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関東温泉紀行 / 関東御朱印紀行
■ 下諏訪温泉 「中川旅館」 〔 Pick Up温泉 〕
<下諏訪温泉 「中川旅館」>
(長野県下諏訪町3483-7、12:00~14:00(湯めぐりうちわ)、0266-27-8556)
■ 紹介ページ (信州キャンペーン実行委員会(長野県観光部観光振興課内) )
■ 紹介ページ (楽天トラベル)
下諏訪温泉では「旦過の湯」とならぶ主力源泉の「綿の湯」。
「綿の湯伝説」(下記)が伝えるとおり、下諏訪温泉発祥の神湯とされ、古来から大切にされているお湯です。
「綿の湯」をつかうお宿はいくつかありますが、いずれも「綿の湯」使用を誇らしげにうたっているので、いまでも格式の高い名湯の地位にゆるぎはないようです。
【写真 上(左)】 綿の湯
【写真 下(右)】 浴室入口
そのなかの一軒が「中川旅館」。
田中康夫元長野県知事のもと、平成16年白骨温泉の入浴剤使用問題を契機に実施された「旅館・ホテル等の入浴施設及び公衆浴場調査」によると、ここは源泉100%、加温なし、かけ流し、毎日換水、殺菌処理なしという、温泉好きからすると非のうちどころのない湯づかいをしているようなので、『下諏訪湯めぐりうちわ』をつかい攻めてみました。
なお、『下諏訪湯めぐりうちわ』は現在終了しているようなので、いまでも日帰り入浴できるかは不明です。
「綿の湯」泉源は「遊泉ハウス・児湯」駐車場のあたりで、ここはそのすぐそばですからとても恵まれた立地にあります。
かなりこぢんまりとしたお宿で、廊下のおくにふたつの浴室。
休日13時で空いていたので右側の男湯に貸し切りで入れました。
【写真 上(左)】 浴槽
【写真 下(右)】 石膏まみれの源泉カラン
やや暗めの浴室に総タイル貼3-4人の渋い浴槽ひとつとシンプル。
石膏まみれのカランから熱い源泉を10L/min弱投入し、パスカル方式らしいパイプからの排湯+オーバーフロー。
カラン2、アメニティ類なし。
無色透明のお湯はゲキ熱で、硫酸塩泉らしく湯中の指先が青白く光っています。
よわい芒硝塩味によわい芒硝臭。味臭とも旦過よりよわいように感じました。
キシキシとヌルすべがいりまじる絶妙の湯ざわりで、とろみもありますが旦過よりよわいもの。
【写真 上(左)】 パイプからの排湯
【写真 下(右)】 カラン&湯色
熱湯で責め立ててくる旦過にくらべると、こちらも熱湯ながらやさしくおだやかな味わいのあるお湯で、なるほど「綿の湯」のいわれもうなずけます。
シンプルな浴室で、他に気をとられることなくひたすらお湯と対峙できるので、よけいにお湯の個性をセンシティブに感じます。
地味なお宿ですがお湯はとてもいいので、温泉好きにはおすすめかと。
また、「旦過の湯」と入りくらべてみるのも一興でしょう。
【綿の湯伝説】
その昔、諏訪明神の祭神「建御名方神」のお妃「八坂刀売神」が、上社から下社にお移りになられるとき、女神は日頃化粧に使われていた「『社前の温泉』を分けてくださるように」と請われ、温泉を綿に湿し「湯玉」にしてお持ちになりました。
下社にお着きになられたとき、手にされていた「湯玉」を置かれた所から、温泉が湧き出しました。
湧き出した場所が下諏訪温泉発祥のお湯「綿の湯」とされています。
もともと神聖な「神様の湯」なので、汚れたもの、やましい者が入ると、湯口が濁ったといわれています。(湯口の清濁)
古来、下諏訪の人々は、「綿の湯、児湯(こゆ)、旦過(たんが)の湯の三湯を利用し、『綿の湯は綿のように肌触りがよい』『児湯は良く暖まって子宝に恵まれる』『旦過の湯は熱くて傷に良い』などそれぞれ評判良く賑わいました。」(上諏訪町資料より)とあり、神湯、綿の湯の肌触りのよさははるかむかしから定評があったようです。
(以上、町、商工会議所資料および現地案内板を参考。)
現在は「遊泉ハウス・児湯」の駐車場に「綿の湯」のモニュメントが置かれていて、熱い源泉のなかで石づくりの湯玉がくるくるとまわっています。
また、「綿の湯」は現在、下諏訪町長が管理者を務める財産区が所有しているようです。
綿の湯を引湯している周辺5軒のお宿の女将が集まり「綿の湯界隈会」がつくられていますが、このお宿もそのメンバーです。
Na・Ca-硫酸塩・塩化物温泉 57.9℃、pH=8.4、756L/min掘削揚湯、成分総計=1041mg/kg、Na^+=265.2mg/kg (76.42mval%)、Ca^2+=65.0 (21.45)、Fe^2+=0.06、F^-=2.9、Cl^-=214.0 (39.75)、HS^-=0.2、SO_4^2-=405.3 (55.51)、HCO_3^-=26.4、CO_3^2-=3.6、陽イオン計=337.8 (15.10mval)、陰イオン計=652.9 (15.19mval)、メタけい酸=45.5、メタほう酸=4.9 <H5.9.22分析> (源泉名:綿の湯源湯)
※ 分析書とは別に「城山源湯円久保源湯混合 硫酸塩泉 56.9度」という簡易掲示もありました。
■ブランドグルメ
〔 新鶴本店の塩羊羹 〕
創業明治六年、下諏訪を代表する銘菓の老舗です。
諏訪大社下社秋宮のとなりに風情あふれる店構え、観光客にも広く親しまれています。
山国、信州では塩はことさら貴重で、初代の店主も「羊羹に塩味を加えることを思いつき、砂糖や餡とのなじみ具合、寒天折り合いに苦心しながら、丹念に練りあげるうちに、塩の調和がもたらす、しっとりした淡雅な口当たりと甘さの間合いを体得。新鶴の塩羊羹が生まれました。」との由。(HPより)
厳選された十勝の小豆と茅野の寒天を用いて、楢薪をたいて練り上げるという、初代の製法を忠実に守って製造されているとのこと。お取り寄せもできます。
〔 2010/02/16 (2007/08入湯) 〕
E138.5.35.140N36.4.23.510
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