AMASHINと戦慄

~STARLESS & AMASHIN BLOG~
日々ブログレッシヴに生きる

エレクトリック・カフェ

2016年04月13日 | まったり邦楽
Perfumeの約2年ぶりの新作『Cosmic Explorer』はフラゲしてから車中、iPodでヘヴィロテ中。
と同時に、クラフトワークなんかも合間合間に聴いてるテクノポップな今日この頃。

まぁこの2年間、CMソングやドラマ、映画の主題歌などで既出のシングル曲が7曲以上も収録されていて、そのほとんどがあまりピンとこなくてどうしたものかと期待は半分で、もう新録曲と、あとはヤスタカ氏のアルバムMIXの如何に期待するほかなかった。

サイコフレームの光が宇宙のただ中を浮遊してるかのような神秘的なイントロをはさみ、宇宙的で壮大なシンセ音で幕を開けるこの出だしは、まさにUKやMAGELLANなどに通じるスペクタクル感を演出する大仰なプログレッシヴロック曲を彷彿させる、まさに「Cosmic Explorer」というタイトルに相応しい、今までのPerfumeにはないスペースアドベンチャーなナンバー。
こういうのは、えてして稚拙でクサくなりがちなのだが、やはり感情を込めない3人の洗練された和声がクールに機能していて、そういった陳腐な事態に陥らないでいる。

「宇宙探索者」なんていう大それたタイトルでおっきく出たなと思ったが、まぁPerfumeはExplorerであると同時にPioneerでもあるかと。
10年前からすでに、先人たちが決して踏みこえなかった領域を敢えて突き進み、後続者たちに道を切り開いた。そこへサブカルチャーが台頭し、今やもう何でもアリの時代。
ただ、Perfumeは最初に垣根をブっ壊しておきながら、その後続者たちとは全く別次元のレベルで躍進している宇宙的存在といえるだろう。
そこに胡散臭いサブカル人のつけ入るスキは見当たらない。
それは本作の5曲目、毎年アメリカはテキサス州で開催される『SXSW』(過去にデビューしたてだったCoccoもこのフェスに出演している)にPerfumeが出演したとき、異次元のパフォーマンスとハイテクノロジーによって表現された「Story」の映像をみてもわかるかと。
はっきしいって普通のJ-POPファンも置いてけぼりなこのPerfumeの未知なるエンターテイメント性は、もはや宇宙レベルである。

Perfume Live at SXSW | STORY (SXSW-MIX)。正直私もわけがわからない。



ハイクオリティでクールなダンスナンバーも相変わらず秀逸だが、今回は3人の歌の特性をフィーチャーした楽曲も耳を惹く。
その一つが「Miracle Worker」。エフェクトがかっていながらもとても3人の歌が前面に押し出されていて、なんかハミングパートも今まで以上に力強くてカッコいい。
あと、ポップかつストレートな「Tokimeki Lights」。ほぼ生声に近い3人の歌が、ヤスタカ氏の作り出す絶妙なメロディーラインに沿ってポップでキュートに歌い上げられている。

そして今回アルバムミックスされた楽曲群。
特筆すべきなのは、シングルで聴いた時全くといっていいほどハマらなかった「Cling Cling」が、違う曲?ってゆーくらい見事なバキバキナンバーに生まれ変わったのはナイス。
まさにヤスタカ氏の真骨頂って感じでやりたい放題ズベベまくっている。

しかし、アルバム後半の怒涛のシングル曲攻撃は、クールに展開していく前半に比べていささか詰め込みました感が否めなく、ややバランスを欠いてるかと。
だから私はiPodなどで聴くときは、クラフトワークの無機質な楽曲を挟んだりしてうまいことテクノバランスを計っているのである。


で、先日茶屋町にあるWIRED CAFEというオサレなカフェレストランで期間限定でPerfumeの新譜をBGMでたれ流すというコラボ企画やってたので大阪に所用がてら行ってきた。



ただ、土曜日の晩メシ時だったので、店内はシャレオツな若者どもで犇めいており、べしゃり声もうるさくて、とてもゆっくりと食事とテクノを楽しめるような環境ではなかった。


「Relax In The City」というスペシャルドリンク。全然リラックスできなかった。


まぁ今回の限定盤のジャケットはデザイナーの自己主張が甚だしく全然好きになれんのだが、コースターの模様としてはいい感じだね。





今日の1曲:『FLASH』/ Perfume
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呆逝く

2015年07月10日 | まったり邦楽
イエスのクリス・スクワイアの訃報を知らされたばかりだというのに、またひとり・・・・

ギタリストの石田長生さんが、食堂ガンのため逝去。享年62歳。


この訃報はDOOMのギタリスト藤田タカシ氏のツイートという、意外なところから知らされた。
石田氏はこれといった有名バンドに在籍もしていないし、メディアにもそれほど取り上げられていたギタリストでもない、いわばミュージシャンズミュージシャンだったのであろう。
ギターを弾かない私が石田氏の名前を知っていたのは、高校時代に姉から聴かされた石田氏とCHARのギターユニットBAHOの音楽がけっこう好きだったからであり、ライブにも何度か足を運んだことがある。
BAHOというユニット名は関東出身のCHARが“馬鹿”、関西出身の石田氏が“阿呆”とし、それを掛け合わせて“馬呆”と名付けたってのが通説となっている。




アコースティックづくしというものが苦手な私が、BAHOなんかを好んで聴いていたのは、やはりスーパーギタリスト2人による楽曲のアレンジのカッコよさにあったと思う。MAC清水のパーカスも良い。
何を隠そう、私がスティーリー・ダンを聴くようになったのは、BAHOのフルレンスアルバム『TREMENDOUS』に収められていた「DO IT AGAIN」のカヴァーを聴いたのがキッカケだった。

このアレンジの良さは原曲を超えている?



大学の軽音楽部に所属してた頃、4回生の先輩にセミプロ級にギターの上手い人がいて、その人がBAHOのコピーユニットを組んでいた。
卒業生追い出しコンサートの時にその先輩ユニットのライブを間近で見ていたが、「超絶やな」と感心しつつ、やはりウトウト寝てしまったのを覚えている。
アコギライブは苦手ってのもあるけど、やはりBAHOの楽曲が心地よすぎるってのもある。
だから、BAHOのアルバムは、夜安眠したい時によく聴いていたように思う。


石田さん、BAHOの至極のしらべにのって、安らかにお眠りください。





今日の1曲:『TREMENDOUS』/ BAHO
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サリュにアイニユケル

2015年04月26日 | まったり邦楽
タワレコオンラインより、Salyuの5作目となる新作『Android & Human Being』がステキな栞とともに届いた。

まずジャケットが今までと雰囲気がガラっと変わった。
これまではずっとSalyu本人がジャケットだったのが、シュールなイラスト画のみに。
今回も全面小林武史プロデュースで、バンドサウンドと打ち込みサウンドが程良くブレンドされた透明感のある粒揃いの良曲が収められている。
前作のバラエティに富んだ作風に比べて、より洗練された感じになり統一感が増したかと。
語弊があるかもしれないがサカナクションっぽい「カナタ」などの顕著なエレクトロ感は、やはり今の時代の風潮にならったところもあるかもしれないが、Salyuのこういった楽曲はなにも今に始まったことではないし、遡れば小林氏はリリイ・シュシュ時代からエレクトロの要素を取り入れていた。
他の方のレビューをちょっと拝見してみたが、初期作品の頃のSalyuの声と比べて、今はのどに引っかかるような別人みたいな声になってしまったとボヤいているのをチラホラ見かけるが別に気にはならなかった。
リリイを除いて初期の頃の作品が好きなファンが多いみたいだが、いや、初期の頃の小林氏の作る無理な高音域の楽曲より、最近の洗練された優雅な楽曲の方がSalyuの声にフィットしてると思う。
Salyuが成長したというよりも、小林氏が最近ようやくSalyuの声を無理なく活かせる楽曲を作れるようになったのだと。

個人的なお気に入りナンバーは、ブーストがかったキック音に厳かなピアノ伴奏が流麗な「リスク」、軽やかポップソング「心の種」、Salyuの霞みがかった声と高音Voのコンストラスが絶妙な「希望という名の灯り」。
ひとつ苦言を呈すると、アルバムの冒頭や中間などに計3回も挿入される子守唄のような小曲「先回りして」は正直かったるくていらんと思った。
なんでこういうことすんのかな?小林氏の趣味か?

PVにもSalyuは一切登場しない。




で、昨日はポール・マッカートニーの東京ドーム行きが絶望的となったので、あべのキューズモール内でのSalyuのHMVインストアミニライブを見に行ってきました。



インストアというのは正確ではないな。だって現在のあべのHMVはこんな小規模なアイドルショップみたいになってて、とてもじゃないけどインストアできる状態じゃないもん。
タバコ屋か!


ライブ会場はモール3Fのスカイコートという吹き抜けの円形観覧ステージで、4Fからも観覧ができる大規模なところだった。
まぁアリーナ席はあべのHMV購入者のみで埋め尽くされるだろうと4F席の最前列を狙っていたが、想定してたよりHMV購買者が少なかったようで参加券なしでも優先者ブロックのすぐ後ろのブロックで観覧することができた。
Salyuはフェスティバルホールでライブをする程の一応そこそこのビッグアーティストなのであるが、イマイチ国内での人気度がつかめん。私の周りでも好きな人皆無に近いし。
Salyu × Salyu海外フェス参加の効果などで、海外でも注目されてきてはいるようだけど。



バンド編成で来てくれるかなと期待したが、残念ながらアコギスタイルのライブだった。
客席の柵の後ろが通路になってて、買い物客が普通に歩いてる真っ昼間でのムードの出ない環境でのライブだったが、ライブ中後ろでガキがサンダルでタッタッタッタと走っていく外部からの音は、あたかもピンクフロイドの「走り回って」におけるSEを彷彿とさせるとてつもないステレオドップラー効果を生み出していた・・・・

って、んなワケないやろ!親出てこい!

でも久々にソロ名義でのSalyuのライブを間近で拝見して、彼女の生の歌メロの良さ、歌唱力の凄さを改めて実感。特に1曲目の「希望という名の灯り」はアコギヴァージョンで聴くと、レコーディングのとはまた違った響きがあってグッとくるものがあった。
アンコールあってびっくりしたが、「Dramatic Irony」のアコギヴァージョン聴けてよかった。

休日の午後、Salyuの力強い歌声はアベノハルカスの頂上まで響いていたかと思われる。



インストアセットリスト 4/25 大阪

01.希望という名の灯り
02.カナタ
03.THE RAIN
04.先回りして
EN.Dramatia Irony


ライブ終了後、頽廃的な新世界の街を散策していたが、頭の中ではずっとSalyuの歌が流れてて、早く家帰ってニューアルバム聴きたいって思った。



今日の1曲:『THE RAIN』 / Salyu
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チャリティーウーマン

2014年12月16日 | まったり邦楽
Cocco商店より、素敵なブツが届けられた。

『CoccoシングルCDスペシャルパンチ』。

2011年東日本大震災直後、Cocco×映像クリエイター陣による完全自主制作映像作品『東日本大震災救援企画・Cocco Inspired Movies』から3年。
その第二弾は、Cocco×ミュージシャンによる新曲音源2曲を収録したシングルCD。
まぁ根岸孝旨、大村達身、椎野恭一、堀江博久と、おなじみのCoccoサポートメンバーで、×(コラボ)というほどのことではないとは思うが。

本作には、ライブでしか披露されていなかった「希望の光」と、新曲「ドラゴン気流」の2曲を収録。
今回も作品の売り上げ利益は、全て東日本大震災の義援金として寄付されるとのこと。

この企画作品のことはニューアルバム入手時にすでに情報を得ていたが、まぁ急いでネット予約することもないかと放っていた。
で、滅多にチェックしないミクシのCoccoコミュの雑談トピ(Coccoファン同士のやりとりは昔からなんか殺伐としてて苦手なので)をふと見てみたら、そこでCocco商店より<<特別セット>>なるものの限定ヴァージョンが出ていることを初めて知り、今まで利用したことのなかったCocco商店にすぐさま登録して慌ててこの商品を発注した次第である。

<<Cocco商店特別セット>>には、こっこ店長によるマーク印付き手書き謝辞、Coccoデザインのポーチ、Cocco直筆(プリントでない)サインカードがついてくる。


まぁCoccoファンなら、こっちを買わない手はないだろう。
もう通常盤の方を買ってしまったって人も、商店特別セットを新たに買い直してみては?
今ならまだ注文可能みたいなんで。
http://coccoshowten.com/shopdetail/000000000085/

Coccoの直筆サインがもらえて、少しでも東日本復興支援の足しになると思えば全然痛くはないだろう。


震災の1年前か・・・この名曲を桜井と亀田のバック演奏でやっていたとはね。相変わらずMCがナイス。



今日の1曲:『強く儚い者たち』/ Cocco
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パパンパパンダ

2014年10月19日 | まったり邦楽
Coccoの約4年2ヵ月ぶりとなるオリジナル8thアルバム『プランC』。
今回も全面Coccoセルフプロデュース。

私自身も復帰してからのCoccoの迷走ぶりというか、健全過ぎる音楽活動についていけず、アルバムを正規の値段で予約購入したのは『ザンサイアン』以来、約8年ぶりとなる。
購入にふみきったのは、昨年ブックオフで格安で入手した前作『エメラルド』がことのほか完成度が高く素晴らしい内容だったのと、夏に刊行された雑誌『パピルス』のインタビューで(読んでないが)、「そろそろ表舞台はいいんじゃないかと考えている」と語ったCoccoの言動がひどく気になったからである。

まぁアルバム自体は活動休止期よりもブランクが空いてしまっているが、Coccoはその間べつに休んでいたわけではなく、他の分野で精力的に活動はしていた。
第68回ベネチア国際映画祭オリゾンティ部門最高賞を受賞した塚本晋也監督による、Cocco初主演映画『KOTOKO』への出演、エッセイ集も2冊ほど発表している。
なんかCoccoが一番に目指していたバレリーナのプロ試験をまた受けたとかいないとか。

    


んで、今年に入ってなんとCocco初主演の舞台劇『ジルゼの事情』で舞台女優デビューとな!
本作にも演出側から用意された曲があったにもかかわらず、ある日稽古の最中にCoccoがアカペラで歌ってしまったという劇中歌「ドロリーナ・ジルゼ」が収録されてある。



映画も舞台も出演するって事前に知ってたけど、Coccoとはだいぶ距離をおいていた時期でもあったし、なんかCoccoが演技をするってのがコワくて見にいく勇気が出なかった。
ライブしてる姿はたまらなく好きなのだが、PVとかで演出が入ってるCoccoもちょっと苦手で・・・もともと演劇舞台自体苦手ってのもある。
今ではこれらをスルーしたことをだいぶ後悔しているのだが・・・・


ほんじゃま、この辺で本作の感想に入らせてもらいましょうか。

一聴目は、こりゃダメかも・・・って思った。
前作が初期の迫力が戻ってきてただけに、なんだかまた『きらきら』の方に戻ってしまっているような感じがして。
いきなしトチ狂ったようなタイトル連呼に、打ち込み全開の「パンダとバナナ」に困惑する。ぶっ飛んだ露骨にエロい歌詞がCoccoらしいといえばCoccoらしいのだが・・・・それにしてもこの時代遅れの安っぽい打ち込みサウンドミックスはどうしたもんだろう?
もろ打ち込み曲といえば、「3D」という根岸孝旨氏がアレンジした楽曲はけっこうシッカリしていてカッコいい。ただ、なんかもの凄くJ-POPしてるんだよなぁ。お茶目オシャレソング「たぶんチャチャチャ」(これまた歌詞が露骨にエロい!)にいたっては、J-POPどころか、昔の歌謡曲に影響でも受けたような、妙にこなれた楽曲をこなれた歌い方で歌い上げているCoccoがいる。

今回アルバムには異例のライナノーツに曲解説まで付いており、その曲が生まれたいきさつなんかも述べられていて、それを読むとやっぱ個人的に知人に贈られた楽曲が多いようだ。
その辺が私が超駄作として全く聴いていない6th『きらきら』と似ていると感じたところかもしれない。
来月公開される映画『最後の命』の主題歌に起用された「Snowing」は、今回ライナノーツの執筆をCoccoから依頼された彼女と幼馴染みの社交ダンスの先生K氏とその奥さんに捧げられた曲だという。
そして、今回個人的に一番感銘を受けた「ハミングバードと星の砂」は、知人の結婚式の時にのどをつぶしてて頼まれた歌をその場で披露できなかったので、帰ってさっそくレコーディングしてその新婚カップルに贈った曲だという。いわばブライダルソングだ。
この曲にしても、今回曲解説を担当しているライターを含めた関係者らを集めてコーラスに参加させるという、実に馴れ合い的なレコーディング手法だ。

つまりこのアルバムは、義理がたいCoccoの個人事情的な作品といえる。
ここまで関係者参加型の作品を作ってるってことは、「そろそろ表舞台はいいんじゃないかと考えている」というCoccoの発言が意味深いものに思えてくる。

ちなみに初回限定盤AにはDVDの他、「BEAUTIFUL DAYS」という写真集が付いてくるのだが、これもデビュー当時よりCoccoの写真を撮り続けてきたnanaco氏が手掛けている。
ま、この写真集、SWITCHとよく似た構図の写真が多く、この内容であの値段は高いなとは思う。
予算のない方には、活動中止後に刊行されたそれまでのインタビューや写真満載のSWITCHの特別編集号『Cocco Foget it,let it go』で十分だろう。いまならブックオフで100円くらいで簡単に入手できるので所持してない方には超オススメ。



ただ、もう30半ばになったCoccoの成熟したセクシーな表情がやけに女優ちっくに写ってる(って一応女優デビューしてるからその辺の影響もあるのだろう)艶めかしいショットは、ファンなら一見の価値はあるかと。


で、今回のアルバムは結局どうなのかと言うと、初期のような「風化風葬」や「ポロメリア」などの突出した秀逸曲もなく、Coccoの作品にしては平凡すぎると言わざるを得ない。
でも仕事中に、私が苦手とするCoccoの悪ノリが過ぎる「スティンガーZ」を含め、このアルバムの楽曲群を頭の中で反芻しては悦に浸っている自分がいた。
そして、最初これはないなと思っていたのが、今では全曲通して聴いても苦じゃなくなって、「パパンパパンパパンパパンパン♪」って口ずさんで気持ち良くなっている自分にビックリしている。


最近では、洋邦問わずシンガーソングライターという存在に興味を無くしてしまって、SalyuやPerfumeやきゃりーなど、声だけ提供して楽曲を腕利きのプロデューサーに丸投げしているアーティストばかりを聴くようになってしまったが、Coccoから溢れ出る楽曲、歌声には、やはりいまだ1000年にひとりの逸材ともいえる、誰をも到達できない格別の魅力を感じてしまうのである。




今日の1曲:『パンダとバナナ』/ Cocco
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わたしがオバサンになっても

2014年08月15日 | まったり邦楽
明日のサマソニ大阪に行く予定はないのだが、FLOWER STAGEのラインナップに森高千里のユニット名がクレジットされてあるのを見てちょっと気になったので音源を試聴してみた。


サウンドクリエイター、DJのtofubeatsとのコラボ曲“Don't Stop The Music feat.森高千里”のミックスがものすごくいい。




幼少の頃からアイドル歌手には全くと言っていいほど興味が持てなかったもんで、全盛期の彼女にはビタ一文そそられなかったが、最近キッコーマンのうちのごはんのCMを見て以来、気になる存在に。




いくつになってもかわらぬ美貌、この歯切れのいい歌い方がクセになるというか。
そういえば、彼女の歌って感情表現が控えめなんだよね。そこもピンときたポイントかもしれない。


メタル入門したての中学生の頃、滋賀のいとこの兄ちゃんが車でよくかけてた森高千里の色モノ的な楽曲は虫唾が走る以外のなにものでもなかった。
長野のじっちゃんの家に行く道すがら、私はその千里攻撃に対して、購入したばっかだったヴァン・ヘイレンの『暗黒の掟』が収められたテープでリヴァース応戦。
長野までの楽しいドライブの旅のハズが、長い道中お互いストレスがたまりまくるという苦い思い出がある。




音楽嗜好もそうだったが、私もガサツなクソガキだったため、彼も子供とか相手するのは苦手だったのだろう、一緒に遊んでくれた記憶はほとんどない。


そんないとこの兄ちゃんは、6年前単身赴任先の東京でくも膜下出血で倒れ、ヨメさんと小学生の息子を遺し他界。

今も生きていれば、今年のサマソニに千里さんを見に行ってたかもしれない。
盆ということもあり、今日は彼にこの曲を捧げることにしよう。


ゆーちゃん、千里さんはまだまだがんばってるよ!




今日の1曲:『Don't Stop The Music feat.森高千里』 / tofubeats
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初回限定ばんばん

2014年08月14日 | まったり邦楽
今週末のサマソニ大阪17日、行こかどうかいまだ悩んでる相変わらず優柔不断のあましんです。

ロバート・プラントを死ぬまでに一度みておきたいってのがあるんだが、出演時間がメガデスともろかぶりってのがイタイ。
前日の大阪16日はクイーンが出演するが、クイーンは別にライブで見たいってバンドじゃないしこの日はいいかって思ったけど、この日はきゃりーも出演するので13000円払う価値あるかもって一瞬思った。
ただ、きゃりーのライブもVOIVODとかSCREAMING HEADLESS TORSOSとか、めっちゃ見たいバンドが出演する日についでに見れたらラッキーってな感じなんですわ。


そんなきゃりーぱみゅぱみゅの最新作『ピカピカふぁんたじん』が先月はじめに発売された。
もちろんフラゲしたんだけど一週目はまるでピンとこなかった。
まぁ既出のシングル曲「ゆめのはじまりんりん」や「ファミリーパーティー」がヌルすぎる印象だったので期待半分で臨んだのでありますが。

予約特典のクリアファイルはうれしかった。きゃりーの福笑いシールみたいなんが付いてきたが、そんな冒瀆的な遊びに興じれる度胸などない。




前作が実にバラエティーに富んだ内容でインパクト強の珠玉の楽曲が揃っていただけに、今回のは最初から最後までなんかフワフワし過ぎてて1stの後半のダレた感じを全編に渡って聴かされてるようなカッタルい印象を受けた。
きゃりーの歌にも進歩がない。つかする気もないと思うが。
音楽面の進歩のカギを握るのは、プロデューサーの中田ヤスタカ氏しかいないからな。
彼のことだからワザとそういう風にしたかと思われるが、今回のは全体的にユルい!最近のユルキャラ以上にユルすぎる!
とはいうものの、ヤスタカ氏の作る楽曲はやっぱしっかりしていて繰り返し聴いているうちにだんだんと耳に馴染んでくる。
やっぱこの人はうまいなと。

まず最初に耳を惹いたのが、今までで一番ロック色濃厚の「シリアスひとみ」。
素のきゃりーの性格をよくとらえた感覚的なぶっとんだ歌詞がナイス。間奏ではギターソロまで炸裂。
こういうのやられると、バンド形態でのきゃりーのライブが見たくなるね。


このベーシストさんビリー・シーンあたりに影響受けてると思われるが、不必要なほどの自己主張さはスティーヴ・ディジョルジオ譲りか?




しかし、ヤスタカ氏はきゃりーの言動やキャライメージに沿って作詞作曲をしているらしいんだが、あまりにもきゃりーをアホ扱いしすぎてないかい?
「do do do pi do」なんかがいい例だ。
「あーまーいーのーたーべーたーいー♪」って、食い意地のはったアホの子の歌ですやん。
ただ、楽曲そのものはジャジーなピアノのリズムが軽快な超クールナンバー。インストのオシャレさときゃりーのガキみたいな歌とが不可思議にもマッチングしたおしゃかわソングといったところ。つか、これってCapsuleのカヴァーなのな。

江崎グリコアイスの実のCM曲「こいこいこい」なんてタイトルからしてバカっぽいが、これがまた小島麻由美風ガーリーでアンニュイな趣きが出ていて秀逸なのだ。
こういった歌の表現できるからきゃりーって侮れんのよ。




今回は初回限定盤がAとBと2種類あって、それぞれ違う内容の特典DVDが付くとのことだったが、これがなんと海外ツアーのドキュメンタリー映像を前半と後半と二つに分けたものだという。
これはやらかしてくれたのーという感じで、アマゾンとかのレビュー見てたらきゃりーファンもPUNPUNPUNの非難轟々。
確かに消費者をナメとるとしか思えませんわのう。完全版を見たければ同じ内容のCDを2枚買えっちゅーことですわ。モッタイナイモッタイナイ・・・・・・
正直いってDVDの内容はつまらないです。これを見て2枚とも買う人はあんまおらんでしょう。
いまから購入予定の方には通常盤をオススメしときます。
なぜ、前回まで恒例だったフォトブック仕様ジャケとMV収録のDVDをやめて、このようなアコギな商法に走ったのか?
やっぱCDが売れなくなったせいかな?


ガソリン単価は高くなる一方だし、gooメールは有料化・・・・・

寒い時代になったと思わんか?




今日の1曲:『もったいないとらんど』/ きゃりーぱみゅぱみゅ
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さ~ちゃん

2014年07月28日 | まったり邦楽
私は元来シングルというものを定価で購入するような人間ではないのだが、今月発売されたPerfumeの20枚目となる記念すべきシングル『Cling Cling』の完全生産限定盤は、通常の倍の値段にもかかわらず買わずにはいられなかった。
おっきいハコの中仕様というもので、3DフォトジャケットBOX仕様となっており(写真では3D感はお伝えできないが)、40ページにわたる豪華フォトブックレット付きで、豪華特典DVDも付いている。


新録が4曲収録されていて、主題曲「Cling Cling」は「レーザービーム」と「VOICE」を中途半端に融合させた感じでなんだかイマイチ。
NHKのドラマ主題歌「Hold Your Hand」はいかにも主題歌でポップな感じ。
「いじわるなハロー」はいつもながらの良質なテクノポップナンバーだが、なぜだかハマってこない。

本作で一番エレクトロニックでクールさが際立ったのは「DISPLAY」。
今回特典DVDに収録されているMVはパナソニックの4K VIERAのプロモーションとして共同開発で作られたものらしい。
まさに松下のテクノロジーとPerfumeの持つポップさが見事に融合したテクノポップ映像だ。
ただ、4Kがどういうものなのかは、いまだブラウン管テレビを使用している私にはまったく見当がつかない。



ヤスタカ氏もこういったテーマを与えられるといい仕事をする。まさに職人。


特典映像DVDは主題曲のMVのほか、今年春に行われた対バン企画「Perfume Fes!!2014」の模様が収録されており、東京スカパラダイスオーケストラ、RIP SLYME、9nineなど、7組のアーティストとPerfumeとの絡みがダイジェストでまとめられている。
私は元来こういったアーティストたちの戯れ/じゃれ合い的なコラボ企画が大嫌いなので「Perfume Fes」にもほぼ無関心な態度をとっていたが、このダイジェスト映像を見て、興味深いシーンもいくつか発見できた。

武田カオリさんも生で拝見されたという、スカパラのバック演奏で「ジェニーはご機嫌ななめ」が披露されてるコラボシーンは貴重。まぁキーボードの沖氏をはじめ、スカパラのメンバーにはPerfume推しが何名かいるらしいからな、メンバーもいい記念となって楽しかっただろう。
しかし、ロックバンドのアレンジや、男のシンガーソングライターが熱唱カヴァーするPerfumeナンバーはしんどいものがあった。まぁ彼らも今回のコラボ企画のためにムリクリ考えたんやろうけど。Perfumeの曲はへんに感情とかこもっちゃダメなんだよ。
そういったアレンジ曲の中では、RHYMESTARの「ナチュラルに恋して」のミックスはよーデキてたと思う。やっぱこういうアレンジは打ち込み系が強い。
オリジナルのライムに初期の曲名を挙げていき、不遇時代からのPerfumeの軌跡をラップにのせてまくしたてるという粋な計らいは、インディーズの頃からのPerfume支持者であったアイドル評論家の宇多丸氏ならでは。
「これだけは他のヤツらにはマネさせねぇ!」とかいうJヒップホップならではのイチビリMCは余計だったかな。




あとダイジェストとは別枠で、「西脇家メモリアル」という題の映像もあって、今回の対バン企画であ~ちゃんの実の妹西脇彩華が在籍するアイドルユニット9nineとのジョイント2曲がノーカットで収録されている。
西脇家の姉妹が入れ替わり、妹がPerfumeコスチュームでPerfumeの「スパイス」を披露し、姉が9nineのコスチュームで9nineの「SHINING☆STAR」を披露するというスワッピング企画。
地元広島で姉妹共演を実現できたのは、西脇家にとって大変意義のある企画になってえがったねという、まぁまさにメモリアル映像。
いや、それにしても彩華さんはよく「スパイス」のあの難易度の高そうなダンスをやりこなせはった。さすが妹。


ところで、この主題曲のハリウッド仕立てのMVを見ると、モトリー・クルーの「Too Young to Fall in Love 」のあのオチのよくわからないPVを思い出すのは私だけだろうか?




今日の1曲:『Cling Cling』/ Perfume
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人類滅亡後のBGM

2014年06月23日 | まったり邦楽
今月はじめに、八尾のアリオで『ガンダムUC episode 7』を見終わってから、駐車料金をうかせるためにモール内のタワレコで購入したのが、元ゆらゆら帝国の坂本慎太郎くんのソロ第二弾『ナマで踊ろう』。

坂本くんがまさか八尾くんだりまで出向いてきたとは思えないが、彼のイラスト付き直筆の小っこいサインが試聴コーナーに無防備な状態でさらされていた。
マジで一瞬ポケットに入れて持って帰ろうかと思ったが、なんとか思いとどまりCDを購入。
俺ってええやつすぎるやろ!

実は、前作ソロはまだ未購入で、ゆらゆら帝国のラスト2枚の作品がどうもサウンドが実験的すぎてついていけず(ライブヴァージョンはものすごく好きなんやけどね)、ソロになったらもっとわけわからんことになっとるんちゃうかーっていう、浅はかな猜疑心がジャマをして手をつけられずにいたのだ。
坂本くんはやはり、どこか他のロックミュージシャンとは一線を画していて、ロックのあるべき姿だの、本物のミュージシャンならこうでなくちゃ!みたいなことなぞ意に介してないところがあって、自分が面白いなと思う音楽を作るためなら、自分のギターを省いてしまったり、時には歌さへも誰か他の女の子に歌わすといった手段を選ばぬ突飛さがある。
で、まさか今回駐車料金うかすという不純な動機で、坂本くんのソロに手をつけることになろうとは・・・・




人類滅亡後の地球を舞台にしたコンセプトアルバムっていう設定は、アルバムジャケットからもなんとなくそれを窺わせている。
スティールギターを携えたシャレコウベ面の慎太郎くん。バックにはきのこ雲が舞っている。
このジャケットの通り、今回は坂本くん奏でるスティールギターが幻惑的な効果でご機嫌にスライディングしている。
その音色は、時に聴き手を何千年後かの世界が滅んだ廃墟へとトリップさせ、時には何もない不毛の凍てつく荒野に吹きすさぶ風のごとくループする。
それが坂本くん特有のニヒルでウェット感を伴った歌声と、なにか人類への警鐘を鳴らすかのようなストレートでシンプルな表現の歌詞が、不可思議かつ不穏な雰囲気を纏って聴き手にじわりじわりと響いてくる。

だからといって、ドゥームメタルのように暗い内容かというと、そうではなく、楽曲自体はポップでとても洗練されていて耳触りが実によく、聴いてるととっても楽しくなってくる。
とくにバンジョーがフィーチャーされたカントリー調の「あなたもロボットになれる」の合いの手のように挿入される様々なパーカッションの音がユニークでとても楽しい。
「この世はもっと素敵なはず」では、パンキッシュな歌詞とは裏腹な爽やかな女性コーラスに、聴き取り不能のボコーダによるロボ声との掛け合いが実におもしろい。
乾いたようでねっとりと響くリズム隊も渋い。調べたらドラムは菅沼雄太氏で、ベースはOOIOOなどで活躍するAYAさん。

こんなステキな音楽が流れているのなら、人類滅亡後の地球もまんざらでもないんじゃないかと思えてくる。
いや、でも、誰もいなくなった廃墟でこんな音楽が流れてるところを想像してみると、とてもブキミでもある。




今日の1曲:『スーパーカルト誕生』/ 坂本慎太郎
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リアス三陸気仙沼大使様

2013年11月03日 | まったり邦楽
ライブ行くことになったんで、筋少と人間椅子の記事でもタラタラ書こうと思ってたんだが、昨夜行われた「コナミ日本シリーズ2013」第6回戦の試合開始前に、宮城スタジアムにて、なんと!畠山美由紀さんが国歌斉唱をしたという情報と、彼女自身、宮城県気仙沼市育ちだったということを知って、「ガングロおやじの国歌斉唱を目撃しといて、畠山さんの国歌斉唱を見逃すとは!!」という、この大変残念な気持ちを慰めるべく、畠山さんのことについて書こうかと。
http://www.musicman-net.com/artist/30375.html

畠山さんの歌声に最初に出会った記憶はちょっと曖昧で、多分やけどリトル・クリーチャーズの栗原務氏が2001年に発起したSPIRAL EXPERIENCEというユニットで、アフガニスタン難民救援のチャリティ企画ナンバー「SO MUCH TO LEARN, SO LITTLE WE KNOW」という曲を聴いて、このプロジェクトに参加していた畠山さんの歌声にハっとしたときだったと思う(他にEGO-WRAPPIN'の中納良恵、NOISE ON TRASHの坂本勝彦、ブレス・マークらが参加)。
このちょっと感情的に声を震わす、深みのある歌唱にグッとくるものがあったんだと思う。




次に、昔ポケーっとテレビ見てて、CMで畠山美由紀&小島大介の男女ユニットPort Of Notesのこの曲が流れたときにまたハッとさせられたときだったと思うんだけど、何のCMかは忘れた。みなさんも多分聴いたことあると思うんだけど、なんせ10年くらい前のことで忘れてると思う。
この曲が収録されてる『Duet With Birds』も2001年作で、同じような時期に上の2曲を聴いたので記憶が曖昧なんだな。私もフラフラしてたし。

「Sailing To Your Love 」/ Port Of Notes



『Duet With Birds』




で、その翌年満を持してというか、畠山美由紀としてソロデビューを飾ることになるわけだが、その第一弾作品がリトル・クリーチャーズの鈴木正人氏がプロデュースを担当した『Diving into your mind』。
まぁ畠山さんに関しては、過去に心斎橋のお寺の一室での座敷ライブにもおじゃましたことあるけど、小生なんせ移り気やすいもんで、それほど熱心に追いかけていたわけではないのだが、この作品がリリースされた当時は、それはもうくり返しくり返し聴きまくっており、今でも黄昏時に聴きたくなる一生もんの一枚だと思ってる。i-phoneにも入れてるし。

カーペンターズの楽曲を彷彿とさせるタイトル曲をはじめ、英詩の曲はどれも秀逸であるが、日本人離れした巧さというよりは、日本人独特の深みが内在してるのが畠山さんの特徴。一瞬昭和の歌謡曲かと思わせるノスタルジックな“ 遠い灯、遠い場所”でも、その深みのある声がそこらへんの懐古趣味的レトロちっく歌手とは一線を画すところ。それに、やはり音作りに繊細な鈴木正人氏による極上のアレンジが、楽曲全体をとてつもなく洗練されたものにしている。
フレットレスベースが自由奔放にうねる“青い夕凪”のアヴァンギャルドなバック演奏にも注目。

あの頃、まぁまだ若かったので、宇多田ヒカルとかRIP SLYMEとかのけっこう売れ筋のJ-POPや、エゴラッピンとかスカパラとかのオシャレ系の邦楽なんかもけっこう聴いてたけど、アラフォーを迎えた今となってはなんか青クサ~く感じられてほとんど心に響かなくなった。
だが、時折エモーショナルな歌声の中にも、どこか洗練されていて深みのある畠山さんの歌声には、この年古りた感性にもまだ響くものがある。
おっきなスポーツ競技大会における著名アーティストによる国歌斉唱の大半は、国辱的なものになるのが常であり、もうこういうのいいかげんやめてほしいんだが、昨日の畠山さんの国歌斉唱はホンマ聴きたかった。
昨夜のスポるとでは残念ながらその場面は放映されなかった。

だから、だれか録画した方、YOUTUBEにアップしてくれくれくれくれ・・・・・・





今日の1曲:『Diving into your mind』/ 畠山美由紀
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未知なるカダスをテクノに求めて

2013年10月14日 | まったり邦楽
もはや、私にとって5年前みたいにレンタルでは済まされない存在となってしまったPerfumeの最新作『LEVEL3』。
今回の初回限定盤は、3色のケースがあってAmazonから届けられたのは、見事第3希望の蛍光ピンクケースで残念な気分に陥ったが、そんな気分など、本作から叩きだされるドープなビートにより一気に払拭されてしまった。

中田ヤスタカ氏はやはりキッチリ結果を出してくれる。
ますます研ぎ澄まされ洗練されたサウンドミックスの妙。前作『JPN』では、シングル曲の詰め合わせ感が否めなく、ドリーム・シアターのアルバムのごとく食傷感を禁じえなかったのに対し、今回は既出のシングル曲にも大胆なミックスが施され、攻めるところでは攻め、退くところでは退くという、絶妙な駆け引きが展開されている。絶対浮くであろうと懸念されていたドラえもんの主題歌“未来のミュージアム ”ですら、リフレッシュ効果的にうまく溶け込んでおり(これは配置の妙だな)、一枚を通して見事なダンスアルバムとして完結している。

まず、1曲目の“Enter the Sphere”で、全国のPerfumeファンは歓喜したことだろう。 昨年のアジアツアーのオープニングで限定使用されていた“Global Site Project”のテーマ曲を、歌入りでグレードアップさせて冒頭に持ってくるという、このニクい心意気。中間のまさかのELP展開に、プログレファンの方はドキっとさせられたのではないだろうか。

“Perfume Global Site Project”
Perfumeがアジアツアーで実際に踊っていた振り付けをグラフィック化して、その骨組データをグローバルサイトで配布。各クリエータがそれに肉付けを施して遊ぶという、画期的にして冒涜的なプロジェクト。


そして間髪いれずに挙げ挙げのアタック音で始まる“Spring of Life (Album-mix)” 。正直このシングルヴァージョンはたいして好きではなかったのだが、中間のキーボードソロに入る前のフレーズ展開でテンション上がってたんだけど、アルバムミックスではそのフレーズがいきなり冒頭で展開した時のゾクゾク感ときたらハンパなかった!
で、次の“Magic of Love”のシングルを聴いた時も、「おい、なんやまた“Spring of Life”とよー似た曲ほりこんできたなぁ。そろそろヤスタカ氏もネタ尽きたか」と、寂しい思いにかられていたが、メランコリックなミックスを加えるとこうも違って聴こえるものだろうか?と、またしてもヤスタカマジックにしてやられたという感じ。
イエスの“ロンリー・ハート”のような軽やかポップなテンポと、3人のハーモニーが心地よい“Clockwork”などは、J-POPと呼ぶには洗練されすぎている名ナンバー。いまだにアイドルの曲などと偏見持っているネームバリューをやたら気にする連中に「この曲トレヴァー・ホーンプロデュースやぞ」っていったらどんな反応を示すだろうか。もっと純粋に音を楽しむ心を持てばよいものを・・・・
“1mm ”のイントロにしても、クリムゾンの“Fallen Angel”を彷彿とさせる神秘的なギター・シンセのような音色が聴く者をハッとさせる。
“Party Maker ”は、露骨にライブ構成を想定したダンスフロアナンバーであるが、12月のドームではどんなイリュージョンが待ち受けているのであろうかと、期待を膨らませずにはいられない。だから、京セラドームの抽選はずれたら私はどうなってしまうかわからない。




アルバムのラストを飾るのは、ジブリアニメのようなメルヘンチックで幻想的なヤスタカサウンドが美しい“Dream Land”。
私はこのタイトルとサウンドを聴いて、ハっとさせられたのであった。
この曲は・・・・もしかして、クトゥルー?
そういえばヤスタカ氏は確かジブリ音楽を手掛けた経歴も持っていたと思う。『となりのトトロ』や『崖の上のポニョ』などの宮崎駿諸作品は、明らかにクトゥルー神話がベースとなっていると、多くの暗黒神話論者の間でほのめかされており、そのことは本ブログでも書いたことがある(でもアホと思われそうなので読まないでね)。
で、駿引退宣言と同時期にヤスタカ氏がこの曲を世に出したことは、何か意味があるのではないか?

それにしても、この胸を締めつけるような切ない3人のハーモニーは、まるで夢の国へといざなう大地の神々からの託宣のような響きがあり、ランドルフ・カーターのように、凍てつく荒野の未知なるカダスを夢に求めて旅立ってしまいたい気分になる。
浅い眠りの中で巨大な階段を70段下り、そこからさらに700段の階段を下っていくと「深き眠りの門」に到達する。その門を越えた先に広がっているのが、「Dream Land(幻夢郷)」である。
そこには、すりガラスをひっかくような声で啼き、霜と硝石にまみれた翼とたてがみの生えた馬のような頭部を持つ、羽毛ではなく鱗に覆われたシャンタク鳥が、インクアノクの採掘場で待ちうけており、ダイラス=リーンでは夢の国の月から黒いガレー船に乗ってやってくる、瘤のある頭にターバンを巻き付けた商人どもが跋扈しており、そなたはこの夢の国の果ての凍てつく荒野にある未知なるカダスの頂の縞瑪瑙の城に棲まう大地の神々の前でツーステップを踏んで、彼らの恩恵を授かるであろう。

ヘイ!カモーン!アア=シャンタ、ナイグ!旅立つがよい!


なお、夢の国(Dream Land)のことに関しては、『ラヴクラフト全集 6』(創元推理文庫)に収録されている長編「未知なるカダスを夢に求めて」にその全貌がイヤというほど鮮明に描写されておりますので、同書に収録されているダンセイニ風諸作品「白い帆船」「ウルタールの猫」「セレファイス」「蕃神」「銀の鍵」「銀の鍵の門を越えて」なども合わせて読まれることをオススメしておきます。

ランドルフ・カーター
        


今日の1曲:『ふりかえるといるよ』/ Perfume
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なんだこれ

2013年07月01日 | まったり邦楽
ぱびゅぱびゅ!!

みなさん、もう薄々お気づきかと思いますが、現在きゃりーぱみゅぱみゅにゾッコンである。
正直ヴァン・ヘイレンのライブ会場へ向かう途中も頭の中では、きゃりーの曲がずっと流れっぱなしだった。まぁ奇遇にもヴァン・ヘイレンの大阪追加公演日と、きゃりーのフルレンス第二弾『なんだこれくしょん』の発売日が重なってしまったのがマズかった。エディが大腸憩室炎にならなけりゃこんな鉢合わせにはならなかったんだ。
会場でもタワレコセールのきゃりーの団扇持ってる人おったし。

で、今回のきゃりー作品もゴキゲンだね。
前作は全体的にはフワフワしていて、前半ブっ飛ばし過ぎの後半ヘロヘロという感じだったが、今回のは曲の配置にも工夫が感じられ、全体的に密度の濃い内容となっており、一聴目は年のせいもあってか正直疲労感を覚えた。
今回ももちろん全編中田ヤスタカプロデュース。歌い手に、歌い上げずなるべく不要な感情表現をさせないのは、Perfumeと同じ手法である。ただ、今回はきゃりーの自由奔放なキャラに触発されたかのような色鮮やかな楽曲が並び、かなりヴァリエーションに富んでいる。
やはり、テクノポップという括りのある、最近すこし格調高くなってしまったPerfumeと比べ、きゃりーの方が振り幅が広く、今中田氏にとって色々なことが試せる格好の素材なんだと思う。

にしても、今回はキャラもんが目立つな。忍者にモンスターに宇宙人と、きゃりーの七変化ファッションショーといったところか。
auのCMでおなじみ“にんじゃりばんばん”なんか、忍者とかベタなテーマで、大和撫子な合いの手や和テイストな音色が散りばめられてかなりベタなんだが、やはりヤスタカ氏の作る楽曲には、それなりの整合感とポップセンスの良さがあってどこかオシャレ。だからギリギリのところで色モノに陥らないのである。
g.u.のCMで奇抜なカッコとインパクトだけっぽいサビのフレーズで「なんだこれ?」って首を傾げる人もいるだろうが、それだけで判断するのは早計というものだ。おそらく全体像を知れば、その楽曲のクオリティの高さがわかるだろう。スペーシーな電子音にブっ太いベースとグルーヴが炸裂した、ヤスタカ氏の真骨頂ともいえる、“インベーダーインベーダー”のミックスなんて絶品である。

まぁPerfumeと違って、私のまわりにはきゃりーの共鳴者などひとりもおらんし、アラフォーのオッサンがこの期におよんでこんな小娘の破天荒な楽曲にハマってるなんて、端から見たらヘンタイにしか映ってないのかもしれん。
ただ、きゃりーの曲を聴いてると、案外私の今まで聴いてきた音楽のルーツと繋がる部分が見え隠れしてくるのだ。素のままの何も考えてないようなヴォーカリゼーションが、一時期ハマったHALCALIと重なるのもひとつである。
応援団みたいな太鼓音で始まる電グルっぽい“み”などは、個人的にガーゴイルの珍曲“ぎ”(この曲も和太鼓で始まる)への回答ソングと勝手に思っているのだが、こんなふざけたような楽曲でもカーステで爆音で流すと、もう最高にクールなディスコサウンドとして脳内にズンズン響いてくる。まぁ一度夜中にコッソリあなたの愛車で試してごらんなさいよ。
そして、クールなエレポップサウンドが爽快なスイーツ称賛ソング、“さいごのアイスクリーム”の世界観は、小島麻由美の“ショートケーキのサンバ”で感じた、我の強い女の子の等身大の天然さと妙にシンクロしてしまった。


初回限定盤は、フォトブック仕様となっており、確かに中身は「なんだこれ?」って感じの写真が満載されている。
ちなみにロケ地は、伊豆しゃぼてん公園だそうだ。

なんだこれ?


ジャケット写真はこっちのほうがよかったと思う。


ここまでくると、もう岡本太郎の世界だな。



最近はギャルバンドですら、制服を身にまとったり、近年のアイドルみたいな卑猥な格好をして客の目を惹こうとする時代なのに、きゃりーは全く世間に媚びてない。むしろ“グロかわいい”なんていう新境地を開き、世界からも注目を集めるという。
ヤスタカ氏も多分そんなきゃりーの言動にインスパイアされて、どんどん楽曲のアイデアが浮かび上がっていくのだろう。


しかし、たかが大衆向けの歌番組の連中の「歌手ならフツーに歌うことが絶対条件」とか、口パク排除の動きをみせるといった中坊的な了見の狭さには、吐き気をもよおしてしまう。オマエらがどんだけエラいねん?
原宿からモデルとして出現した女の子が、ヤスタカ氏のような売れっ子敏腕プロデューサーをも巻き込み、ダンスやファッションなど、各分野のクリエイター達の創作意欲を刺激し、“Kawaii”という日本カルチャーを総合ポップアートの域まで高め、世界に知らしめたきゃりーの求心力ってのは、やはりタダものではない証拠だと思う。
そう、きゃりーぐらいの領域に達すれば、リップシンクであれ何でも許されるのだ。
あの故マイケルだって、ライブで口パクしてるぜ。





今日の1曲:『ファッションモンスター』/ きゃりーぱみゅぱみゅ
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アニソン論

2013年06月22日 | まったり邦楽
本日より全国公開される話題アニメ映画『攻殻機動隊ARISE border:1 Ghost Pain』。
『攻殻機動隊』の映画は、テレビで一度見たことあるんだが、過去に3作品でているようで、どれを見たかは定かでない。
今敏監督のアニメ映画『パプリカ』とよく似た印象を受けたが、所々いかにもインテリのアニメオタクが作ってそうなノリがチト肌に合わなかったように記憶している。
でも、今回のはちょっと劇場で見てもいいかなと思っている。

というのも、今回この映画の音楽を手掛けているのが、コーネリアスこと小山田圭吾氏。
そして、エンディングテーマ「じぶんがいない」を歌っているのがSalyu。つまりこの曲に関しては、再びsalyu×salyuとしてのプロジェクトってこと。
NHK教育のデザイン「あ」の楽曲提供といい、このプロジェクトは不定期ながら活動を続けているみたいで、配信限定でリリースされた「話したいあなたと」を含め、是非まとまった音源を出してほしいところ。



なんでもSalyuはもともと『攻殻機動隊』シリーズの大ファンなんだとか。今回の仕事の話がきたときは、さぞテンションがあがったことだろう。
で、タイトルからしてわかるように、作詞を担当してるのが、やはり坂本慎太郎くん。
ひょっとして彼もファンなのか?私は彼のイラストワークの世界観の方が好きだけど。
で、どっかに「じぶんがいない」のPV映像ころがってないかなと検索してたら、「コーネリアス×攻殻機動隊ariseのスペシャルサイト」ってのに行きあたり、そこでPVを拝むことができた。

サイトにジャンプするやいなや、ウィンドウ画面全体にPV映像が映し出されるという特設サイト。
cornelius-kokakua-sound.com

まぁ、またしてもキノコ頭のSalyuがウジャウジャ出てくる「Sailing Days」のPVを想起させるチトひいてまうPV内容ではあるが、楽曲は相変わらず秀逸。

こ、怖ぇ・・・・・


ただ、今回このエンディングテーマより感銘を受けたのが、オープニングテーマ「GHOST IN THE SHELL ARISE」。
小山田氏による空間を粒子が飛び回るような神秘的で立体的な電子音がはじける中、タイトルの単語がエコーがかった声で響きわたるというもの。PVがまた秀逸。
小山田氏が今回の音楽を担当するにあたり、某雑誌のインタビューで「最近のアニソンって、どっかのアーティストが作品と全く関係ない歌詞のJ-POPソングを提供するってパターンのタイアップが多いじゃないですか。ああいうのが嫌で」というようなことをコメントされていて、その場で大きくうなづいてしまった。

この小山田氏のコメントを聞いて思い出したのが、『無限の住人』。
講談社『月刊アフタヌーン』にて、1993年から2012年まで連載されていた沙村広明描く時代マンガだが、このマンガの公式イメージアルバムを担当したのが人間椅子で、ちゃんと「無限の住人」というタイトル曲まであるにもかかわらず、2008年にテレビアニメ化されたとき、オープニングテーマに起用されたのが、枕草子の「赤いうさぎ」とかいう曲(ただのジェラ嫉妬ソングやんけ!)だった。
なんでそうなるんだよ!(って、またしても人間椅子を引き合いに出して、そのうち愛想つかされますよ)

このMAD映像作った人の気持ちがよ~くわかる。彼もくやしかったんだ。



今日の1曲:『じぶんがいない』/ salyu×salyu
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銀の鍵の門を越えて

2013年06月03日 | まったり邦楽
前記事で紹介したPerfumeの『Fan Service -Prima Box-』を入手する際において、実はひとつ大きな思い違いをしていた。
このボックスには、あの『bitter』のDVDがセットになっているものだと勘違いしていたのだ。
正直『bitter』が目的で購入したと言っても過言ではなかったので、「そんなバカな」とボックスの中を何度も確認した。帯裏を見たら、確かに『bitter』は別売り扱いで(表示がまぎらわしいねん!)またしても自分の軽率さを呪った。
どうりで定価が安いと思った。世の中そんなに甘くはない。

で、近所のブックオフにあったので、さっそく購入して鑑賞。

『Fan Service bitter』は、Perfumeが徳間とメジャー契約してからリリースされた初のライブDVDで、2006年12月21日原宿アストロホールでのライブを収録した映像。大ブレイクしてからの後追いファンでもこの時期の映像に魅了されてる人はけっこういるようだが、そういう人はいわゆるPerfumeヘンタイの域に達した人なんだと思っている。
箱のキャパは400人収容程度のもので、この頃のPerfumeって、ヘタしたら人間椅子より人気がなかったのかもしれない。
この頃の人間椅子といえば、『瘋痴狂』をリリースした頃。なんで人間椅子と比べるのかというと、同じ徳間ジャパン所属だったからだ。
にしても、銀色に『Fan Service bitter』とタイトルが印字してあるだけって、えらい愛想のないジャケットでんなー

この時期のスリーピース両者に対する徳間の扱いは、なんとなく似ている気がする。
あ~ちゃんが言っていたように、やはり経費削減のもとだったのか?


ただ、このライブDVD制作においてはけっこうお金をかけてるみたいで、カメラの設置台数はなんと11台。アングルや画面分割やタイトルテロップのエフェクト演出など、編集が凝りに凝っていて展開もスピーディーで、ハッキリいって『First Tour GAME』のライブ映像よりデキがよろしい。

某音楽雑誌に掲載されていた本作紹介文には、「オープニング3曲でフロアはすでにモッシュの嵐」などと書かれていたが、映像を見る限りそういった場面は確認できなかった。つか、筆者はどういうのをモッシュといっているのであろうか?スラッシャーの私としては、ハードル走みたいに手足を振り上げるか、フロアを走りまわらなきゃモッシュとはいえん。
ま、それはおいといて、セットリストはこの時までリリースされたシングル曲とカップリング曲をほぼ網羅した内容で、「スーパージェットシューズ」、「イミテーションワールド」、「カウンターアトラクション」などのCD未収録曲も披露されていて、ファンならば持っていて損はないだろう。
個人的には、広島限定アイドル“ぱふゅ~む”時代の2ndシングル曲「彼氏募集中」が聴けたのはかなり貴重だった。いきなり演歌調で始まるイロモノ然としたオープニングにはどん引きしたと同時に、パッパラー河合の編曲センスに辟易したが、ドタバタコント的振り付けに昭和テイストなアイドルソングを熱唱するPerfumeの姿に、腹をかかえて笑ってしまったと同時に、なんだか不可思議にも新鮮なものを感じてしまった。
昨年のライブでぶっ倒れそうになった「ジェニーはご機嫌ななめ」にもすでに免疫がついており、なんの疲労感もなくこのDVDを最後まで見通せたのは、私もいよいよヘンタイの領域に達しつつあるということなのか。

この頃の3人のライブの雰囲気は、すでにステージ慣れしてる感じがあり、そこそこの固定ファンも獲得しているようで、けっこうアットホームでリラックスした様子。現在もそうだが、媚を売ったりガツガツした様子もない。
本ライブ初披露となった「Twinkle Snow Powdery Snow」にいく前の、あ~ちゃんの「うちらは経費削減のもとじゃけぇな」という自虐的MCの開き直り加減といい、事務所からうるさく指示されてるようなアイドルのあるべき姿という気負いが全く感じられないところに好感がもてた。


この時彼女たちは、1年後に大ブレイクすることを、まだ知らない。




ディストーションギター音のきいた割とロック色の強い「エレクトロワールド」は、ライブ映像を通して好きになった楽曲のひとつ。
シングルがリリースされた当時は、想定をはるかに下回る売り上げだったという。
確かに大衆ウケするには、歌詞内容が手塚マンガばりにダークだし、少しクールすぎる楽曲ではあるが、近未来的エキセントリックな振り付けといい、Jポップソングというには革新的すぎる名曲。
時代はまだ彼女たちに追いついていなかったのだ。

彼女たちは、確かに、この道を走り進み進み進み続けていた。


今日の1曲:『エレクトロワールド』/ Perfume
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禁忌として触れてはならない領域

2013年05月27日 | まったり邦楽
最近中古で大ブレイク当時のPerfumeを特集した『Quick Japan』や『MUSIC MAGAZINE』を買い漁って記事を読んでるうちに、意にも介さなかった大ブレイク前のPerfumeの作品にもモラホラと興味が湧いてきて、けっこういろいろ購入してしまって、私もとうとう一線を越えてしまった感がある。
まぁYOU TUBEなどで、広島限定アイドル時代のデビュー曲「OMAJINAI☆ペロリ」(パッパラー河合プロデュース)の原初のプロモ映像や、黒歴史とされている「アキハバラブ」のVを視聴してかなりのダメージをくらった私としては、なかなかの冒険ではあった。

まず、今では入手困難となっている『Fan Servise -Prima Box-』をヤフオクで入手。まぁ少々痛み商品だったので、割と安くで落とせた。
本アイテムは、Perfumeが大ブレイクした2008年に完全生産限定でリリースされた、インディーズ時代のシングル3枚に、特典DVDと特製CDケース立てまで付加された復刻ボックスセット。
この商品を手にした時、凄いお宝物をゲットしたうれしさと、なにかしら、人として超えてはならない領域(AVで例えるとマニア・企画モノ的な)に踏み込んでしまった複雑な感情が入り乱れてしまったことを告白しておこう。
背後から「オマエ、そこに手を出してしまったらヘンタイだぞ!」って、誰かに言われてるような気がしてならないが、とりあえず、一枚一枚紹介していこうかと思う。



まず、BE-HIVE第一弾シングル『スウィートドーナツ』。事務所の意向でユニット名を“ぱふゅ~む”から“Perfume”に余儀なく変更された時で、自分たちで考えたユニット名だけに、当時かなり抵抗を感じていたという。
とにかくジャケ画のイモくささが半端ないが(当時15歳?)、プロデュースはこの頃から中田ヤスタカ氏が担当になる。彼もプロデューサーとしては何の実績もない駆け出しの頃で、アイドルに全く興味がなかった中田氏の彼女らに対する第一印象は「アイドルのトップを目指してる系の一番苦手なタイプ」だったとのこと。
インストゥルメンタルはこの頃からクオリティの高い完全テクノ志向にはなっているが、彼女らの声にはほとんどエフェクト加工が施されておらず、ほぼ生歌のいわゆる“歌い上げ”系で「ああ、彼女らも昔はオーソドックスなアイドル歌手を目指していたんだなぁ」と、当時の鼻息荒かった頃の彼女らに想いを馳せてしまうのであった。
彼女らの声の特色が確認できるのと、ライブでもいまだ演奏される、私が昨年大阪城ホールで初めて聴いてブっ倒れそうになったジューシィ・フルーツのカヴァー「ジェニーはご機嫌ななめ」が収録されてあることを含め、すこぶる資料性の高い貴重音源だ。


BE-HIVE第二弾シングル『モノクロームエフェクト』。この頃からロゴが現在の形に定着する。タイトルを明記しないジャケットや衣装など、ヴィジュアル的にテクノアイドル感を意識し出しているのが窺えるものの、楽曲的にはまだまだウルサ型のアイドルソング。
本作に収録の「おいしいレシピ」は、実は中田プロデュースとしての初レコーディング曲。BE-HIVEのどっかのオムニバスにも収録されているそうだ。


BE-HIVE第三弾『ビタミンドロップ』は、いきなりガンダムファーストのオープニングテーマのような電子タム回し音にドキっとさせられる。
いよいよヴォイス加工が顕著になってきており、楽曲もユルふわ系に転じ、中田氏は着々としょんべんくさいアイドル要素を外しにかかっている。大ヒットさせてやるとか、多分考えてないなこの人。ただ、自分の趣味を取り込み、試行錯誤で彼女らを素材としてサウンドの実験を楽しんでるという感じ。
しかし、小学生の頃から「SPEEDになりたい!」という夢を抱いてアイドルの道に飛び込んできた彼女たちの、歌い上げることを禁じられた当時の心境は如何ほどだったろうか(実際レコーディング毎に誰かひとりは泣いていたという)。
発売当時、TSUTAYA新宿店で行われたインストアイベント(歌も披露せずただファンにCDを手渡すだけというもの)では、客がサクラをふくめ10人程度だったというエピソードには涙をさそう。

特典DVDにはシングル曲のPVと、当時のアイドル活動の映像が散りばめられたクリップが収録されている。
「モノクロームエフェクト」PVでのトチ狂った髪形や、破天荒なマジックショーを披露してるいたたまれない映像を見るにつけ、こりゃ売れなかったのも無理はないなと思ってしまったのは私だけだろうか?
昭和のアイドルかみたいなベベを着せられ、“テクノアイドル”とかいうわけのわからん方向性で、しかも売れる保障もないという状況の中、彼女たちはほんとうにPerfumeという可能性を信じてアイドルの冬の時代を生き抜いてきたのだなぁということは、なんとなくわかった。




今日の1曲:『ビタミンドロップ』/ Perfume
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