関東周辺の温泉入湯レポや御朱印情報をご紹介しています。対象エリアは、関東、甲信越、東海、南東北。
関東温泉紀行 / 関東御朱印紀行
■ 塩原温泉(中塩原) 「芙蓉荘」 〔閉館?〕
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Web情報によると、この湯宿は閉館している可能性があります。
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住 所 :栃木県那須塩原市中塩原540-467
電 話 :閉館?
時 間 :13:00~20:00(営業時データ)
料 金 :600円(同上)
■ 紹介ページ (ニフティ温泉)
■ 紹介ページ (じゃらんnet)
※ 営業状況・時間・料金・TELなどは、原則としてUP日時点の最新データに直してありますが、掲載内容を保証するものではありません。ご利用の際は必ず事前に各施設にご確認ください。
栃木の名湯、塩原温泉。
”塩原温泉郷”とも称されるとおり、箒川の流れに沿って湯場が点在し、おのおのにエリア名が付されています。
箒川沿いを走る塩原街道(国道400号)が鬼怒川方面への「日塩もみじライン」を分けるあたりは「中塩原」と呼ばれ、数軒の湯宿が点在しています。
「芙蓉荘」は中塩原の湯宿のひとつですが、google検索情報には「閉業」とありこちらのサイトには「2019年3月27日にお泊まりのお客様をお見送りして、28年の歴史に幕をおろします。」とあるので、閉館している可能性があります。
塩原の湯巡りには「湯めぐり手形」が定番ですが、たしかこのお宿は参加したことがなく、Web上の温泉レポも少なくなっています。
そんなこともあって、記録の意味でUPしてみます。
この記事は2009年3月に入湯したときのものです。
塩原街道(国道400号)から北上する県道266号中塩原板室那須線(塩那道路)に入ってすぐのところにあります。
この「塩那道路」は高度経済成長期の昭和37年(1962年)に観光道路「塩那スカイライン」として構想された壮大な道路ですが、大佐飛山地の稜線を走るこの道路の工事は困難を極め、自衛隊員が参加したほどです。
結局観光道路としては未開通のまま廃道となり、廃道マニアの間では伝説と化している有名な物件です。(「塩那道路」については、ヨッキれんさんのすばらしいWeb記事があります。)
県道沿いですが、この先は廃道となっているので交通量はすこぶるすくなく、閑静なところ。
複雑な屋根のフォルムをもつ、凝った意匠の2階建ての建物。館内もよく手入れされ、居心地のよさそうな湯宿です。
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【写真 上(左)】 帳場
【写真 下(右)】 浴場入口(ボケボケですみません)
廊下のおくに男女別の浴場。左が女湯、右が男湯。
すっきりとした木棚の脱衣所。
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【写真 上(左)】 脱衣所
【写真 下(右)】 洗い場
窓に面した明るい浴室に石枠水色タイル貼りの4-5人の内湯。
天井はさほど高くはなく、ややこもり気味です。
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【写真 上(左)】 男湯内湯
【写真 下(右)】 露天の庭園
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【写真 上(左)】 男湯露天浴槽から
【写真 下(右)】 露天からの風景
扉の外には露天で、和風の庭園を備え、内湯サイドにやや浅めの石枠鉄平石造3-4人の屋根付き浴槽が設えられています。
樹脂製の柵がありますが、立ち上がると畑の傍らを流れる小川の向こうに塩那の山々。
こういうのどかな景色の露天はありそうでなかなかないもので、風も通って快適です。
カラン3、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。
カランのお湯には鉱物臭があったので、水道水ではないかもしれません。
週末午後で男女湯とも独占でした。
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【写真 上(左)】 男湯内湯の湯口
【写真 下(右)】 女湯内湯
内湯は黒褐色に色づいた石の湯口からのやや熱湯大量投入で、切欠からの大量上面排湯。
身を沈めるとかなりのオーバーフローがありました。
湯口サイドの側面に孔があり、ここからの排湯もあるかもしれません。
ほぼ適温のお湯は無色透明で、白い浮遊物が少量浮かび、湯中の指先が青白く発光しています。
明瞭な塩味芒硝味と明瞭な芒硝臭は浴室全体でも感じられるもの。
ツルすべ+きしきしの湯ざわりで、きっちりとあたたまるお湯です。
反面、お湯に異様な軽さがあり、これは上塩原の「和楽遊苑」(未レポ)で感じられたものと同系かと。
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【写真 上(左)】 男湯露天.
【写真 下(右)】 女湯露天.
露天は石間から突き出た塩ビパイプからの適温湯投入で弱い底面吸湯。オーバーフローはありません。
露天のお湯はややぬるめで、イメージは内湯に準ずるものですが、白い浮遊物は内湯より多く、独特の軽い浴感は内湯よりよわく、全体に露天よりは鮮度が劣るような感じがしました。
露天の湯口は内湯サイドの壁面から出た2系統のラインを混合するもので、ひょっとして一部は内湯の槽内から露天にお湯を落としているかもしれません。
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【写真 上(左)】 男湯露天の湯口
【写真 下(右)】 露天の湯口裏
温泉分析書記載は上塩原集中管理の「金録源泉」で、この源泉は「山の宿 たちばな家」でレポしていますが、お湯のイメージはちょっと違うような感じもしました。
〔 源泉名:金録源泉 〕 <H3.1.7分析>
Na-塩化物・炭酸水素塩温泉 65.6℃、pH=7.6、湧出量不明、成分総計=1602mg/kg
Na^+=420.1mg/kg、Ca^2+=28.8、Fe^2+=0.1、Cl^-=489.3、SO_4^2-=130.0、HCO_3^-=291.9、陽イオン計=473.6、陰イオン計=912.4
メタけい酸=120.4、メタほう酸=57.8、遊離炭酸=36.7
近年の塩原は休廃業つづきで、残念ながら往年の勢いをなくしています。
これにコロナ禍が追い打ちをかけているかと思うとさらに懸念が高まりますが、関東有数の実力派温泉地なので、なんとかふんばってほしいと思います。
〔 2021/07/03UP (2009/03入湯) 〕
※ このレポは2009/03入湯時のものです。
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