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■ 草津温泉 「恵の湯」 〔 Pick Up温泉 〕



<草津温泉「恵の湯」>
(群馬県草津町昭和区、24h(清掃等で不可時間あり)、無料、0279-88-0001(草津町観光課))
紹介ページ (草津観光協会)
紹介ページ (@nifty温泉)

共同浴場は観光用ではありません。地域住民の生活のお風呂です。
つねに“もらい湯”の心を忘れずにご利用下さい。
(草津観光協会HPより)

さて、万代鉱源泉です。
草津の主力源泉はもともと湯畑でしたが、1970年に万代硫黄鉱山の坑内で大量の高温温泉が噴出、草津町は1975年からこの源泉を熱交換のうえ各施設に配湯、その利用量は4,700L/minにも達っし、湯畑源泉とならぶ主力源泉の地位を獲得しました。
しかし、この源泉は生来暴れん坊で、万代硫黄鉱山はこの高温源泉を抑止することができずに鉱山は放棄されました。(やませみさん「温泉の科学」より)
現在でもこの泉源周辺は非常に危険なため、立ち入り禁止となっています。
なお、周辺の様子は、温泉三昧さんが貴重なレポをされています。

pH=1.5という強い酸性度と独特な入浴感から、万代鉱は好き嫌いの分かれる源泉といわれていますが、ここ「恵の湯」はとりわけ万代鉱源泉の個性が味わえる共同浴場だと思います。

草津の東側、観光客はほとんどやってこない住宅地のなかにあります。
場所はわかりにくく、「睦の湯」を通り過ぎてさらに東側に歩いた左手にひっそりと佇んでいます。


【写真 上(左)】 銘板
【写真 下(右)】 脱衣所

緑の屋根の目立たない建物ですが、湯抜きと暖簾でそれとわかります。右が男湯、左が女湯。
シンプルな脱衣所と無骨なコンクリ造5-6人の浴槽ひとつでまーまーゆったり。
内床が鉄板のような意匠に仕上げられているのが個性的。
アメニティ類なし。土曜11時で独占。
ここは一度しか入ったことはありませんが、たいてい他の共同浴場より空いているようです。


【写真 上(左)】 男湯
【写真 下(右)】 湯口

石膏まみれのカラン湯口から熱湯源泉を投入で、当然槽内注排湯はなく、全量をオーバーフローのかけ流し。湯量はカランで調整できます。

かなり熱めのお湯は、ほぼ無色透明(わずかに翠がかってる?)で浮遊物もほとんどありません。
口に含むと強いレモン味で歯がきしきしします。(溶けてる?)
酸っぱいような酸性臭?が卓越し、イオウ臭はほとんど感じられません。
草津の源泉はおおむね硫化水素が10mg/kgをこえているのでイオウ気がありますが、万代鉱は硫化水素0mg/kg。
また、草津の他の源泉は成分総計が1.5~2g/kgなのに対し、万代鉱は3.72g/kg。
また、pH=1.5は香草をのぞくと草津最強で、泉質的にも個性あふれるものとなっています。


【写真 上(左)】 湯色と内床
【写真 下(右)】 湯色

強酸性泉特有のヌルヌルがすこぶるつよく、肌が溶けていくような不気味な浴感。
それと同時に肌が引き締まるような収斂感も感じられます。
1ケ所あった傷跡が、やたらにピリピリ痛んでいます。
湯ざわりは無機質で、温泉らしい雑味がほとんど感じられず、なんとなく人工的な酸性液?に浸かっているよう。
入っていてどうも落ち着かない、じわじわとプレッシャーをかけてくるようなお湯です。

ここらへんの独特な浴感が、好き嫌いをはげしく分けるのだと思います。
いずれにしてもかなり強いお湯なので、長湯は避けたほうが無難かと思います。

個人的にはあまり好きな泉質ではないですが、それでも、これだけビシッと決められると、それはそれで感動するものはあります。
「西の河原露天風呂」あたりの揉まれた万代鉱とは別物の、鮮度あふれるお湯であることは間違いありません。

温泉好きのあいだでは、どちらかというと評価のひくい万代鉱ですが、やはり草津を語るには避けてとおれない源泉かと・・・。
「恵の湯」は、その万代鉱源泉の不気味さ、こわさ(?)を体感できる貴重な共同浴場だと思います。

<万代鉱源泉/草津温泉旅館協同組合オフィシャルHP「ゆもみねっと」より>
酸性-塩化物・硫酸塩温泉 96.0℃、pH=1.5、湧出量測定せず(掘削自噴)、成分総計=3.72g/kg、H^+=31.6 (57.63mval%)、Na^+=116mg/kg (9.28mval%)、Mg^2+=57.2 (3.18)、Ca^2+=98.3 (9.02)、Mn^2+=3.09、Fe^2+=11.1、Al^3+=55.1 (11.28)、F^-=23.8、Cl^-=998 (51.64)、SO_4^2-=789 (30.15)、HSO_4^-=841 (15.91)、陽イオン計=440 (54.3mval)、陰イオン計=2652 (54.4mval)、メタけい酸=537、メタほう酸=27.8、硫酸=67.2 <H15.6.20分析> (源泉名:万代鉱)

〔 2009/11/28UP (2006/06入湯) 〕


E138.36.46.197N36.37.3.049
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