関東周辺の温泉入湯レポや御朱印情報をご紹介しています。対象エリアは、関東、甲信越、東海、南東北。
関東温泉紀行 / 関東御朱印紀行
■ フェンダー・ローズとAOR
■ AORの名バラード25曲がアクセスランキングに入っていたので、聴き返してみると、多くのリスト曲がおそらく「フェンダー・ローズ」使用。
ある意味、オルゴールのうえでメロを歌うようなものだから、サウンドイメージはおのずからメロディアスなものになる。
いまと当時のPOPSのサウンドで大きな差があるとしたら、「フェンダー・ローズ」の有無も大きいのでは?。
それくらい当時のサウンドにはよく使われていた。
そこで、以前リストしたものに追加してみました。
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(以前のコメント)
これからじっくりと「フェンダー・ローズ識別プロジェクト」を立ち上げようかとも思いますが、まずは、明らかにフェンダーローズ使用と思われるAOR系の名バラードを3曲ご紹介します。
AORにとって、フェンダーローズの音色がいかに重要であったか、これを聴いていただければわかるかと思います。
なお、ほとんどのテイクは筆者の独断でリストしていますので、「フェンダー・ローズ」ではないものもまじっているかもしれません。
あしからずご了承くださいませ。
まずは、邦楽から2曲入れてみます。
■ 海 - サザンオールスターズ 〔 From 『人気者で行こう』(1984)〕
奏者は原 由子さん。
ただし、これはひょっとしてKORG(シンセサイザー)かもしれぬ。
いずれにしてもこの音色は生ピアノでは生み出せない。
■ MERCURY LAMP/水銀燈 - 杏里 〔 From 『COOOL』(1984)〕
初期杏里もけっこう使っていた。
フェンダー・ローズの音色は、本当にグルーヴ曲によく似合う。
奏者はおそらくDon Grusin。
それではAORいきます。(含むBCM/ブラコン)
01.Whatever We Imagine - David Foster 〔 From 『The Best Of Me』(1983)〕
おそらく主メロがピアノとシンセ、裏メロがフェンダー・ローズ。
イントロは間違いなくフェンダー・ローズだと思う。
奏者はDavid Foster。
02.It's Only Love - Marc Jordan 〔 From 『A Hole In The Wall』(1983)〕
AOR屈指の名バラード。
フェンダー・ローズの音色はサックスとも相性ばっちりだった。
奏者はRobbie Buchanan or David Foster。
03.The Fool Is All Alone - Bill Champlin 〔 From 『Runaway』(1981)〕
名手Bill ChamplinによるこちらもAOR全盛期の名バラード。
フェンダー・ローズ&ストリングスによる怒濤のサポート。
奏者はDavid Foster。
04.Ruled By My Heart - Jim Photoglo 〔 From 『Fool in Love With You』(1981)〕
イントロからいきなりサックスが入る当時の典型的なAORサウンド。
通奏はシンセでカウンターメロがフェンダー・ローズ。
奏者はBill Cuomoとみられる。
05.Words and Music - Tavares 〔 From 『Words and Music』(1983)〕
BCM系でもバラード曲を中心によく使われていた。
イントロはピアノかもしれぬが、メインはシンセとフェンダー・ローズのツインキーボード。
流麗なストリングスもよく効いているメロのかたまりのような曲で、フェンダー・ローズの音色が浮遊感をもたらしていることがわかる。
06.Split Decision - Natalie Cole 〔 From 『Everlasting』(1987)〕
1980年代中期のNatalie Coleの楽曲でもよく使われていた。
イントロとカウンターメロは確信的にフェンダー・ローズ。
奏者はRandy Kerber。
07.The Next Time I Fall - Peter Cetera, Amy Grant 〔 From 『Solitude/Solitaire』(1986)〕
バラード・シンガーPeter Ceteraもフェンダー・ローズ御用達。
奏者はMichael Omartian or Willie Alexanderとみられる。
08.Didn't We Almost Have It All - Whitney Houston 〔 From 『WhitneyⅡ』(1987)〕
おそらくイントロからフェンダー・ローズ。
初期Whitney Houstonの華麗なサウンドは、フェンダー・ローズによるところ大では?
奏者はRobbie Buchanan。
09.The Sweetest Days - Vanessa Williams 〔 From 『The Sweetest Days』(1994)〕
これはacoustic pianoと混在しているが、おそらくカウンターメロで使われていると思う。
奏者はKeith Thomasか?
10.Starting All Over - George Benson 〔 From 『Twice The Love』(1988)〕
これもややシャープな音像ながら確信的にフェンダー・ローズ。
1988年代のGeorge Bensonのアルバムはよく聴いていたが、それはフェンダー・ローズが多用されていたからかもしれない。
奏者はRandy Kerber。
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2022/06/08 UP
先ほどのNHK『うたコン』で、今回も尾崎亜美が「フェンダー・ローズ」を弾いていた。
(残念ながら、現在動画は削除されています。)
■ マイ・ピュア・レディ - 尾崎亜美
やっぱりこの音色、たまらん。
1980年代後半にいともあっさりとAORがジャンル崩壊したひとつの理由に、この「フェンダー・ローズ」の動向はぜったい絡んでいると思う。
Fender Rhodes(Piano)とは、1940年代にHarold Rhodes氏によって前線の兵士たちを慰安する目的で発明された楽器です。
1959年、Harold Rhodes氏は楽器メーカーのFender社と合弁事業を開始し、1974年頃までは"Fender Rhodes"(フェンダー・ローズ)の商号で製品が販売されていました。
1975年頃、商号から"Fender"の文字が消え"Rhodes"に変更されたものの、以降も「フェンダー・ローズ」と総称され、主にクロスオーバー(フュージョン)、ソウル(BCM)、AORなどのジャンルで広く使われました。
1980年代中盤にヤマハからデジタルシンセサイザー「DX7」が発売され「フェンダー・ローズ」に近い音色が出せるようになると、1台ごとの音色のぶれが大きい「フェンダー・ローズ」はまたたく間に駆逐されていきました。
しかし、聴き手の情感に訴えかけるような「フェンダー・ローズ」の音色の人気は根強く、日本では2009年9月からMark 7の輸入販売を開始、輸入一号機のオーナーは山下達郎氏であったことは音楽通のあいだではよく知られているようです。
「フェンダー・ローズ」の原理は金属製の音叉をハンマーで叩き、電磁ピックアップして電気信号に変換するというもので、音色はある意味オルゴールに近いかもしれません。
■ 栄冠は君に輝く NHK学校紹介 ふるさと紹介 オルゴールバージョン カバー
↑ これって、オルゴールじゃなくてRhodes Pianoだったと思うけどね・・・。
バックミュージシャンのクレジットのなかでも、Rhodes PianoはKeyboardに括られるので、ほとんど音色で聴き分けるしかありません。
しかも、この時代(1980年前後)のピアノやエレピは、やわらかい音色のものが多く、Rhodes Pianoとの聴き分けはなかなかやっかいです。
(ピアノとRhodes Pianoが混在しているテイクも多い。)
なので、「フェンダー・ローズの名曲」でググっても、評価の定まった同じような顔ぶれが並びます。
たとえば、こういうの ↓
■ Just The Two Of Us - Grover Washington Jr. (feat. Bill Withers)
■ Just The Way You Are(素顔のままで) - Billy Joel
邦楽だとこういうの ↓
■ 中央フリーウェイ - 荒井由実
ある意味、オルゴールのうえでメロを歌うようなものだから、サウンドイメージはおのずからメロディアスなものになる。
いまと当時のPOPSのサウンドで大きな差があるとしたら、「フェンダー・ローズ」の有無も大きいのでは?。
それくらい当時のサウンドにはよく使われていた。
そこで、以前リストしたものに追加してみました。
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(以前のコメント)
これからじっくりと「フェンダー・ローズ識別プロジェクト」を立ち上げようかとも思いますが、まずは、明らかにフェンダーローズ使用と思われるAOR系の名バラードを3曲ご紹介します。
AORにとって、フェンダーローズの音色がいかに重要であったか、これを聴いていただければわかるかと思います。
なお、ほとんどのテイクは筆者の独断でリストしていますので、「フェンダー・ローズ」ではないものもまじっているかもしれません。
あしからずご了承くださいませ。
まずは、邦楽から2曲入れてみます。
■ 海 - サザンオールスターズ 〔 From 『人気者で行こう』(1984)〕
奏者は原 由子さん。
ただし、これはひょっとしてKORG(シンセサイザー)かもしれぬ。
いずれにしてもこの音色は生ピアノでは生み出せない。
■ MERCURY LAMP/水銀燈 - 杏里 〔 From 『COOOL』(1984)〕
初期杏里もけっこう使っていた。
フェンダー・ローズの音色は、本当にグルーヴ曲によく似合う。
奏者はおそらくDon Grusin。
それではAORいきます。(含むBCM/ブラコン)
01.Whatever We Imagine - David Foster 〔 From 『The Best Of Me』(1983)〕
おそらく主メロがピアノとシンセ、裏メロがフェンダー・ローズ。
イントロは間違いなくフェンダー・ローズだと思う。
奏者はDavid Foster。
02.It's Only Love - Marc Jordan 〔 From 『A Hole In The Wall』(1983)〕
AOR屈指の名バラード。
フェンダー・ローズの音色はサックスとも相性ばっちりだった。
奏者はRobbie Buchanan or David Foster。
03.The Fool Is All Alone - Bill Champlin 〔 From 『Runaway』(1981)〕
名手Bill ChamplinによるこちらもAOR全盛期の名バラード。
フェンダー・ローズ&ストリングスによる怒濤のサポート。
奏者はDavid Foster。
04.Ruled By My Heart - Jim Photoglo 〔 From 『Fool in Love With You』(1981)〕
イントロからいきなりサックスが入る当時の典型的なAORサウンド。
通奏はシンセでカウンターメロがフェンダー・ローズ。
奏者はBill Cuomoとみられる。
05.Words and Music - Tavares 〔 From 『Words and Music』(1983)〕
BCM系でもバラード曲を中心によく使われていた。
イントロはピアノかもしれぬが、メインはシンセとフェンダー・ローズのツインキーボード。
流麗なストリングスもよく効いているメロのかたまりのような曲で、フェンダー・ローズの音色が浮遊感をもたらしていることがわかる。
06.Split Decision - Natalie Cole 〔 From 『Everlasting』(1987)〕
1980年代中期のNatalie Coleの楽曲でもよく使われていた。
イントロとカウンターメロは確信的にフェンダー・ローズ。
奏者はRandy Kerber。
07.The Next Time I Fall - Peter Cetera, Amy Grant 〔 From 『Solitude/Solitaire』(1986)〕
バラード・シンガーPeter Ceteraもフェンダー・ローズ御用達。
奏者はMichael Omartian or Willie Alexanderとみられる。
08.Didn't We Almost Have It All - Whitney Houston 〔 From 『WhitneyⅡ』(1987)〕
おそらくイントロからフェンダー・ローズ。
初期Whitney Houstonの華麗なサウンドは、フェンダー・ローズによるところ大では?
奏者はRobbie Buchanan。
09.The Sweetest Days - Vanessa Williams 〔 From 『The Sweetest Days』(1994)〕
これはacoustic pianoと混在しているが、おそらくカウンターメロで使われていると思う。
奏者はKeith Thomasか?
10.Starting All Over - George Benson 〔 From 『Twice The Love』(1988)〕
これもややシャープな音像ながら確信的にフェンダー・ローズ。
1988年代のGeorge Bensonのアルバムはよく聴いていたが、それはフェンダー・ローズが多用されていたからかもしれない。
奏者はRandy Kerber。
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2022/06/08 UP
先ほどのNHK『うたコン』で、今回も尾崎亜美が「フェンダー・ローズ」を弾いていた。
(残念ながら、現在動画は削除されています。)
■ マイ・ピュア・レディ - 尾崎亜美
やっぱりこの音色、たまらん。
1980年代後半にいともあっさりとAORがジャンル崩壊したひとつの理由に、この「フェンダー・ローズ」の動向はぜったい絡んでいると思う。
Fender Rhodes(Piano)とは、1940年代にHarold Rhodes氏によって前線の兵士たちを慰安する目的で発明された楽器です。
1959年、Harold Rhodes氏は楽器メーカーのFender社と合弁事業を開始し、1974年頃までは"Fender Rhodes"(フェンダー・ローズ)の商号で製品が販売されていました。
1975年頃、商号から"Fender"の文字が消え"Rhodes"に変更されたものの、以降も「フェンダー・ローズ」と総称され、主にクロスオーバー(フュージョン)、ソウル(BCM)、AORなどのジャンルで広く使われました。
1980年代中盤にヤマハからデジタルシンセサイザー「DX7」が発売され「フェンダー・ローズ」に近い音色が出せるようになると、1台ごとの音色のぶれが大きい「フェンダー・ローズ」はまたたく間に駆逐されていきました。
しかし、聴き手の情感に訴えかけるような「フェンダー・ローズ」の音色の人気は根強く、日本では2009年9月からMark 7の輸入販売を開始、輸入一号機のオーナーは山下達郎氏であったことは音楽通のあいだではよく知られているようです。
「フェンダー・ローズ」の原理は金属製の音叉をハンマーで叩き、電磁ピックアップして電気信号に変換するというもので、音色はある意味オルゴールに近いかもしれません。
■ 栄冠は君に輝く NHK学校紹介 ふるさと紹介 オルゴールバージョン カバー
↑ これって、オルゴールじゃなくてRhodes Pianoだったと思うけどね・・・。
バックミュージシャンのクレジットのなかでも、Rhodes PianoはKeyboardに括られるので、ほとんど音色で聴き分けるしかありません。
しかも、この時代(1980年前後)のピアノやエレピは、やわらかい音色のものが多く、Rhodes Pianoとの聴き分けはなかなかやっかいです。
(ピアノとRhodes Pianoが混在しているテイクも多い。)
なので、「フェンダー・ローズの名曲」でググっても、評価の定まった同じような顔ぶれが並びます。
たとえば、こういうの ↓
■ Just The Two Of Us - Grover Washington Jr. (feat. Bill Withers)
■ Just The Way You Are(素顔のままで) - Billy Joel
邦楽だとこういうの ↓
■ 中央フリーウェイ - 荒井由実
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