goo

■ 滝沢温泉 「滝沢館」



滝沢温泉 「滝沢館」
住 所 :群馬県前橋市粕川町室沢滝沢241 (旧 勢多郡粕川村)
電 話 :027-283-5711
時 間 :10:30~15:00(要事前確認)
料 金 :600円
オフィシャルHP
紹介ページ (@nifty温泉)
紹介ページ (MAPPLE 観光ガイド)
紹介ページ (BIGLOBE温泉)
紹介ページ (Yahoo!トラベル)
紹介ページ (るるぶトラベル)
紹介ページ (群馬の温泉宿(求人ジャーナル社))
紹介ページ (日本秘湯を守る会Web)
※ 営業状況・時間・料金・TELなどは、原則としてUP日時点の最新データに直してありますが、掲載内容を保証するものではありません。ご利用の際は必ず事前に各施設にご確認ください。

赤城山の南面、粕川の渓流沿いにある一軒宿で日本秘湯を守る会会員宿。
温泉名は滝沢温泉。赤城温泉郷のひとつに数えられます。
アクセスは赤城神社の下をかすめ赤城山に登る県道16号大胡赤城線経由。「忠治館」のすこし下の三叉路を右にとり、ちょっとした尾根を乗っ越してのアプローチ。

 
【写真 上(左)】 アプローチのサイン
【写真 下(右)】 雰囲気あるアプローチ

この尾根は分水嶺となっていて、赤城温泉は神沢川沿い、滝沢温泉は粕川沿いと谷筋がちがいます。
ちなみに、赤城温泉・「忠治館」は旧 宮城村、滝沢温泉は旧 粕川村に属し、赤城温泉郷としてのまとまりにいささか欠けたきらいもありましたが、いまは両村とも前橋市に編入され、一体的にPRされるようになりました。

 
【写真 上(左)】 外観
【写真 下(右)】 入口の看板

粕川にかかる橋を渡っての雰囲気あるアプローチ。この橋の手前の坂は冬季凍結気味になるので要注意です。

 
【写真 上(左)】 エントランス
【写真 下(右)】 名残りの紅葉

建物は近年リニューアルを重ねて、純和風の小綺麗なつくりになっています。
以前いた”シロ”という人なつこい老犬の姿は見えず、やたらに吠える元気のいい犬がお出むかえ。

日帰りで入れる露天風呂へは、以前は駐車場側からのアプローチでしたが、いまは館内経由に変更されています。

ここは、かなり以前から気に入りのお湯で15回以上は行っているかと思います。
以前はなんとなく生彩を欠いていたような雰囲気のお宿でしたが、行くたびにあか抜けていくような気がして、地道な営業努力が感じられます。

館内の演出にも趣向がこらされ、日帰り客も休める?ような湯上がり処ができています。
時季によってはチェックイン前でも立ち寄り客が多くて活気があります。
今回(2012/11)久しぶりに訪ねたときはさらに趣を加え、泊りたい衝動にかられました。

内湯(木枠石貼3-4人)の日帰り入浴は不明(未確認)ですが、露天の雰囲気が好きなのでいまだに未入浴。一度偵察したことがありますが、お湯は透明で、見た感じからすると露天のほうがお湯はよさげ。


【写真 上(左)】 内湯 (2003年)
【写真 下(右)】 内湯の湯口 (2003年)

上質感の高まった帳場から休憩所兼囲炉裏の脇を抜け、外履きに履き替え外に出ます。
階段を下ってすぐが露天入口。左手が男湯、右手上流側が女湯の固定制です。
コンパクトでやや暗めの小屋風脱衣所。扉をあけると眼前に露天が展開。

 
【写真 上(左)】 露天入口
【写真 下(右)】 脱衣所

カラン3、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。
時季によりけりですが、週末だとたいてい数人は日帰り客が入り込んでいます。

 
【写真 上(左)】 注意書
【写真 下(右)】 露天

露天は粕川の渓流沿いにある野趣あふれるもの。
すぐ下は粕川の流れ。赤城南麓の谷あいにあるこのお湯は、春の新緑、夏の清流、秋の紅葉、冬の風花と、四季折々の趣を見せてくれます。
ただ、夏は強力なアブが発生するので、空中戦を展開しながらの入湯となりますが・・・(笑)

 
【写真 上(左)】 野趣あふれる露天-1
【写真 下(右)】 野趣あふれる露天-2

露天には、メイン露天(岩造、10人位)と、川寄りに非加温源泉槽があります。
以前は非加温源泉槽はなく、非加温源泉の飲泉所がありましたが、飲泉所が若干場所をずらして非加温源泉槽に姿をかえたようです。


【写真 上(左)】 飲泉所 (2003年)
【写真 下(右)】 飲泉所の湯口 (2003年)


【写真 上(左)】 赤く染まる飲泉所からの排湯 (2003年)
【写真 下(右)】 析出に紅葉

メイン露天は重炭酸土類泉らしく黄土色の石灰華の析出で見事にコーティングされた湯口から加温湯を投入、底面のパイプからの吸引でオーバーフローはありません。
浴槽まわりの析出は見事で、湯底も析出でコーティング。析出マニア(^^)にはたまらないのでは・・・。

 
【写真 上(左)】 析出&湯の花
【写真 下(右)】 源泉槽がいいアクセント

以前の掲示では「お湯は新鮮なうちは黄緑色、約30時間で透明になる」とあったので循環系湯づかいとも思いますが(最新掲示は「循環加熱」)、お湯はたいてい好コンディションを保っています。

 
【写真 上(左)】 メイン露天の湯口
【写真 下(右)】 メイン露天湯口の析出&湯色

適温~ややぬるめのお湯は、きれいな緑黄色で透明度は30cmほど(透明のときもある)。酸化鉄らしき赤茶~黄土色の浮遊物を大量に湛えています。
金気まじりのおだやかな温泉臭があって、調子がいいときはこれに若干の焦げ臭が混じります。
重曹泉ながらツルすべ感はなくむしろひっかかる感じの肌触り。浴感はかなり強くてよく温まり長湯するとけっこうどっしりきます。
このお湯はタイミングにより状態に差があり、調子がいいときは湯口そばでアワつきもあります。


【写真 上(左)】 露天 (2003年)
【写真 下(右)】 露天の湯色 (2003年)

新設された非加温源泉槽は金属製の窯風呂でかなりふかめの1人用。
(女湯にも新設されていますが、男湯より小ぶりのよう。)
石灰華の析出&赤茶変した石の湯口から冷たい源泉を10L/minほど投入し、湯船からあふれた分は粕川に向け放流されています。
新設の湯口にしてはやけに析出&変色がきついなと思いきや、これは以前の飲泉所の湯口をそのまま転用したようです。

 
【写真 上(左)】 非加温源泉槽
【写真 下(右)】 注がれる非加温源泉

 
【写真 上(左)】 芸術的な湯口
【写真 下(右)】 上からの非加温源泉槽

浴槽温度は20℃超はあると思われ、メイン露天で温まってからいけば、冬場以外ならさして抵抗はないのでは。

お湯はやや緑がかってかすかに懸濁。透明度はメイン露天よりはるかに高く鮮度感抜群。
湯中には気泡が舞い、おどろいたことにかなりのアワつきがあります。
ひょっとするとこれは正真正銘の炭酸泉によるアワつきかもしれません。
炭酸の存在を語るがごとく、小虫がわらわらと飛び交っているのはいたしかたないところか・・・。

 
【写真 上(左)】 赤茶の排湯
【写真 下(右)】 露天女湯

金気だし味+明瞭な炭酸味+旨味+芒硝味が入り混じる、複雑かつインパクトのある味はかつての飲泉とほぼ同じ。
焦げ臭+金気貝汁臭にわずかな炭酸臭を交えます。
土類系と思われるぎしぎしとした湯ざわりが卓越し、肌に染み入るような感覚とよわいながら炭酸収斂感を感じます。

 
【写真 上(左)】 露天女湯の湯口
【写真 下(右)】 露天女湯の湯色

メイン露天では重炭酸土類泉のイメージがつよいですが、源泉槽では炭酸泉のキャラを感じます。
関東周辺では非常にめずらしい天然炭酸泉体験で、炭酸泉のイメージは塩沢温泉「高林閣」には及ばないものの、初谷鉱泉(浴槽)よりは前面に出ている感じ。
塩沢温泉「高林閣」はなお休業中とみられるので、ひょっとして現在、関東最強の炭酸泉といえるかも・・・。

 
【写真 上(左)】 露天女湯の非加温源泉槽
【写真 下(右)】 露天女湯の非加温源泉槽の湯口

ただ、これほどの浴槽をつくってしまった以上、これを目当てに訪れる客も少なくないはず。
現況、もったいないほどの湯づかいをしているので、もう一槽あれば待ち客を気にせずゆったり入れるのに。と贅沢な想いも・・・。

このあと訪れた赤城温泉もあいかわらず調子がよかったし、地味ながら泉質にこだわる温泉好きは見逃せないエリアだと思います。

---------------------------------------------
(以前あった源泉槽のレポ)
露天脇に飲泉があって、竹の掛樋から粕川に流れ出しており、まわりは鉄分で赤茶に変色。20℃位で無色透明金気臭。炭酸味+金サビ味にうま味が混じった何とも複雑な味がします。(伊香保の飲泉所に似ている)
これを湯船に満たすとお湯は鉄サビ色になる筈なので、露天と飲泉は別源泉かも?。
---------------------------------------------

〔 源泉名:滝沢温泉 滝沢の湯 〕 <H20.11.12分析>
Ca・Na・Mg-炭酸水素塩冷鉱泉 24.3℃、pH=6.2、89L/min*(50m掘削自噴)、成分総計=2.20g/kg
Na^+=137mg/kg (32.99mval%)、Mg^2+=64.5 (29.40)、Ca^2+=122 (33.79)、Fe^2+=5.43
Cl^-=122 (19.68)、HCO_3^-=745 (70.02)、SO_4^2-=86.0 (10.27)
陽イオン計=348mg/kg (18.1mval)、陰イオン計=953mg/kg (17.4mval)、メタけい酸=141、メタほう酸=12.4、遊離炭酸=746、硫化水素=0.0
*) 湧出量は別掲示によると80~100L/min

【以前の掲示】〔 源泉名:滝沢温泉 北爪の湯? 〕 <分析日不明>
Ca・Na・Mg-炭酸水素塩冷鉱泉 泉温**・湧出量・成分総計記載なし、pH=6.1
Na^+=170mg/kg (30.56mval%)、Mg^2+=85.0 (28.95)、Ca^2+=179 (37.61)、Fe^2+=7.3
Cl^-=168 (19.48)、HCO_3^-=1030 (69.38)、SO_4^2-=130 (11.14)
陽イオン計=463.8mg/kg (24.18mval)、陰イオン計=1328.06mg/kg (24.33mval) 

・お湯表面の白い粉=炭酸カルシウム、黄褐色の沈殿物=酸化鉄、40万年前の赤城の雨水が地中の岩石成分を溶かして湧出(以前の脱衣所掲示より)
** 泉温はガイド本によると24.5℃とのこと。

<温泉利用掲示>
野天風呂:循環加温 / 壺風呂:源泉かけ流し

〔 脱衣所掲示 〕
・源泉給湯方法
壺風呂源泉給湯口より竹樋にて、湯船溢湯まで、一日に2~3度たします。
------------------------------
四十年前に、赤城山に降った雨が、地中に浸透し、岩石などの鉱物成分を透かして、現在湧出しております。

■ブランドグルメ
〔 粕川のモロヘイヤ 〕
モロヘイヤ(シマツナソ/タイワンツナソ)は中近東などで盛んに食される栄養価の高い緑黄色野菜で、1980年代に日本に入ってきたとされ各地で栽培が広がりました。
旧 粕川村でも栽培が盛んで粕川村編入後は「前橋のモロヘイヤ」として出荷されています。うどんに練り込んだモロヘイヤうどん(元気うどん)という名物もあるようです。

〔 2012/12/27内容補強のうえUP (2003/10/20レポ (2000年以前から複数回入湯) 〕


E139.11.24.820N36.29.39.946
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )