期製品に繋げる方向で進んでおります。。。

毒車の様な旧車の場合、単なる部品交換で走る事は出来てもその部品交換で新車の様な性能に復帰する事は稀で、コトに電気の部分は30年前の技術であり劣化している事を前提に現代の技術に置き換えて改善を図れる部分については改良を行い、ハーネス類の部材変更やスイッチング方式やその配線方式の変更によって効率化や耐久性の向上に繋げる技術が必須ですね。

旧くなればなる程、更なる改善の余地が生まれて来る毒車にハマって早27年。。。
今年も色々と研究題材が多くて楽しい一年になりそうですわ。。。(笑)