このところ、26日のブルックナー8番の話題ばかりで申し訳ない。
しかし、もう全身全霊がブルックナー漬けなのだから、どうしようもないのだ。お許し願いたい。
本日、改めて通し演奏の録音を聴いたところ、
第1楽章:約18分 第2楽章:約17分 第3楽章:約29分 第4楽章:約28分
と音の鳴っている時間の合計で約92分。これで楽章間の間合いやらチューニングの時間を含めると94~95分に及ぶ勢いだ。
このテンポがわたしに降りてきたのは、今月18日(土)の練習の数日前。
それまでの練習の録音を何度も聴きながら、どうしたらもっと良くなるのか模索しているうちにコレだ! というものが降りてきたのである。
18日のレッスンでは、「些か、行き過ぎだったか?」と反省もしたのだが、コンサートマスターの高橋氏は「このテンポは素晴らしい。訂正する必要なはいのではないか?」と力説。
「そうかなあ?」と宿に戻って録音を聴くと、なるほど、今まで吹っ切れなかったものが全て解決している。まるで、オセロ・ゲームに於けるその一手で、すべての石が自分の色にひっくり返ったかのような鮮やかな変身を感じたのである。
念のため申し上げておくが、それ以前の自分が不勉強だったつもりはない。人一倍愛するブルックナーのため、深い思い入れをもってスコアと対峙していた。
しかし、本番を1週間後に控えたその日、覚醒が起きた。息を扱う管楽器奏者には申し訳ないが、だから、演奏会は面白い。
さて、残すところ、前日午後と当日朝のリハーサル、そして本番のみ。
本番のステージの上で、いったい何がわたしの中に降りてくるのか?
どんな奇跡が起こるのか?
しかし、狙ってはいけない。気負ってはいけない。その途端に音楽の女神は逃げてゆく。
静かな心、無の心で指揮棒を振る先に、その至福は待っている。
そのとき、愛知県芸術劇場コンサートホールは聖なる神殿となるのだ。
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いよいよ週末です。
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