2013/7/18
ミカン畑に仕事に行くと、イノシシが来て土をほじくり返してミミズなどをあさっています。
周りに仕掛けてあるワナを見回りました。周辺の山の中も、落ち葉をかき分けて餌を探し回った痕がありました。
ここしばらくはイノシシが悪さをしに来ていませんでしたので、罠に掛かっているかもしれないと想像しながら見回りました。
痕跡を残した山からミカン畑を挟んで反対側のワナにかかっていました。
先ず括った足とワイヤーを確認します。足は大丈夫そうですが、ワイヤーがかなり傷んでいます。それでも木に巻き付け、その木が足かせのように動きを制限してくれているので、突進によるワイヤー切れもなさそうです。
上あごを括って2点固定したイノシシ なにはともあれ2点固定です。
夏毛になって、身体には殆ど毛が無いように見えます。
完全に夏毛に変わっています。冬毛は抜け落ちまるで豚のようです。それにしてもここまで皮膚の色が白いのは珍しい。
止めをさしたイノシシ
国の事業で今年始まった「平成25年度緊急捕獲事業」で自治体の捕獲報奨金に国から上乗せがあるのです。害獣駆除で殺したらご褒美をやるぞというのです。
これはその証拠写真として必要なのです。他にイノシシの場合は両耳・しっぽ・牙(1)が必要で何が欠けても報奨金はもらえません。
私はいつも一人で行動していますので、カメラを腰のベルトに吊るし、三脚と赤色スプレーはリュックサックに入れてあります。
山では梅雨明けと同時に「アブ」が出現します。いまや真っ盛り。仕事をしていてもアブにまとわりつかれてうるさくてしかたありません。
アブは麻酔薬を注入しながら密かに血を吸うなどという陰湿なやり方ではなく、直接的で、刺されると瞬間痛みを感じます。
私としてはこういう仕事のやり方は好きです。
しかし、効率は悪そうです。羽音もはでで、ハチのように大きな羽音をたてて周りを飛びまわりますので来たなとすぐに分かります。それでも仕事をしながらアブに集中して気を付けるということは無理で、たまには刺されます。痛いのですぐに追い払いますが、瞬間でも少しは血を吸っているのでしょう。
アブにとってはイノシシが格好の獲物だとおもわれます。夏毛で毛が薄いので仕事がしやすそうです。このイノシシを仕留めると周りを飛びまわっていた6匹のアブがイノシシにとまって血を吸いはじめました。
飼育しているイノシシのアブへの対処法を見ていると、頭の周りでは耳をぱたぱたさせて追い払います。腰の周りはしっぽを振り回します。背中はアブがとまったところの筋肉をけいれんさせて追い払います。しかし、アブもしたたかで
簡単には追い払われません。
イノシシは食いつかれた場所を鉄筋に盛んにこすりつけてアブを追っ払います。
こちらは皮膚に食い込んだダニです。今話題のマダニ類です。このマダニたちが媒介するウイルスによる死者が高知県でも何人か出ています。私などもっとも危険な環境のまっただ中にいるので、戦々恐々です。
頭はすっかり皮膚の中。このように完全に食い込んでいる場合、無理矢理引っ張り抜くと頭部はちぎれて皮膚に残ります。
かなり大きなイノシシで、計量すると69㌔ありました。たっぷり太ったメスでした。