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歌のうまさ?

さっき、最後だけチラ視したこの番組。
TBS『1番だけが知っている』
クラシック声楽家77人が本気投票!
歌が本当にうまいJ-POPアーティストベスト10!!

まー、結果は誰がみても文句のない予定調和的なところに収まっていた(とくにTOP3)。
(1位MISIA、2位玉置浩二、3位吉田美和、4位小田和正、5位宇多田ヒカル、6位久保田利伸、7位Superfly、8位椎名林檎、9位平井堅、10位中島みゆき)

それはわかるが、じゃあ、なんで井上陽水とか矢沢永吉とかが10位にも入っていない?
井上陽水&安全地帯 夏の終わりのハーモニー


それと、なんとなくR&B系に評価が集中しているような気がする。(声楽では出しにくい声だから?)

前々から思っていたことだけど、
「歌がうまい」と「声がいい」とは違う。ぜんぜん違うよ。
なんか、このふたつがごっちゃになっているような感じがした。

「1位MISIA」の評価ポイントが、ロングトーンとホイッスルボイスって、あまりにわかりやすすぎて思いっきり拍子抜けした(笑)
「クラシック声楽家77人が本気投票!」したならば、もう少し気の利いた視点からかましてもバチはあたらないかと・・・。

それと、「声楽でもPOPでも同じだけれど」という発言が目立ったのも気になった。
声楽とPOPは違う。ぜんぜん違うよ。

個人的に「クラシカル・クロスオーバー」が誕生してから今まで、数十年にも渡りほんとうにたくさんの曲を聴き込んできたけど、これがその結論。(コアな声楽はほとんど聴き込んでいないが(笑))

誤解をおそれずにいうと、
「歌がうまい」で勝負をかけるのが声楽やミュージカル。(↓の追記によると「声量がある」も加わると思う。)
‏「声がいい」で勝負をかけるのがPOP。
だから、声楽の分野からPOPボーカルを「歌がうまい」という視点で評価するのは筋が通っている気もするが、POPボーカリストの本質は「歌がうまい」だけじゃ決して語れない。
(カラバトの旧判定機を認めてたのは、この「声がいい」歌い手をしっかり拾い上げていたから・・・。)

クラシカル・クロスオーバーで、クラシック側に振れすぎると聴き飽き感が出て面白くなくなる。
POP側に振れすぎると本流のPOPとガチ勝負になって立ち位置を失う。
ここのバランスが大事で、一線を保っているクラシカル・クロスオーバーのアーティストはだれもこのバランスが絶妙。
そして声そのものに魅力がある。

〔追記〕
※2020年の正月に声楽をやっている人に、声楽(オペラ)の世界からクラシカル・クロスオーバーの世界に簡単に移れるかどうか尋ねてみた。
本格的に声楽をやっている人は、(マイクなしで)どれだけ自身のからだ(発声器)だけで、遠くまで届く声を生み出せるかが問われるのだという。
これにはベースとしてまずそういう声を出せる体格が必要で、日本人はどうしても西洋人に比べてからだに負担がかかるらしい。
なので練習の結果からだを壊して、声楽界を去る人が少なくないらしい。(多くは教員になるという。)
こういう世界なので、本質的にマイクをつかうことに抵抗があるし、マイクの使い方にも慣れていないので、(マイクを使う)クラシカル・クロスオーバーの世界に簡単に移ることはできないのではないか。
ということでした。

やっぱり声楽とPOP(クラシカル・クロスオーバー含む)は違うのだと思う。

声のよさがベースとなっている具体例(まだ高校生だけど・・・) ↓
熊田このは もののけ姫

※「声がいい」=「声が綺麗」じゃない。この子の声って「綺麗」を超えた何かをもってる。

今度は、
プロボーカリスト77人が本気投票!
声が本当によいJ-POPアーティストベスト10!! やってほしい。
「ミュージシャンズミュージシャン」ていわれてる人って、例外なく実力あるから・・・。
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