さて、今週末にようやく日本で、待ちに待った手塚治虫原作の映画『ばるぼら』が上映されるのでありますが。
まぁ原作のマンガに関しては、だいぶ前に「オカルトエロマンガ」というタイトルですでに紹介済みなので、いまさら別に書くこともないんですが。
https://blog.goo.ne.jp/amashin666/e/86ee049eec99a7bfd82a36b600512732
じゃあ書かなきゃいいんだけど、せっかく実写化されてから約2年間、様々な障壁を経て上映されるに至ったことを祝して(でも次はコロナ禍第三波が・・・)、も一度この1973年の傑作黒手塚マンガを振り返ろうかと。
その前に、その障壁というのは、これは確かなことではないんだけれど・・・
今回映画『ばるぼら』の主人公の美倉洋介を演じるのは、元SMAPのメンバー稲垣吾朗氏。
で、私もようは知らんのやけども、2、3年前なんかあったじゃないですか?SMAPのメンバー3人がジャニーズ事務所から抜けるって騒動?
最近もよう騒がれてるけど、なにが問題なんかよーわからんけど、ジャニーズ事務所を抜けるのは、その支配力からの相当のプレッシャーがのしかかってくるみたいで。
で、その抜けたSMAPのメンバーが全然メディアに出れなくなった時期があって、それは事務所の圧力というか制裁というか、そういうのがあったって。
『ばるぼら』を撮った手塚眞監督も、そういったことをSNSでほのめかしてもいた。
な~んか業界の気持ちの悪いところが垣間見られた瞬間だった。裏社会とも繋がってるっていうし。
ジャニーズ関係がなにをしようが一生関わりないと思っていたけど、まさか自分の好きなマンガ関連の事で影響してくるとはねぇ・・・・
まぁばるぼらなんかは闇黒界に通じてるんですが・・・・
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私が最初に『ばるぼら』を読んだのは高校生の時で、姉が手塚治虫好きの友達から何冊か借りてきた中にあった大都社版のやつでした。
それまで私も周りの同年代の男子と同様、少年ジャンプに載ってるような、人気にかこつけて薄っすい内容でダラダラダラダラ連載引き延ばしてるような、キャラ先行の浅はかな子供向けマンガしか読んでなかったので、この手塚治虫の幻惑的なアダルトマンガ『ばるぼら』を読んだ時は、ほんとうに衝撃でした。
後に古本屋で購入した大都社サタニックカヴァー。
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まぁその頃は、ユーライア・ヒープやキング・クリムゾン、ブラック・サバスなどの70年代ブリティッシュハードロックを探求していたのもあって、その影響でオカルトや黒魔術にも興味津々だった時期でもありましたので。
手塚先生はこの作品を「オッフェンバックの『ホフマン物語』を現代版として描きたかった」と、解説でおっしゃってますが、このオペラとオカルトがなんで結びつくのかよくわからんのですが、『ばるぼら』後半の悪魔主義的な展開や解説部分は、ピーター・ヘイニングの『魔女と黒魔術』(主婦と生活社出版)という書物を参考に描いたそうです。
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手塚治虫没後に角川文庫から大量に出版された文庫版。
上、下に別れていて、ま、赤盤青盤といった趣でしょうか。
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実は、大都社版のは、どうしても一冊にまとめたかったのか、いくつかの話がハショられていて、後に刊行された文庫版にはそのハショられた物語が掲載されています。
『ばるぼら』の前半は、1話1話小ネタ読み切り変態短編集みたいな構成となっており、まぁ別に読まなくてもいいような話もあるのだが、第7章の「狼は鎖をもて繋げ」の話は、これはハショるべきではない重要な話だったのではないかと。
この大道占い師がここで今後の展開の伏線となる予言をしているのだ。
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この頃の手塚先生の内部事情も相当ヤバかった時期で、虫プロが倒産して少年誌で手塚マンガが全然売れなくなるという。
その鬱屈とした手塚のダークサイド部分が、アダルトコミックという舞台で大爆発を起こした時期だったのだ。
まぁ確かにこの『ばるぼら』を全編通して読んでると、相当病んではるのが見て取れる。
それを主人公の美倉洋介を通して、自分の変態性を好き放題曝け出しまくっているというのが真相なのではないかと。
これは、オーストリアのウィーン幻想派画家のルドルフ・ハウズナーの作品を模写したもの。
(第9章『狂気の世界』から)
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美術館の幻想画を閲覧してるうちに狂気に陥る美倉。ヤバい!
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カメオ出演的に実在の?作家仲間や美倉コレクターも出てきます。
筒井康隆ならぬ筒井隆康。美倉のサタニックヌーディスト結婚式に付き添う。
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松本零士ならぬ松本麗児。マンガ家で美倉のファン。
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とまぁ、色々とディープな内容で、手塚眞監督は父親のこんなタブー満載の変態マンガをいかようにして映像化したのか?
手塚マニアの間では、この作品けっこう人気あると思うから、相当プレッシャーだったんじゃないかと。
まぁでも、この方二世の割には物怖じしない人みたいだから「ただ撮りたい!」って欲求だけでやり遂げたんだと思われるが、今のところ期待半分ってとこですかね。
観てみないとわからんですからなぁ。
『MW』の二の舞にならんことだけを願う。
最新情報では、イタリアの『ファンタフェスティバル』に出品したところ、最優秀作品賞を受賞したとか。
海外では、黒テヅカ作品がどれだけ浸透しているのかも気になるところではある。
まぁ原作のマンガに関しては、だいぶ前に「オカルトエロマンガ」というタイトルですでに紹介済みなので、いまさら別に書くこともないんですが。
https://blog.goo.ne.jp/amashin666/e/86ee049eec99a7bfd82a36b600512732
じゃあ書かなきゃいいんだけど、せっかく実写化されてから約2年間、様々な障壁を経て上映されるに至ったことを祝して(でも次はコロナ禍第三波が・・・)、も一度この1973年の傑作黒手塚マンガを振り返ろうかと。
その前に、その障壁というのは、これは確かなことではないんだけれど・・・
今回映画『ばるぼら』の主人公の美倉洋介を演じるのは、元SMAPのメンバー稲垣吾朗氏。
で、私もようは知らんのやけども、2、3年前なんかあったじゃないですか?SMAPのメンバー3人がジャニーズ事務所から抜けるって騒動?
最近もよう騒がれてるけど、なにが問題なんかよーわからんけど、ジャニーズ事務所を抜けるのは、その支配力からの相当のプレッシャーがのしかかってくるみたいで。
で、その抜けたSMAPのメンバーが全然メディアに出れなくなった時期があって、それは事務所の圧力というか制裁というか、そういうのがあったって。
『ばるぼら』を撮った手塚眞監督も、そういったことをSNSでほのめかしてもいた。
な~んか業界の気持ちの悪いところが垣間見られた瞬間だった。裏社会とも繋がってるっていうし。
ジャニーズ関係がなにをしようが一生関わりないと思っていたけど、まさか自分の好きなマンガ関連の事で影響してくるとはねぇ・・・・
まぁばるぼらなんかは闇黒界に通じてるんですが・・・・
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私が最初に『ばるぼら』を読んだのは高校生の時で、姉が手塚治虫好きの友達から何冊か借りてきた中にあった大都社版のやつでした。
それまで私も周りの同年代の男子と同様、少年ジャンプに載ってるような、人気にかこつけて薄っすい内容でダラダラダラダラ連載引き延ばしてるような、キャラ先行の浅はかな子供向けマンガしか読んでなかったので、この手塚治虫の幻惑的なアダルトマンガ『ばるぼら』を読んだ時は、ほんとうに衝撃でした。
後に古本屋で購入した大都社サタニックカヴァー。
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まぁその頃は、ユーライア・ヒープやキング・クリムゾン、ブラック・サバスなどの70年代ブリティッシュハードロックを探求していたのもあって、その影響でオカルトや黒魔術にも興味津々だった時期でもありましたので。
手塚先生はこの作品を「オッフェンバックの『ホフマン物語』を現代版として描きたかった」と、解説でおっしゃってますが、このオペラとオカルトがなんで結びつくのかよくわからんのですが、『ばるぼら』後半の悪魔主義的な展開や解説部分は、ピーター・ヘイニングの『魔女と黒魔術』(主婦と生活社出版)という書物を参考に描いたそうです。
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手塚治虫没後に角川文庫から大量に出版された文庫版。
上、下に別れていて、ま、赤盤青盤といった趣でしょうか。
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実は、大都社版のは、どうしても一冊にまとめたかったのか、いくつかの話がハショられていて、後に刊行された文庫版にはそのハショられた物語が掲載されています。
『ばるぼら』の前半は、1話1話小ネタ読み切り変態短編集みたいな構成となっており、まぁ別に読まなくてもいいような話もあるのだが、第7章の「狼は鎖をもて繋げ」の話は、これはハショるべきではない重要な話だったのではないかと。
この大道占い師がここで今後の展開の伏線となる予言をしているのだ。
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この頃の手塚先生の内部事情も相当ヤバかった時期で、虫プロが倒産して少年誌で手塚マンガが全然売れなくなるという。
その鬱屈とした手塚のダークサイド部分が、アダルトコミックという舞台で大爆発を起こした時期だったのだ。
まぁ確かにこの『ばるぼら』を全編通して読んでると、相当病んではるのが見て取れる。
それを主人公の美倉洋介を通して、自分の変態性を好き放題曝け出しまくっているというのが真相なのではないかと。
これは、オーストリアのウィーン幻想派画家のルドルフ・ハウズナーの作品を模写したもの。
(第9章『狂気の世界』から)
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美術館の幻想画を閲覧してるうちに狂気に陥る美倉。ヤバい!
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カメオ出演的に実在の?作家仲間や美倉コレクターも出てきます。
筒井康隆ならぬ筒井隆康。美倉のサタニックヌーディスト結婚式に付き添う。
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松本零士ならぬ松本麗児。マンガ家で美倉のファン。
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とまぁ、色々とディープな内容で、手塚眞監督は父親のこんなタブー満載の変態マンガをいかようにして映像化したのか?
手塚マニアの間では、この作品けっこう人気あると思うから、相当プレッシャーだったんじゃないかと。
まぁでも、この方二世の割には物怖じしない人みたいだから「ただ撮りたい!」って欲求だけでやり遂げたんだと思われるが、今のところ期待半分ってとこですかね。
観てみないとわからんですからなぁ。
『MW』の二の舞にならんことだけを願う。
最新情報では、イタリアの『ファンタフェスティバル』に出品したところ、最優秀作品賞を受賞したとか。
海外では、黒テヅカ作品がどれだけ浸透しているのかも気になるところではある。
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