昨日の「報道ステーション」で古舘が「謝罪」しているのを見た。
こちらはまだ「ニュース・ステーション」という番組名かと思っていたぐらいだから、いちいち細かいとこまで番組を見ているのではない。
謝罪の原因になった放送も見てはいないのだが、一番の問題は自分のようにあまりいつもこの番組を最初から最後まできちんと見ていないものには問題の経緯やどういういきさつで謝罪にいたったのかという経緯がわかりにくいという点であるように思う。
そして国会の質疑というものに関してはその多くの部分が省略されて結果だけをかいつまんで、しかもキャスターの主観を大きく入れる形で放送するのがそもそもの間違いななのではないか。
つまり質疑のある部分に関してそれが「無神経な発言」かどうかは本当を言えば、ある程度時間を割いて質疑の模様を見たうえで国民一人一人が自分で判断すべきことであるのに、まるで国民はそういう判断ができないかのごとくにある特定の見方を押し付けるのがマスコミの通弊であるように思う。
もっとも自分はこの問題となった国会の質疑に関してはみていないので、自分の意見も述べにくいが、現在の内閣が経済制裁(この言葉には反発を感じるがまたしても通弊にしたがいます)をする可能性が低いのに家族の覚悟を迫るような発言はあまり生産的だとは思えない。
むろん経済制裁を主調している人々は、拉致被害者のご家族の方々を含めだからこそこれだけの覚悟を見せているということなのであろうが、いずれにせよ、経済制裁によってかくかくしかじかになる可能性があるとほのめかすことはあまりいいことだとは思えない。
もしそれによって悪い結果を生むことになったとしてもそれは果たして日本政府や外交が悪いというより、拉致した人間が全面的に責められるべきであって、そのような発言などはむしろ拉致した側の脅し文句をこちらが勝手に考えてあげて脅しているような印象さえ受ける。
テレビ朝日は当初自民党の抗議を突っぱねていたはずだが、なぜ今回謝罪にいたったのか非常に理解に苦しむ。
謝罪するならするでなぜ当初突っぱねたのか説明すべきではないか。
一番まずいのはこれが非常に事務的な文書を女子アナが読んで古舘が後からコメントする形をとったことだ。
こういう場合には、コメントした本人がいるわけだから全て自分でしゃべるべきではなかったか。
そしてその発言が自分で考えての発言であったのか明確にして、もし自分が考えて勝手にしゃべったことであれば、自民党が抗議したときに自分で少しは対応するなりすべきではなかったか。
いずれにしてもこういうときには問題となった放送の部分や委員会での質疑の模様もできるだけ長く放送するなど、より丁寧に説明すべきだと思うのだが、短めの謝罪で終わりというのは遺族の方々にとっても失礼なことのように思えてしかたがない。