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■ 源頼朝公ゆかりの寺社

■ 「鎌倉殿の13人」と御朱印から分離して別記事とします。

今後、発見次第追加していきます。


「鎌倉殿の13人」では、頼朝公がしばしば神仏に祈願するシーンが出てきます。
鎌倉幕府において鶴岡八幡宮の存在はきわめて大きく、鎌倉にはほかにも多くの寺社が建立されて、一種の「宗教都市」の様相を呈していたのではないでしょうか。
頼朝公はのちに白旗神社の御祭神として各地に祀られるのですが、自ら勧請・開基(創建)された寺社も少なくありません。

レファレンス事例詳細(国立国会図書館が全国の図書館等と協同で構築している、調べ物のためのデータベース)での「源頼朝が鎌倉に建てた社寺はいくつあるか。」という質問に対しての鎌倉市中央図書館の回答 (2015年10月)には、「鶴岡八幡宮寺、永福寺、勝長寿院の3つと考えるのが妥当なようです。(鶴岡八幡宮寺を「勧請」ととれば2つです。)伝説を含めれば佐助稲荷神社も頼朝創建と伝えられています。」とあります。

上記回答プロセスでの「ネットで『頼朝の建てた社寺』で検索してみると、佐助稲荷が引っかかってくる。」つう表記はいかがなものかと思いますが(笑)、これに倣ってWeb検索し、寺社伝、自治体資料などで由緒が裏付けられたものを以下にあげてみます。
京都の建仁寺、福岡の聖福寺、長野の十念寺などは頼朝公開基・創建の寺院として知られていますが、ここでは関東地方周辺のみに絞ります。
★は御朱印授与ありの寺社です。

1.鶴岡八幡宮寺(神奈川県鎌倉市) ★(鶴岡八幡宮)
鶴岡八幡宮別当。建久二年(1191年)、あらためて石清水八幡宮護国寺を勧請。


2.永福寺(二階堂)(廃寺)(神奈川県鎌倉市)
頼朝公建立。建久三年(1192年)11月落慶供養。奥州合戦の戦死者供養の為。

3.阿弥陀山 勝長寿院(大御堂)(廃寺)(神奈川県鎌倉市)
頼朝公建立。文治元年(1185年)10月落慶供養。父・義朝公菩提の為。

4.佐助稲荷神社(神奈川県鎌倉市) ★
頼朝公が畠山重忠に命じ再建。建久年間(1190~1199年)、平家討伐祈願の御礼。


5.銭洗弁財天宇賀福神社(神奈川県鎌倉市) ★
伝・頼朝公創祀。文治元年(1185年)頼朝公の霊夢により天下泰平の世を祈願の為。


6.能蔵寺(現・材木座来迎寺)(神奈川県鎌倉市) ★(来迎寺)
頼朝公創建。建久五年(1194年)、三浦大介義明菩提の為。


7.南向山 補陀洛寺(神奈川県鎌倉市) ★
伝・頼朝公開基。


8.朝比奈熊野神社(横浜市金沢区)
頼朝公建立。覇府艮方守護の為。

9.瀬戸神社(瀬戸三島明神)(横浜市金沢区) ★
頼朝公が挙兵にあたり御利益を蒙った伊豆三島明神の御分霊を祭祀。


10.富岡八幡宮(横浜市金沢区) ★
頼朝公造営。建久二年(1191年)、鎌倉の鬼門除けとして摂津西宮神社の蛭子尊の分霊を勧請。


11.(芝生)浅間神社(横浜市西区) ★
境内由緒書に「創祀は承暦四年(1080年)ともいわれ、源頼朝公文治元年平家討滅に依るべきを思い且つは戦勝奉賽のため(略)芝生村に富士山の形状の山地あるを卜とし社殿の修築をなし報賽の至誠を致せる(略)」とあり、「(頼朝公が)御分霊を奉祀して創祀」とする資料も複数あり。


12.瑞雲山 本覚院 三會寺(横浜市港北区) ★
頼朝公建立の密場(新編武蔵風土記稿)。旧小机領三十三所子歳観音霊場の御朱印にも「開基:頼朝公」とあり。源頼朝公が大檀那となり佐々木高綱が奉行して建立とも。


13.補陀洛山 安養院 西方寺(横浜市港北区) ★
旧小机領三十三所子歳観音霊場の御朱印に「開基:頼朝公」とあり。西方寺の公式Webには開基は明記されていませんが、頼朝公は開山の醍醐覚洞院座主に帰依していることから、このような表記になっているのかもしれません。


14.森戸神社 (森戸大明神)(神奈川県葉山町) ★
頼朝公勧請。治承四年(1180年)、天下平定の御礼に三嶋明神の御分霊を勧請。


15.義明山 満昌寺(神奈川県横須賀市) ★
頼朝公建立。建久五年(1194年)、三浦大介義明を開基として源頼朝が建立。


16.五明山 最宝寺(神奈川県横須賀市) ★
頼朝公開基。建久六年(1195年)。


17.日金山 松源寺(現・松得山 東漸寺の日金地蔵尊)(神奈川県横須賀市) ★
頼朝公勧請。伊豆配流時、出世あれば勧請と約し、願成就ののちに日金山 東光寺より勧請、松源寺を創建。


18.江島弁財天(神奈川県藤沢市) ★
頼朝公が文覚に命じて勧請。養和2年(1182年)、奥州藤原秀衡調伏の為。


19.三嶋山 感応院(瑞光密寺)(神奈川県藤沢市) ★
頼朝公による「三嶋神社」の勧請が創祀。


20.(上大井)三嶋神社(神奈川県大井町) ★
頼朝公建立。治承四年(1180年)、平家打倒・源氏再興の御礼に三嶋大社より御分霊を勧請。

以上が神奈川県内の寺社で、鎌倉・三浦半島を中心に相当数みられます。
ところが神奈川県外となると、その数はぐっと少なくなります。

21.品川神社(東京都品川区) ★
頼朝公創始。文治三年(1187年)、海上交通安全祈願成就御礼の為、安房国洲崎明神を勧請。


22.牛天神北野神社(東京都文京区) ★
頼朝公創建。元暦元年(1184年)、頼朝公の霊夢(菅原道真公の御神託)による。


23.田端八幡神社(東京都北区) ★
頼朝公創祀。文治五年(1189年)、奥州平定後に鶴岡八幡宮を勧請し祭祀。


24.上田端八幡神社(東京都北区) ★
頼朝公創祀。文治五年(1189年)、奥州平定後に鶴岡八幡宮を勧請し祭祀。


25.神楽坂若宮八幡神社(東京都新宿区) ★
頼朝公勧請創建。文治五年(1189年)、奥州征伐後に鶴岡八幡宮の御分霊を勧請。


26.産安社(武蔵御嶽神社の摂社)(東京都青梅市) ★(武蔵御嶽神社)
頼朝公創建。文治年間(1185-1189年)。

27.天津神明宮(千葉県鴨川市) ★
頼朝公勧請。寿永三年(1184年)、安房の地で源家再興を伊勢大廟に祈願・成就の御礼に伊勢より御神霊を勧請。


28.長沼八幡宮(栃木県真岡市) ★
頼朝公勧請。建久四年(1193年)、神夢により加茂社(別雷尊)・春日社(天児屋根尊)の両神を勧請して創祀。

29.玉村八幡宮(群馬県玉村町) ★
頼朝公勧請。建久六年(1195年)、安達盛長に命じ鶴岡八幡宮の御分霊を勧請。


30.若宮八幡宮(大寶八幡宮の摂社)(茨城県下妻市) ★(大寶八幡宮)
頼朝公勧請。文治五年(1189年)、奥州征伐平定の日に鶴岡八幡宮若宮を勧請して摂社を創建。

 
31.海雲山 長勝寺(茨城県潮来市) ★
頼朝公建立。文治元年(1185年)。


埼玉県に至っては、ほとんどWebではヒットしません。
埼玉県内には、比企氏、畠山氏、熊谷氏、河越氏、武蔵七党など有力御家人が多く、寺社の創再建はこれらの武家たちが担っていたからかもしれません。
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